【ネタバレあり】鉄鼠の檻のレビューと感想
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至高を極めた、和製「薔薇の名前」
京極夏彦×志水アキコンビによる京極シリーズのコミカライズ版において、原作・マンガ双方共に名作の呼び声高い「魍魎の匣」が東の横綱なら、この志水版「鉄鼠の檻」が西の横綱ではないかなと思います。まさに貫禄・圧巻・空前にして絶後の見事なコミカライズ作品でした。
「拙僧が殺めたのだ」という印象的なフレーズで幕を開ける、箱根山での連続僧侶サツ人事件を圧巻のボリュームで描ききったこの作品に、かつてある書評家が「書物に纏わるミステリーで、これほどの大作が日本から出るとは。さながら和製「薔薇の名前」だ」と賛辞を送っていた事を覚えています。修道院と禅寺、幻の書物はアリストテレスと○○禅の経典という違いこそありますが、構成としては確かに似通ったところがあります。どちらも甲乙つけ難い名作であるのも含めて。
そして二作とも難解な小説を原作としながら、究極のビジュアル化に恵まれた作品でもあります。「薔薇の名前」はJ・J・アノー監督ショーン・コネリー主演による実写映画化。そして「鉄鼠の檻」は、志水アキ氏による圧巻のコミカライズ。映画版薔薇の名前の「アフリカの果て」での結末は凄まじかったが、個人的には物語のクライマックスにおいて、京極堂と○○の対峙と論争~一大カタストロフをペン一本で見事に描ききってしまった、この志水版「鉄鼠」に軍配を挙げたい。
大体こんな禅宗の蘊蓄が広辞苑並みの厚さの本にもりもり、登場人物坊主ばかり、舞台は日本版「アフリカの果て」みたいな幻の大伽藍……とかいう癖ありすぎ超大作を、こんなハイクオリティなマンガに出来る志水先生が頭おかしい(※褒めてます)んですよね。禅の根幹である不立文字を、万の言葉を費やして解体しようとした原作も大概ですが、そこからコミカライズに合わない要素だけ削ぎ落とし、これ以上なく美しく仕上げてしまったコミカライズ版もこれまた並の仕事じゃない。「薔薇の名前」で老賢者・バスガヴィルのウィリアムを演じきったショーン・コネリーにも言える事ですが、志水先生の原作に対する深い理解と愛情なくして、こんな素晴らしいコミカライズ作品は出来まいと思います。
この「鉄鼠」のラスト、とある人物の口をつく「拙僧が殺めたのだ」に、万感の想いを抱かずに居れる読者は恐らく居ないんじゃないだろうか。未読の方は一読あるのみ!です。by 牛の首2- 0
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5.0
まず、絵柄が綺麗だと思った。
そして、キャラがそれぞれ「存在感」があり、
読み進んでも、「誰が主人公」?なのか、判らない。
それだけ、それぞれが魅力的なのだ。
細かいところまで観ていて飽きない。by ロンソン- 0
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4.0
サクサク読める鉄鼠
あのサイコロ本が!!!漫画だとサクサク読めちゃいます。鉄鼠の檻は、京極作品でもダントツに大好きな作品です。原作のくどさを上手に削ぎ落とし削ぎ落とし、残すべきところは残し(この選別が難しいでしょうが)しっかりと1つの漫画作品になっていると思いました。何回も読み返している身としては、手軽に鉄鼠の檻を反芻出来て面白いですが初見の人にはどうなのかな?
ただ、久遠寺院長と敦ちゃん・関口くんとの再会はもう少し哀愁感出せたんじゃないかなーと思ってしまいました(いや、漫画家さんが世界観をよく理解してくれているからこその「ここがもう少しー」というやつです💦すみません)無料分だとまだ出てきていないお坊さんもいるし、お人形さん対決も見たいなと思いつつ、原作のくどさを味わいにサイコロを開けそうな予感です。by 蛯原ゆうか- 0
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3.0
情報量が多過ぎて途中歴史や宗教的知識部分は薄目で読んでます。それでも楽しく読める。あと時代背景が興味深い
by びーがぶ- 0
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5.0
京極堂シリーズでは一番好きなお話です。
ほぼほぼ雪深い山の中でストーリーが進行します。
次々と起こる僧侶殺害、成長しない娘、謎の寺。不気味な要素が多々ありながら、真っ白な雪の中という舞台設定と禅宗の僧侶たちの存在がストイックさを醸し出しています。
礼二郎の場違いな明るさも素敵。
個人的には、頭でっかちでヒステリックだった若い刑事の挫折と精神的成長が、見所のひとつかと。by 匿名希望- 0
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5.0
多分
多分、漫画家さんの中で、一番上手く京極夏彦の世界観を書いてらっしゃる方だと思います、
電子書籍で、毎回志水アキさんで検索してしまう。by あをい林檎- 2
5.0