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皆さんの気持ちもわかる、私もできれば関わりたくない。
でも、戦争を生き延びて「しまった」世代の人の気持ちも、少しだけ思いやってほしいな。
もしこれが昭和だったら、チョースケさんはもしかしなくても戦争を知る世代のはず。
だとしたら、きっと「生きていること」そのものに、とてつもない罪悪感を抱いていたのではないか?
終戦後に「発見」された旧日本兵が、帰国の際に「恥ずかしながら帰ってきた」と言ったように。
最近の高齢者と言えばだいたい戦後に生まれた世代だが、それ以前、戦前・戦中に生きていた人は、また心の在り方が違うはず。
今を生きる私たちは「信じられない!」と怖気を振るうけど、その当時の人にとっては「自分が今生きていることが、死んだアナタに対して申し訳ない」という気持ちが根っこにあり、だからこそ、罪悪感から、このような「汚れ仕事」をやってしまっていたんじゃないかな。
独り身で交友関係も少なかったのなら、「チョースケさんのことが大事なんだ!」「元気で長生きしてほしいんだ!」と訴えかける人も、残念ながらいなかっただろう。
単に不潔とか不衛生とかで断じる前に、また「昭和」と一括りにする前に、その「昭和」の前半には血みどろの戦争があったということをもっと考えてみてはもらえないだろうか?
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不浄を拭うひと
046話
不浄を拭うひと(46)