STK_09さんの投稿一覧

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評価5 40% 17
評価4 24% 10
評価3 17% 7
評価2 12% 5
評価1 7% 3
11 - 16件目/全16件
  1. 評価:5.000 5.0

    拗らせ男の究極形

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    好きなのに好きな気持ちを素直に表現できない拗らせ男というのはもはや一種の雛形となった感さえあるが、この作品のヒーロー、デミアンは、その究極形とさえ言える。
    とにかくこのデミアン、プライド(作品的に言うと品格)が高すぎて、自分から愛を乞う行為が一切できない。ただ素直に愛を囁いて求婚すればそれで全てが丸くおさまるというのに、それができないので、高い地位と有り余る財力にものを言わせて相手を追いつめ、自分を頼らざるを得ない状況に持ち込み手に入れるという手に出る。
    好きな気持ちの裏返しなんて言葉では到底容認できないヒロインへの暴言、嫌味、嗜虐的な行為の数々に心が折れそうになる読者は多いだろう。実際「デミアンは実はクロエに首ったけ」というネタバレ情報を知らなければ読み進められない人はかなり多そう。
    挙句の果てに、『クロエの好感度を稼ぐために彼女に犯罪の濡れ衣を着せた上で救い出す自作自演』という、誰がどう見てもそれはやっちゃダメだろ……という最低最悪な作戦を決行し、一時的にラブラブになれたはいいものの案の定クロエにバレて捨てられる。
    どう考えても100%自業自得だが、そこからのデミアンの狂いっぷり、そこまでしてもクロエを諦めない粘り強さと執着心が、おそらく本作の最大の見どころ。
    あれだけのクズ行為を見せつけながらも、最終的にはデミアン、頑張れよ…という気持ちにさせてしまうあたりが、なんだかんだ大した男である。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    作画、内容ともに良質

    最初から最後まで作画が崩れず美しく、「すべては推しのため」というヒロインのスタンスがブレないので安定して読み進められる。
    ヒーローは精神的に脆い面もあるが、(おそらく)愛するもののためなら力を発揮できるタイプなので、ヒロインに落ちてからは有能ムーブを見せてくれて安心。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    バディ物コメディ領地開拓アクションの大作

    第一話の冒頭を読んだ時点では「あ~はいはいいつもの憑依転生ね」というイメージを受ける事だろう。しかし、そこで読むのを止めてしまうのは、あまりにも早計。人生の損失とさえ言える。レビュータイトルに列記したジャンルの中で一つでも気になるポイントがあるなら是非読み進めてほしい。きっと後悔しません。
    読んでいた小説の中のモブに憑依してしまった…という導入こそよく見るものではあるものの、人物造形とストーリー展開の巧みさと、完璧な魅せ方によって、凡百の作品群とは一線を画す出色の出来となっている。
    とりわけこの作品を優れたものにしているのは、主人公・ロイドというキャラクター及び、その護衛騎士・ハビエルとの関係。
    転生前は真面目な学生だった主人公(その理由も後々明かされる)だが、ボンクラ息子・ロイドに憑依して以降、とんでもなくやばい人物に豹変する。
    とにかく金にがめつく、目的の為なら手段を選ばず、必要とあらば暴力も脅迫も躊躇しない。しかしそんな行動が、彼と出会ったあらゆる人を幸福に導いていく。
    「全ては自分が得をするため」と嘯きながら領民の為に身を粉にして働き、常に危険な最前線で矢面に立ち、大切なものに危害を加えられたら容赦なくやり返す、悪鬼羅刹の皮を被った聖人・ロイドがとにかく魅力的で、読み進める程に好きになってしまう。
    そんな彼の相棒役を務めるのが、本来の小説の主人公である騎士ハビエル。
    最初のうちはロイドの振り切った行動の数々に呆れたり引いたり疑いを隠し切れずにいるのだが、努力家で機知に富み、勤勉で責任感の強いロイドの本質に触れるうち、どうしようもなく彼に惹かれていく。その様の描き方も見事。
    好感度マイナスからスタートしたハビエルが、最終的にどれほど変わり、ロイドの為にどれだけの事をやってのけるのか、その結末を見届けた時にはきっと言葉を失うはず。
    彼らそれぞれに対し思いを寄せるヒロイン達もいるにはいるが、正直そちらはオマケのようなもの。
    始めは反りが合わなかった二人が、徐々に互いに信頼を寄せ、息の合った悪友のような関係になり、やがて唯一無二の相棒となっていく過程に尊みを感じる人は、是非読んでほしい。
    多くの作品では触れられる事なく終わってしまう「主人公は何故、この人物に憑依したのか」の謎もきっちり明かされ読後感も最高な、笑いも涙もてんこ盛りの大傑作。

