4.0
「好き」は救いにも無力にもなり得る
おかざき真里はバブル世代の人なので氷河期世代に対する雑な理解や扱いはどうにかならんのかとは思うものの、この作品はそれ以上に「死なれるよりしんどいこと」が作品を通して描かれていることがいい。
命さえあれば、というのは綺麗事である。それどころか、自分が生きていることで愛する人間の足を引っ張り続け、一生を縛り続けてしまうことさえあるのだ。
そんな時、死とは救いですらあり得る。
もちろんこれは恋愛漫画なのだけれど、好きだけで救われることも、好きだけではどうしようもないことも、ここまで描かれているからこそ厚みを増しているのだと思う。
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