色は匂えどさんの投稿一覧

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11 - 20件目/全81件
  1. 評価:5.000 5.0

    QOL重視型救世主

    もしかしたら女性の人生で一番楽しいのは30代かも知れません。10代20代では持って生まれたものや環境で幸不幸がほぼ決まり、30才を超えてようやく「若い女の子」というレッテルから解放され、努力の成果が返ってくる。身の丈もわかって知恵がつき、自分に合った環境を選べる感性が身についてくると思うのです。
    自分なりに努力を積み上げて公私の居場所を得、稼いだお金を使う楽しみを満喫できる頃に、
    神「さぁ、今までの生活全てを捨てて今から異世界を救ってくれ!」
    …ブチ切れますね、私なら。神さまなんだから自分でやれば?って返して何もしないかも。

    このお話の主人公は、大人で冷静で賢明です。信用と盲信の違いを、情報の大切さを、自分を知っている。最初に状況を把握して、救世主となる条件を出し、最善を整えてから異世界に到着するので、読者視点でも安定感がすごいです。
    主人公が経営するブックカフェが主な舞台なので、本がたくさんある空間にワクワクする向きには目にも楽しい。キャラクターデザインもクセがないです。軍人のヒーローがロン毛なのは、、読者サービスですかね。

    一読した限りでは、最後まで目立つ齟齬はなく読みやすい異世界ものだと思います。異世界転生というよりファンタジーが好き!な自分には良かったです。

    • 2
  2. 評価:5.000 5.0

    絵面だけでも大優勝。

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    単行本2巻までの感想です。
    男装の麗人って、なんでこう夢があるんでしょうね。ビジュアルはWヒーロー、実は男性顔負けのイケメン女子とポンコツセレブというギャップも良いです。

    家庭の事情でお金に困っていたところを街頭スカウトされ、男装して社長秘書をする羽目になった高身長の女性、玲。社長の湊は少し女性とぶつかっても吐いてしまうほどの女性恐怖症で、「女慣れしてもらう」プラス「女性たちと接触を持たないようボディガードをする」という二重のミッションをこなすことになります。

    設定の無理矢理感が比較少なく、するすると話が進むのでストレスなく楽しめます。ヒーロー?の湊も、彼なりに成長する上以外な美点もあるので、「玲が男女どちらの姿でも、見ていてお似合いの二人」になっていくのも良い。
    リアルに◯◯フォビアの方の症例や治療を知っていたら色々引っかかりそうですが、素人が漫画として読む分には面白い。
    ドジっ子の女性がハイスペック男性に助けられる、王道展開に飽きたら読みたい作品です。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    高校生マンガ家とその仲間たち

    意中のコワモテ男子に「好きです」が言えず、「ファンです」と婉曲表現したらサイン色紙をもらった。そう、彼は人気漫画家だったのです!しかも少女マンガ家!
    ……なかなか見ない導入で始まるラブコメです。

    締切前後の体調、全く経験がない分野をマンガにする(ヒーローは少女マンガ家でありながら恋愛未経験)、手先の器用な人(≒アシスタント候補)へのアンテナの張り方など、マンガ家さんあるあるなんだろうなーと思われるネタがてんこ盛りで楽しい作品。ちょっとしたネタの膨らませ方がすごくて、終始笑えます。

    クセのない絵柄が万人受けするでしょうし、
    ラブ<<<コメディの内容にそぐわしい。
    キャラクター達も、それぞれとっても個性的でちゃんと人間くさいです。4コマなので空き時間のリフレッシュにも向きそう。
    煮詰まった時に読みたい作品です。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    ファン→性転換して新人アイドルに!

