色は匂えどさんの投稿一覧

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11 - 20件目/全84件
  1. 評価:5.000 5.0

    「表紙詐欺」ってツッコミ狙いとしか笑

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    一見ラブコメとしか見えない美麗な表紙。読んでびっくり、ギャグ漫画です。
    …いや、ラブもあるっちゃあるし一応コメディとのことですが、…コメディってこんな振り切ったやつでしたっけ?

    「ナワバリがお隣同士のヤクザの跡取り二人が町の歯科でエンカウント」
    と聞けばハードボイルドでしかないはずが、すごい勢いで笑わせてくれます。
    登場人物全てが美男美女かつ変人なのも、何故か納得してしまう。書き分けがしっかりしてるせいか、「そういう世界なんだな」と押し通す力がある作者だからかはわからないまま、ページをめくる手が止まらないのです。

    最近笑ってない方はぜひご一読を。
    ただし、くれぐれも公共の場では読まないでください。あなたも変人になりかねません。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    個人的親になる人の課題図書#2

    (#1はコウノドリです)
    2025年度みんなが選ぶ電子コミック大賞男性部門受賞作品。この部門で育児マンガが選ばれる日が来たことに感動する反面、女性票が集まったのかな、とも思います。

    主人公は社会人男性。4才と0才の子供を残して専業主婦の妻が急逝、妻にほぼ丸投げしていた育児が突然降りかかってさあ大変というお話です。

    社会的信用が得られる「ほどほどにの家族」がいい、家での仕事中に子供が騒いだら(妊娠中の)妻と子供を外出させる、ひっくり返ったおもちゃ箱や前に遊んだ状態で放置されたプラレールの中で響くゼロ才児の泣き声。
    子供の病気の描写はもちろん、育児についての本音実像が満載です。
    念のため言わせてもらうと、保育園降園から翌朝の登園まで子供二人が家にいるので、ゼロ才児に夜泣きがあるとどっちも起きてまず眠れない。この主人公は会社で仕事できているようなので、眠れているのでしょうね。

    タイトルにあるブッキーは、小児科医の琴吹先生。読者と主人公に寄り添ってくれる、頼もしい人。メイクのせいで混雑が避けられるならむしろ理想です。こんなお医者さんが身近にいたら最高ですね。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    直球勝負のホラー漫画

    ホラーがなぜ怖いか?
    わからないから、我が身に起こるかもしれないから、に尽きるでしょう。この作者さんとは話が合いそう、と思ってしまいました。

    話し手の男の子だけが共通する、オムニバス作品。
    登場人物たちはみんな別人で、状況も色々ですが「よくある日常の延長」で怖い目に遭う事は共通しているよう。
    途中までしか読んでないからかもですが、何故録画?配信?してるのか、話し手の創作の話なのか聞いた話なのか、それすらわからないのも不気味です。

    冒頭で男の子が切羽詰まっている描写があり、話し手の男の子自身が最恐の怪談の主人公、という位置付けで進んでいるように見えます。
    現在90話で、単行本もきっちり10話ずつ収録で9巻まで出ました。そう、今まさにクライマックスです。
    一人の人間がたくさん話を作るとどうしてもパターンが見えてしまう(もちろん例外もいます)という経験則がなければ大人買いしたい作品。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    QOL重視型救世主

    もしかしたら女性の人生で一番楽しいのは30代かも知れません。10代20代では持って生まれたものや環境で幸不幸がほぼ決まり、30才を超えてようやく「若い女の子」というレッテルから解放され、努力の成果が返ってくる。身の丈もわかって知恵がつき、自分に合った環境を選べる感性が身についてくると思うのです。
    自分なりに努力を積み上げて公私の居場所を得、稼いだお金を使う楽しみを満喫できる頃に、
    神「さぁ、今までの生活全てを捨てて今から異世界を救ってくれ!」
    …ブチ切れますね、私なら。神さまなんだから自分でやれば?って返して何もしないかも。

    このお話の主人公は、大人で冷静で賢明です。信用と盲信の違いを、情報の大切さを、自分を知っている。最初に状況を把握して、救世主となる条件を出し、最善を整えてから異世界に到着するので、読者視点でも安定感がすごいです。
    主人公が経営するブックカフェが主な舞台なので、本がたくさんある空間にワクワクする向きには目にも楽しい。キャラクターデザインもクセがないです。軍人のヒーローがロン毛なのは、、読者サービスですかね。

    一読した限りでは、最後まで目立つ齟齬はなく読みやすい異世界ものだと思います。異世界転生というよりファンタジーが好き!な自分には良かったです。

    • 2
  5. 評価:5.000 5.0

    絵面だけでも大優勝。

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    単行本2巻までの感想です。
    男装の麗人って、なんでこう夢があるんでしょうね。ビジュアルはWヒーロー、実は男性顔負けのイケメン女子とポンコツセレブというギャップも良いです。

    家庭の事情でお金に困っていたところを街頭スカウトされ、男装して社長秘書をする羽目になった高身長の女性、玲。社長の湊は少し女性とぶつかっても吐いてしまうほどの女性恐怖症で、「女慣れしてもらう」プラス「女性たちと接触を持たないようボディガードをする」という二重のミッションをこなすことになります。

    設定の無理矢理感が比較少なく、するすると話が進むのでストレスなく楽しめます。ヒーロー?の湊も、彼なりに成長する上以外な美点もあるので、「玲が男女どちらの姿でも、見ていてお似合いの二人」になっていくのも良い。
    リアルに◯◯フォビアの方の症例や治療を知っていたら色々引っかかりそうですが、素人が漫画として読む分には面白い。
    ドジっ子の女性がハイスペック男性に助けられる、王道展開に飽きたら読みたい作品です。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    高校生マンガ家とその仲間たち