    • 6
  4. 評価:5.000 5.0

    わりと不憫な大公様

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    大公のクロード、隣国の王子イアンが男装女子カメリア(男性名:カメリオン)を取り合う話。
    とはいっても、タイトルとプロローグを見れば結ばれる相手がクロードである事は最初から明らか。それなのに、レビューを見るとイアン推しが多い。
    なぜなのかといえば、前半のクロードはツンデレをこじらせた面倒な男だからである。
    クロードは中盤までカメリアが女性である事を知らない。それなのに、彼女に会うと心が揺さ振られておかしくなってしまう事に耐えられず、ついつい彼女にきつい言葉を投げかけてしまう。一方のイアンは最初からカメリアに甘く接するので、読者としても「イアンでよくね?」となるのは必然と言える。
    しかしクロードが本領を発揮するのは、カメリアに対する気持ちを自覚した後。
    一度彼女(クロードからすれば彼)を好きだと認めた後は、性別なんて関係ない、とばかりに積極的なアプローチを始める。一方のイアンは、知り合う前からカメリアの性別を知っている。つまり、クロードが超えた性別という大きな壁が、イアンには最初から存在していないのだ。
    そしてカメリアが女性だと知った後のクロードの怒濤の追い上げはすさまじい。くっつき、抱き締め、骨まで蕩かす勢いで甘やかす。このあたりからクロード推しになった人はかなり多いと思われる。
    カメリア(性別がバレてないと思ってる)の「男が好きなのか?」という問いに対するクロードの答えは「君が好きだ」。
    実際クロードはカメリアが男だと思っていた時から添い遂げる気満々な勢いで迫っていたのだから、この言葉の説得力は抜群である。
    要するに、最初だけを見て印象を決めてしまうのは早計。
    内から外から、様々な妨害に遭いながらもカメリアが大公様を我慢させるまでの道程をご堪能ください。