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    こちらでいう7話までの感想です。
    普通の女の子が、他人ではなく自分のまま性転換。ちょっと類似の設定が思い出せないです。

    男性アイドルのファンであるヒロインが、自分もアイドルになろうとオーディションへ。その会場で担当とは違うメンバーと事故キスしてしまい性転換、という導入。
    たまたま同日開催だった、推しのグループの新メンバーオーディションを受けられて見事合格、男性アイドルとしての生活が始まります。

    突拍子もないようですが、ヒロインが推し活+オーディションに向けた準備をした布石があるので案外入り込めます。男性化したヒロインのビジュアルも良く、既存のメンツと被らないキャラなので無理がないです。声変わりもちゃんとフォローがあり、少女マンガにありがちな雑さがないのが読みやすい。
    (さすがにトイレシャワー問題は流し気味です笑)
    そして何より、男性キャラの書き分けがしっかりしているのが素晴らしい。目元コピペの作家さんも珍しくないジャンルで、各メンバーしっかり印象が違います。

    あとは家族や、性転換の謎をどこまで追うかなんですが、こればかりは終盤でないと見えませんね。
    最後どう締めるか、見てみたい作品です。

    • 1
  5. 評価:5.000 5.0

    好きな何かがあるということ

    連綿と続いてきた知的遊戯、将棋。数多の天才ら愛好家らが、各々の寿命と頭脳の限り、勝ち筋を磨いてきました。
    中にはきっと、晩年思った人もいたはずです。
    「ああ、自分に、あるいはあの将棋指しに、無限の時間と健康な体があったなら!どんなにか素晴らしい対局が生まれたことだろう」と。

    この作品の主人公は吸血鬼。フィクションでは時間を持て余し、自ら命を断つ展開すら散見される魔物が、将棋に魅せられ必要に迫られ、現代の天才らに挑むお話です。
    吸血鬼ならチート展開かと思いきや、昼は活動できず一箇所に留まれないしお金もないと、寿命の分設定の縛りがキツめ。主人公をチートにせず、あくまでも「単純に時間がある凡人」に止めるという作者の強い意志が伝わってきます。

    登場人物のほぼ全てが将棋好きなので、画面全体の熱量がすごい。各キャラクターのバランスも良くて、最後まで飽きずに読める。人間関係もいいエッセンスになっています。
    将棋はざっくりしたルールしか知りませんが、充分楽しめる作品です。

    無限の命を持つ凡才は、人間の天才に勝てるのか。
    一話見て面白いと思ったら、ぜひ結末まで見届けてください。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    小説家と猫と愛猫家たちと

    古今東西数多ある、小説家と猫の組み合わせ。
    日本では夏目漱石とその飼い猫が一番有名ですかね。現代でも、角田光代氏が、迎えた猫の愛くるしさに筆力を爆発させたエッセイを書いていました。
    …しかし断言します。虚実どちらの世界でも、この作品の一組ほど笑いを取った組み合わせはないと!

    眉目秀麗でそこそこ売れているらしい、小説家の宮王太郎。ネタ元のご婦人から猫を押し付けr…猫を飼うよう勧められ、肩を揉ませるつもりで環境を整えたが思うようにいかず、というお話です。

    安定のギャグセン、変で美麗な登場人物たち、いつのまにか整う(?)カオスな状況。前作で否応なく読者の記憶に刻まれた山崎ワールドが、よりシームレスに楽しめる作品です。
    猫飼いの方はもちろん、笑いが足りてない方はぜひお試しください。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    DBだけじゃない鳥山明

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    代表作ドラゴンボールでもたまに、人間のタチの悪さに触れていた鳥山先生。バトルより人間の独善に重点を置いたストーリーで一本書いてくださったのは嬉しい驚きです。

    水不足に喘ぐ世界で、悪魔の王子と元軍人が水源探しの旅に出ます。その過程で水を巡る陰謀を知ることとなり…というお話。

    先生ならではの明快な作画、悪魔の王子ベルゼブブの肉弾戦は読む人全ての期待を裏切らないでしょう。更にこの作品では、戦車での戦いがとっても見応えあります。リアルでもあり得る巨悪との対峙は、実際のケースを想起させます。