    意中のコワモテ男子に「好きです」が言えず、「ファンです」と婉曲表現したらサイン色紙をもらった。そう、彼は人気漫画家だったのです!しかも少女マンガ家!
    ……なかなか見ない導入で始まるラブコメです。

    締切前後の体調、全く経験がない分野をマンガにする(ヒーローは少女マンガ家でありながら恋愛未経験)、手先の器用な人(≒アシスタント候補)へのアンテナの張り方など、マンガ家さんあるあるなんだろうなーと思われるネタがてんこ盛りで楽しい作品。ちょっとしたネタの膨らませ方がすごくて、終始笑えます。

    クセのない絵柄が万人受けするでしょうし、
    ラブ<<<コメディの内容にそぐわしい。
    キャラクター達も、それぞれとっても個性的でちゃんと人間くさいです。4コマなので空き時間のリフレッシュにも向きそう。
    煮詰まった時に読みたい作品です。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    ファン→性転換して新人アイドルに!

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    こちらでいう7話までの感想です。
    普通の女の子が、他人ではなく自分のまま性転換。ちょっと類似の設定が思い出せないです。

    男性アイドルのファンであるヒロインが、自分もアイドルになろうとオーディションへ。その会場で担当とは違うメンバーと事故キスしてしまい性転換、という導入。
    たまたま同日開催だった、推しのグループの新メンバーオーディションを受けられて見事合格、男性アイドルとしての生活が始まります。

    突拍子もないようですが、ヒロインが推し活+オーディションに向けた準備をした布石があるので案外入り込めます。男性化したヒロインのビジュアルも良く、既存のメンツと被らないキャラなので無理がないです。声変わりもちゃんとフォローがあり、少女マンガにありがちな雑さがないのが読みやすい。
    (さすがにトイレシャワー問題は流し気味です笑)
    そして何より、男性キャラの書き分けがしっかりしているのが素晴らしい。目元コピペの作家さんも珍しくないジャンルで、各メンバーしっかり印象が違います。

    あとは家族や、性転換の謎をどこまで追うかなんですが、こればかりは終盤でないと見えませんね。
    最後どう締めるか、見てみたい作品です。

    • 1
  8. 評価:5.000 5.0

    好きな何かがあるということ

    連綿と続いてきた知的遊戯、将棋。数多の天才ら愛好家らが、各々の寿命と頭脳の限り、勝ち筋を磨いてきました。
    中にはきっと、晩年思った人もいたはずです。
    「ああ、自分に、あるいはあの将棋指しに、無限の時間と健康な体があったなら!どんなにか素晴らしい対局が生まれたことだろう」と。

    この作品の主人公は吸血鬼。フィクションでは時間を持て余し、自ら命を断つ展開すら散見される魔物が、将棋に魅せられ必要に迫られ、現代の天才らに挑むお話です。
    吸血鬼ならチート展開かと思いきや、昼は活動できず一箇所に留まれないしお金もないと、寿命の分設定の縛りがキツめ。主人公をチートにせず、あくまでも「単純に時間がある凡人」に止めるという作者の強い意志が伝わってきます。

    登場人物のほぼ全てが将棋好きなので、画面全体の熱量がすごい。各キャラクターのバランスも良くて、最後まで飽きずに読める。人間関係もいいエッセンスになっています。
    将棋はざっくりしたルールしか知りませんが、充分楽しめる作品です。

    無限の命を持つ凡才は、人間の天才に勝てるのか。
    一話見て面白いと思ったら、ぜひ結末まで見届けてください。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    小説家と猫と愛猫家たちと

    古今東西数多ある、小説家と猫の組み合わせ。
    日本では夏目漱石とその飼い猫が一番有名ですかね。現代でも、角田光代氏が、迎えた猫の愛くるしさに筆力を爆発させたエッセイを書いていました。
    …しかし断言します。虚実どちらの世界でも、この作品の一組ほど笑いを取った組み合わせはないと!

    眉目秀麗でそこそこ売れているらしい、小説家の宮王太郎。ネタ元のご婦人から猫を押し付けr…猫を飼うよう勧められ、肩を揉ませるつもりで環境を整えたが思うようにいかず、というお話です。

    安定のギャグセン、変で美麗な登場人物たち、いつのまにか整う(?)カオスな状況。前作で否応なく読者の記憶に刻まれた山崎ワールドが、よりシームレスに楽しめる作品です。
    猫飼いの方はもちろん、笑いが足りてない方はぜひお試しください。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    DBだけじゃない鳥山明

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    代表作ドラゴンボールでもたまに、人間のタチの悪さに触れていた鳥山先生。バトルより人間の独善に重点を置いたストーリーで一本書いてくださったのは嬉しい驚きです。

    水不足に喘ぐ世界で、悪魔の王子と元軍人が水源探しの旅に出ます。その過程で水を巡る陰謀を知ることとなり…というお話。

    先生ならではの明快な作画、悪魔の王子ベルゼブブの肉弾戦は読む人全ての期待を裏切らないでしょう。更にこの作品では、戦車での戦いがとっても見応えあります。リアルでもあり得る巨悪との対峙は、実際のケースを想起させます。

    もし鳥山明の活躍の場が青年誌だったなら、こんな作品をいくつか出していたかもと、今更な仮定を考えてしまいました。つくづくと惜しい漫画家さんを失ったものです。

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