5.0
一度読んだら一生忘れられない作品
平和な日本で平凡に生きてきた日本人、奥村英二。
IQ200の天才児でありギャングのリーダー、アッシュ・リンクス。
そんな、どの角度から見ても交わるところのまるでない二人の少年の出会いから物語は始まり、彼らとその仲間達は、徐々に国を蝕む巨大な陰謀に巻き込まれていくのだが、その中心でストーリーの支柱となるのが、アッシュと英二の関係。
序盤のうちは、頭脳にも身体能力にも優れたアッシュが一行を牽引し、英二はそのお荷物になっているだけの状態に見えるが、そうではない。
優れた容姿と能力を持って生まれたせいで、他者から搾取され続け、傷つけられ続けてきたアッシュの心を、ただ一人、英二だけが癒し、救う事ができた。英二と出会った事で、アッシュの人生は間違いなく変わったのだ。
だからこそアッシュは他の何よりも、それこそ自身の命よりも英二を大切にし、守ろうとする。
アッシュと英二の、友情とも家族愛とも恋情とも違う、しかしその全てを含んだかのような形容のしようのない無償の愛は、どんな言葉でも言い表す事が困難だ。
最後まで読了した時、読者はきっと、ラストシーンのアッシュはどんな気持ちでいたのか?彼の人生は幸せなものだったのか?を延々と考え続けてしまうことだろう。アッシュは答えのない問いを読者に投げかけていった。
これだけ数多くの漫画が溢れた日本でも、読者の心に爪痕を残す作品は数少ないが、『BANANA FISH』は間違いなく、そうした名作の中の一つである。
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BANANA FISH