5.0
一人でも多くの人が、勇気を持てますように
今流行りの「虐待されて自己肯定感の低い、トラウマ持ちの女性の再生物語」。
この作品の良いところは、「過去」のトラウマ描写と「今」の背景や装飾の美麗さのバランスが絶妙なところ。「ルシア」も同じ系統かな。
実家の中ではホントに酷い目に遭ってきて、死地に飛び込むも同然で初めて「外」に出されて、でも「外」は実家なんかよりはるかに優しい場所で、だから怯えながらも手を伸ばす…
こういうストーリーがこんなにウケるのは、それだけ家族に傷つけられてきた女性が多いんだろうなって思う。
そうして、救いを求めている女性も、今もきっといるんだろうな…
ヒロインにイライラする人もいるだろうけど、ホントにこんなんだから。
ホントに怖いんだから。
誰かがそばにいて支えてくれてさえ、怖いんだから。
家族の虐待って本当に罪深いんだよ。まっさらな人格の土台に、いきなり「恐怖」や「不信」をインストールしてしまうんだから。他のアプリを全てその上に入れていくんだから、そう簡単に消せないんだよ。
それでも、怖がりながらも何とか自分を変えようとする、その姿が愛おしい。
そして、美人でも何でもない、むしろ泥臭くもがくその姿をこそ、愛してほしいと思うんだけどね。
韓国発と聞いて納得。
隣国だけあって、やっぱりそういう悪いところも日本と韓国って似てるんだよね。
この物語に触れた人が、どの国の人であれ勇気を得てほしい、怖くても一歩を踏み出してほしいと、心から願っている。
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オークの樹の下