玉ねぎの汁には、こすらず泣いた方がいいとのアドバイスに、泣きたくないとシンさん。
年下っぽい反応にくすりと笑ったヨヌ先輩は、思い出のハンカチ?を取り出し、濡らして目に当てたらいいと、自分が当てて冷やしてあげようとする。
シンさんの驚いた表情にハッとして、やりすぎたと慌てて手を下ろそうとする。顔を真っ赤にしてて、もう好意もダダ漏れでしょ。
その手をシンさんの手ががっちり掴んで制止する。
シンさん、(玉ねぎ)地獄から一気に天国に昇天したね…。
お願いしますって言った時、感情溢れて、嬉しすぎて泣きそうになってる。
あの時の記憶が蘇るのと、その時と同じ様に自分を労ってくれるヨヌ先輩に、思わず本当に涙がでたんだよね…!?
泣いたのが恥ずかしくて、玉ねぎのせいって誤魔化したけど、読者からしたらどれだけ嬉しいか分かるから胸が熱くなる!
念願叶ってハンカチを目に当てて貰って心底嬉しそう。少し屈んで、大型犬のお世話をしてあげてるみたい。
水音だけが響く、静謐な二人だけの世界。
シンさんは、3年前のあの瞬間を追体験してる感じかな。こんなの素でやっちゃうとかヨヌ先輩は生来の人タラシかも。
図書館の高校生探し、又完全に忘れてた。そうそう、シンさんは他の事でとっても忙しかったもんね。
図書館に誘って貰えなくてちょっと落ち込むヨヌ先輩だけど、それは困らせたくないっていうシンさんなりの気遣いだよ。
清楚なヨヌ先輩が無意識で唇を舐める癖、エロすぎる〜!シンさん、もう思わず目が釘付けになってる!そんなの目の前でされたら、欲望が隠しきれないよね。
アルバイト先に知ってて来たんじゃないかって淡い期待をして、近いからって答えでヨヌ先輩はがっかりしたみたいだけど、実際本当に追いかけてきて、引っ越してきたから近いんだよー。
しょんぼり、投げやりな返答をしてしまって慌てて取り繕うけど、シンさんは何かをさとってるような反応をする。事実、こんな発言をする理由、調べて知ってるの。
あと、足が速いのも先日の夜に知ったと思う。思い出したのか妙に笑ってるし。
沈黙してる間、シンさんは、自分がこうしてほとばしる想いを抑えきれずに関わる事で、それがヨヌ先輩の望む変わりない日常を壊してしまう事になるけど、苦しめてしまわないか、それでいいのかと思い悩んでるのかな。
そんな迷えるシンさんに差し伸べられた、ヨヌ先輩の温かな手。
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ディセンバー~逃げ出したあの日に出会った君~
022話
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