    • 2
  5. 評価:5.000 5.0

    よくある回帰、ではない

    絶望の仲で生涯を終えたヒロインが、なぜか過去へと舞い戻り、不幸だった自らの人生を変えようと必死に足掻く物語。…はっきり言って殆どの人が「何番煎じだ」と思うような導入である。しかし、そんな「よくある話」でありながら、この物語がここまでの圧倒的支持を受けるのには勿論、理由がある。どこに魅力を感じるかは人それぞれだろうが、私は、最も大きいのは主人公・ビアンカの設定ではないかと思っている。
    この手の話のヒロインは大別して聖女型、悪女型の二つに分かれると感じている。
    聖女型は、周囲の悪意や状況によって悪女とされただけで、本人は心優しく真面目な品行方正タイプ。
    悪女型は、結果的に善行をする事はあっても基本的には自分が一番で、気が強く知恵があり、我が道を行く女傑タイプ。
    ではこの話のヒロイン・ビアンカはどちらかと言うと、「どちらでもない」。
    ビアンカは、適度に愚かで適度に賢く、適度に善良で適度にワガママな、「ごく普通の貴族令嬢」なのだ。
    更には、他の話のヒロイン達の多くが陰謀に直接関わる位置にいて、最初から沢山の情報を持っているのに対して、一度目の人生のビアンカはほぼ蚊帳の外。何も教えられず、何も知らないまま、周囲に振り回されて死を迎える。だから過去に戻っても、最初から賢く振る舞う事はできず、まず「多くを知る」ところから始めなければならない。スタートラインが違うのだ。
    そんな彼女が一度目の人生では得られなかった多くの事を知り、本当の愛を知り、賢く成長していく姿が本作の最大の見所。最初のうちはビアンカの危なっかしさに苛立つ事もあるかもしれないが、頑張って読み進めて貰いたいところ。
    そしてそんな彼女を見守る夫、ザカリー。不器用で優しく、多くの人に慕われる領主であり最強の騎士。こんなの好きになるしかない。
    政治的な理由で幼い少女だったビアンカを娶る事になり、その罪悪感から、彼女を大切にしつつも妻として見ないよう努めていたが、美しく成長したビアンカと共に過ごすうちに、徐々にその気持ちに変化が訪れる。
    ビアンカほど頻繁に内心が明かされないので、彼の心情は主に行動や表情から推し量る事になるが、細やかに描かれる二人の触れ合いや表情の変化が、もうキュンキュンものである。馬上試合を契機に語られる彼のビアンカへの想いには感無量になること間違いなし。
    一度読み始めたら止まらない、回帰ものの傑作。

    • 4
  6. 評価:5.000 5.0

    ダントツに面白い!

    冷たかった夫からの溺愛やら、回帰からの復讐やら、追い出された俺が真の力を発揮やら、無能スキルで領地改革やら、古今東西いろんな縦読み漫画を読んで来ましたが、その中で一番のお気に入りを挙げろと言われたら迷わず名前を挙げるのがこれ。
    表紙が取っ付きにくいので第一印象で引いてしまう人が多そうだが最初の20話、せめて10話、読んでみてほしい。
    女騎士モノ、というのは多くはないけれど、珍しいというほどのジャンルでもない。しかしこの話の主人公・ポリアナは、よくある女騎士モノに出てくる数多の女騎士たちとは違う。
    まず間違っても美人ではない。作中でも何度も不細工だと指摘されるし、少女漫画にありがちな「凡顔って設定だけどどう見ても美少女だよね」みたいな絵柄マジックもない。外見だけだと正直BLにしか見えない。体はゴツゴツで傷だらけ。
    そしてこれまたリアルな事に、ポリアナは強くもない。傷一つない美人で華奢な女騎士が謎の力で筋骨隆々の男を簡単に負かしてしまう、なんてご都合展開もない。
    加えて作中世界は完全な男尊女卑。男は外で戦って女は黙って家を守ってろ、女が騎士?ふざけてんのか?が常識。
    そんな中で、美しくも強くもない、けれど輝くような忠誠を胸に掲げ、ただ実直に努力と実績を積み上げ、徐々に周囲からの信頼を得て、多くの人々を、ひいては世界を変えていくポリアナが眩しい。終盤での圧倒的なカタルシスはまさに、第一話からポリアナを追いかけてきた読者への最高のご褒美と言える。
    そんなポリアナを一途に愛するようになる皇帝ルクソスも魅力的。間違いなく世界一の地位と名声と権力の持ち主で、望めば全てが手に入る立場なのに、だからこそ愛する女性だけは手に入れられないという設定が実に絶妙。皇帝を1ミリも男として見ないポリアナと、そんな彼女にひたすら片恋を捧げるルクソスの噛み合わないラブコメは面白すぎる。
    根底には深いテーマを内包しつつも漫画自体は軽妙で読みやすく、何度も笑ってしまうはず。
    縦読み漫画が好きでこれを読んでいないのは大きな損失と断言できます。ぜひ読んでほしい。

    • 63

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