5.0
壮大な小説です
私の母は昭和初期の青森県津軽半島の生まれです。この話は少し時代が遅ければ、母の歴史だったかもしれないと思って読みました。
明治時代、近代産業の政策として殖産興業が施行され、そのあと北海道開拓に多くの労働力が動員されたことは教科書から学びました。
でもその裏で、その人々の性欲を鎮める為に、政府公認の遊廓を政治家が机上で論議し設立を坦々と決議し、それが普通のことと認知されてることに驚きました。
その結果、本土の近場から幼い女の子が飢饉や貧困で売り買いされた歴史は負の遺産で陽の目に当たることはなかったのでしょうね。集められた男も女も虫けら以前の扱いで、涙が出ます。
●春禁止法が施行されてから半世紀以上経ちますが、二千年の歴史の中ではこの間のことです。知らないことが多いです。男尊女卑は昔と言うけど未だに田舎でその面影はも残っています。
明治以降の日本の近代化の中に産業化が縦糸になら、裏での遊女遊廓の女は縦糸で歴史は刻まれて来たのでしょうか?これが本当の北海道史なんでしょう。
作者が、事実を詳細に丹念に調べ上げ、虚実織り混ぜ構成した凄い小説(漫画には思えません)です。室蘭出身者として後世に残したかったのかとも思いました。
何度も涙しました。また読んでみたいマンガです。
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