STK_09さんの投稿一覧

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1 - 5件目/全5件
  1. 評価:5.000 5.0

    わりと不憫な大公様

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    大公のクロード、隣国の王子イアンが男装女子カメリア(男性名:カメリオン)を取り合う話。
    とはいっても、タイトルとプロローグを見れば結ばれる相手がクロードである事は最初から明らか。それなのに、レビューを見るとイアン推しが多い。
    なぜなのかといえば、前半のクロードはツンデレをこじらせた面倒な男だからである。
    クロードは中盤までカメリアが女性である事を知らない。それなのに、彼女に会うと心が揺さ振られておかしくなってしまう事に耐えられず、ついつい彼女にきつい言葉を投げかけてしまう。一方のイアンは最初からカメリアに甘く接するので、読者としても「イアンでよくね?」となるのは必然と言える。
    しかしクロードが本領を発揮するのは、カメリアに対する気持ちを自覚した後。
    一度彼女(クロードからすれば彼)を好きだと認めた後は、性別なんて関係ない、とばかりに積極的なアプローチを始める。一方のイアンは、知り合う前からカメリアの性別を知っている。つまり、クロードが超えた性別という大きな壁が、イアンには最初から存在していないのだ。
    そしてカメリアが女性だと知った後のクロードの怒濤の追い上げはすさまじい。くっつき、抱き締め、骨まで蕩かす勢いで甘やかす。このあたりからクロード推しになった人はかなり多いと思われる。
    カメリア(性別がバレてないと思ってる)の「男が好きなのか?」という問いに対するクロードの答えは「君が好きだ」。
    実際クロードはカメリアが男だと思っていた時から添い遂げる気満々な勢いで迫っていたのだから、この言葉の説得力は抜群である。
    要するに、最初だけを見て印象を決めてしまうのは早計。
    内から外から、様々な妨害に遭いながらもカメリアが大公様を我慢させるまでの道程をご堪能ください。

    • 1
  2. 評価:2.000 2.0

    あまり感情移入できない

    20話ほど読みました。
    タイトル通り主人公が物凄い力を持っている、という設定なのだが、どうにも使い方がしょぼい。
    目的も、ただスローライフを送りたいのか、北部を助けたいのか、信頼や名声が欲しいのかはっきりせず、どういう目線で応援すればいいのかよくわからない。
    ヒーロー役の公爵も、弟を助ける為の代償を領地民に支払わせてそのせいで領地が滅ぶ寸前なのにそれについて大して罪悪感を抱いている様子もないし、証拠もないのに主人公を疑い、その隙に刺客を逃がしたりしてるのに反省もせずまた疑う等、今のところ魅力を感じられるムーブがない。
    続きはいいかな。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    よくある回帰、ではない

    絶望の仲で生涯を終えたヒロインが、なぜか過去へと舞い戻り、不幸だった自らの人生を変えようと必死に足掻く物語。…はっきり言って殆どの人が「何番煎じだ」と思うような導入である。しかし、そんな「よくある話」でありながら、この物語がここまでの圧倒的支持を受けるのには勿論、理由がある。どこに魅力を感じるかは人それぞれだろうが、私は、最も大きいのは主人公・ビアンカの設定ではないかと思っている。
    この手の話のヒロインは大別して聖女型、悪女型の二つに分かれると感じている。
    聖女型は、周囲の悪意や状況によって悪女とされただけで、本人は心優しく真面目な品行方正タイプ。
    悪女型は、結果的に善行をする事はあっても基本的には自分が一番で、気が強く知恵があり、我が道を行く女傑タイプ。
    ではこの話のヒロイン・ビアンカはどちらかと言うと、「どちらでもない」。
    ビアンカは、適度に愚かで適度に賢く、適度に善良で適度にワガママな、「ごく普通の貴族令嬢」なのだ。
    更には、他の話のヒロイン達の多くが陰謀に直接関わる位置にいて、最初から沢山の情報を持っているのに対して、一度目の人生のビアンカはほぼ蚊帳の外。何も教えられず、何も知らないまま、周囲に振り回されて死を迎える。だから過去に戻っても、最初から賢く振る舞う事はできず、まず「多くを知る」ところから始めなければならない。スタートラインが違うのだ。
    そんな彼女が一度目の人生では得られなかった多くの事を知り、本当の愛を知り、賢く成長していく姿が本作の最大の見所。最初のうちはビアンカの危なっかしさに苛立つ事もあるかもしれないが、頑張って読み進めて貰いたいところ。
    そしてそんな彼女を見守る夫、ザカリー。不器用で優しく、多くの人に慕われる領主であり最強の騎士。こんなの好きになるしかない。
    政治的な理由で幼い少女だったビアンカを娶る事になり、その罪悪感から、彼女を大切にしつつも妻として見ないよう努めていたが、美しく成長したビアンカと共に過ごすうちに、徐々にその気持ちに変化が訪れる。
    ビアンカほど頻繁に内心が明かされないので、彼の心情は主に行動や表情から推し量る事になるが、細やかに描かれる二人の触れ合いや表情の変化が、もうキュンキュンものである。馬上試合を契機に語られる彼のビアンカへの想いには感無量になること間違いなし。
    一度読み始めたら止まらない、回帰ものの傑作。

