ついにシンがお爺さんのところへ会いに(お見舞いに?)来た!
ギブスをしてもおらず、寝たふりをするお爺さんにシンの冷たい視線が注がれる…。バレてるでしょ。
もし、シンがお爺さんが知らないうちにヨヌ先輩と知り合ってて、なおかつ、あの大変失礼な言葉を聞かせて傷つけた事実を知ったとしたら…!本当にケガ…複雑骨折で長期入院になってもおかしく無さそうだから、知らなくて本当に命拾いしたね。
大したケガをしたようには見えないお爺さんの事を秘書の人がフォローしてくれるけど、焼け石に水…。ドツボにハマってる。
お爺さんがシンの事を心から大事に思っている事は、ちゃんとシンに伝わっているみたい。
シン自身から、お爺さんにヨヌ先輩を紹介するつもりって!どんな状況になるのか、想像しただけで楽しみ過ぎてよだれ出る〜!
お爺さんよ、シンの探し求めてたその初恋の劣性オメガに、すでに会ってるからね!ちょっとだけ仲良し?だった時もあったし、借りもあるよ!
シンに対して無償の愛を与えてくれるお爺さんの後ろ盾は、両親に失望してるシンにとっては心強いだろうな。両親とは弟も含めて敵対さえしてそうだし。
シンも、ついにヨヌ先輩を見つけ出した事で、その覚醒させたオメガをシンの弱点だと考える両親が、これから狙ってくるだろうと察しているのかも。それに応戦するために色々と動き出したのかな。
アルバイト先のレストラン、今日は大変な賑わいで、通常は厨房スタッフであるヨヌ先輩もホールに駆り出される事態に。
ワインを運んで廊下に行くと、個室にいる常連客が酔っていて心配だという。
同僚がワインを持っていく姿を横目に見て様子を伺うと、開いた扉から漂ってきたフェロモンに気が付く。
アルファが発情している可能性があって危ないと、慌てて扉を開けると、そこには発情したアルファの男が、後ろから手で同僚の口を塞いだ状態で立っていた。同僚の怯えた瞳を見て、どうにかして助けようと決意するヨヌ先輩。
ヨヌ先輩こそ、過去の辛い記憶が甦り、アルファへの恐怖に襲われているというのに、震えている体を無理やり動かし、男に立ち向かおうとワインを割って切り口を差し向ける。
大人しい常連客の筈のその男は、体を震わせるヨヌ先輩がオメガである事に気が付くと同僚をつき離し、下卑た表情を浮かべ笑いかけた…。
ヨヌ先輩、男気があり過ぎるよ!どうか無理しないで逃げて!!
-
0
ディセンバー~逃げ出したあの日に出会った君~
032話
32話