    もし鳥山明の活躍の場が青年誌だったなら、こんな作品をいくつか出していたかもと、今更な仮定を考えてしまいました。つくづくと惜しい漫画家さんを失ったものです。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    セーフティネットの実態と限界と

    生活保護。受給者は税金で生活する人々、何もしなくてもお金をもらえる特権階級、という見方をする方もいるようですね。中には生ポ、と揶揄する人も少なくないでしょう。

    新卒でケースワーカーというハードな仕事に就いた主人公の視線で、社会的弱者たちの過酷な状況が描かれています。マンガなので、読者がついていけない展開は控えめ。実態は推して知るべしかと。

    主人公の素直で健全な心が倫理的な碇になっていて、読者はどうにか受給者らの苦境に気持ちが引きずられずに済みますが…自分が実際行政側だったら早々に病みます。
    受給者らはもちろん保護が必要ですが、
    では彼らを守る公務員を、社会は自治体は、果たして守られているだろうか?
    保護の対象とならなかった人々は?その線引きはどこでするべきか?
    など、読んでいて視野が広がる作品。

    中学高校の図書館に置いて欲しいマンガの一つです。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    2025年1月11日テレ東23時アニメ化

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    ※作者様、集英社、テレビ東京、制作サイド広告媒体声優さん他、どちら様とも一切無関係の一読者です。

    待ちに待ったアニメ化を機に、一人でも多くの人に
    読んで欲しくて投稿します。

    「骸区」で一躍注目され、
    「ロッカールーム」で「世にも奇妙な物語」にて実写化を果たした鈴木先生。
    キャラクターの作り方が上手く、バトルの見せ方がセンス抜群な作者による、アクション漫画が本作です。

    ぱっと見ただの太ったコンビニ店主、しかし前職は凄腕の殺し屋という異色ヒーロー、坂本太郎。
    裏社会のOBでありながら、元バディのシン(テレパシスト)他、古馴染みとの情やら因縁やらで、大小色々な事件に巻き込まれていく、というあらすじです。
    他作品だと、キャラクターが犯した罪の重さに苦しんだり、足を洗うのに必死になったりと悲壮感が出る(どころか主題にもなる)のですが、そのへんはメインはもちろんモブキャラまでも、綺麗さっぱり切り捨ててます。割り切った世界感にすることで、読者がバトルのワクワク感に没入できるようにしているのでしょう。

    主人公も彼の元仲間たちも、どこか感情表現が淡々としていて、浮世離れした印象。実力者ほど「こいつヤバい」というデザイン上の記号は控え、バトルとのギャップで魅せる爽快感に重点を置いた作品だと思います。
    物理的には(多分)有り得ない攻撃がかなりあるので、そこを割り切れる人におすすめします。

    妻子持ちあるあるのコメディパート、強者が揃った世界ならではのちょっとした不調和など、幕間劇も秀逸で捨てるところがありません。
    まずは構図の妙を、次いでセリフの切れ味を、そしてキャラクターの動きを追って堪能してください。
    令和のカッコいいが詰まった作品です。

    • 5
  10. 評価:5.000 5.0

    子ども×ケモミミ×優しい世界

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    癒される度MAXの日常系成長譚。
    狸と狐の夫婦に生まれた子供、ゴンが主人公です。

    作品の舞台は妖怪の里。都市伝説で聞くあの妖怪(の子供)が美少女だったり、化け狸のビッグネームがやたら大きな狸だったりと、怖さは皆無です。表紙の通りの愛らしい画風で、子供ならではのフラットな目線から彼らの世界が描写されています。

    かなりマイルドではあるものの、レイシズムや種族間の分断など、シリアスな話も入ってメリハリがあり、しかも分かりやすいヒールは作らない。配慮が細かいというより作者の人柄でしょうね。セリフも多すぎず少なすぎずで読みやすいです。
    とにかく現実に疲れた人、年齢問わずおすすめします。

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