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幸せな予感のする終わり方
シンプルな絵柄の割に抉り込んでくるような内容のギャップが好きで何作か読んでいます。今回は妻から捨てられ(自動的に娘と引き離された)男の人の悲哀。淡々と淡々と仕事と家の往復をしているだけの人生。そこに、娘を思わせる妙齢の女性が現れる。新しい恋?と鳴るかなー?と思ったらそんなに人間単純じゃない。単純だったらとっくに再婚している!という展開。人間の心の傷というのは、ありきたりな日常で誤魔化しても誤魔化しきれないものなのだ、と戦慄してしまう場面もある。当然ながら逃げた妻には妻の言い分がある。連れ去られた娘こそ可哀想だ。最後にはその娘の心情が語られる。そして、高校を卒業した娘がある決断をする。人間は孤独。家族であっても、親子であっても。一人で生まれて◯んでゆく存在なのだ。その中で縁があって親子として存在している意味とは?
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今朝もあの子の夢を見た