    • 3
  4. 評価:5.000 5.0

    ダントツに面白い!

    冷たかった夫からの溺愛やら、回帰からの復讐やら、追い出された俺が真の力を発揮やら、無能スキルで領地改革やら、古今東西いろんな縦読み漫画を読んで来ましたが、その中で一番のお気に入りを挙げろと言われたら迷わず名前を挙げるのがこれ。
    表紙が取っ付きにくいので第一印象で引いてしまう人が多そうだが最初の20話、せめて10話、読んでみてほしい。
    女騎士モノ、というのは多くはないけれど、珍しいというほどのジャンルでもない。しかしこの話の主人公・ポリアナは、よくある女騎士モノに出てくる数多の女騎士たちとは違う。
    まず間違っても美人ではない。作中でも何度も不細工だと指摘されるし、少女漫画にありがちな「凡顔って設定だけどどう見ても美少女だよね」みたいな絵柄マジックもない。外見だけだと正直BLにしか見えない。体はゴツゴツで傷だらけ。
    そしてこれまたリアルな事に、ポリアナは強くもない。傷一つない美人で華奢な女騎士が謎の力で筋骨隆々の男を簡単に負かしてしまう、なんてご都合展開もない。
    加えて作中世界は完全な男尊女卑。男は外で戦って女は黙って家を守ってろ、女が騎士?ふざけてんのか?が常識。
    そんな中で、美しくも強くもない、けれど輝くような忠誠を胸に掲げ、ただ実直に努力と実績を積み上げ、徐々に周囲からの信頼を得て、多くの人々を、ひいては世界を変えていくポリアナが眩しい。終盤での圧倒的なカタルシスはまさに、第一話からポリアナを追いかけてきた読者への最高のご褒美と言える。
    そんなポリアナを一途に愛するようになる皇帝ルクソスも魅力的。間違いなく世界一の地位と名声と権力の持ち主で、望めば全てが手に入る立場なのに、だからこそ愛する女性だけは手に入れられないという設定が実に絶妙。皇帝を1ミリも男として見ないポリアナと、そんな彼女にひたすら片恋を捧げるルクソスの噛み合わないラブコメは面白すぎる。
    根底には深いテーマを内包しつつも漫画自体は軽妙で読みやすく、何度も笑ってしまうはず。
    縦読み漫画が好きでこれを読んでいないのは大きな損失と断言できます。ぜひ読んでほしい。

    • 15
  5. 評価:5.000 5.0

    絵柄に多少ハードルあり

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    他の人も言っている通り独特な絵柄で、最初のうちは顔のバランスが悪く、美男美女の設定なのにそう見えません。でも、50話あたりから目に見えてよくなってくるので、ストーリーが気になるなら頑張って読んでみて下さい。
    導入は良くある転生憑依からの性格激変、契約結婚からの溺愛モノですが、ヒロインに結婚(特に政略結婚)に対する深いトラウマがあること、ヒーローがスパダリではなく嘘のつけない素朴で素直なワンコ系年下夫(肉体的には年下ではないがヒロインの中身が三十代なので)であることが同系列の話との差別点。
    中盤の展開も、契約結婚だったけど好きになっちゃったね、じゃあ契約だけ破棄して結婚生活を続けようよ!という良くある結末ではなく、一捻りあります。
    好き合ってるのになんで?となるかもしれませんが、この展開がなければ、この話は真のハッピーエンドに辿り着けなかったと思います。
    おすすめ。

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