5.0
QOL重視型救世主
もしかしたら女性の人生で一番楽しいのは30代かも知れません。10代20代では持って生まれたものや環境で幸不幸がほぼ決まり、30才を超えてようやく「若い女の子」というレッテルから解放され、努力の成果が返ってくる。身の丈もわかって知恵がつき、自分に合った環境を選べる感性が身についてくると思うのです。
自分なりに努力を積み上げて公私の居場所を得、稼いだお金を使う楽しみを満喫できる頃に、
神「さぁ、今までの生活全てを捨てて今から異世界を救ってくれ!」
…ブチ切れますね、私なら。神さまなんだから自分でやれば?って返して何もしないかも。
このお話の主人公は、大人で冷静で賢明です。信用と盲信の違いを、情報の大切さを、自分を知っている。最初に状況を把握して、救世主となる条件を出し、最善を整えてから異世界に到着するので、読者視点でも安定感がすごいです。
主人公が経営するブックカフェが主な舞台なので、本がたくさんある空間にワクワクする向きには目にも楽しい。キャラクターデザインもクセがないです。軍人のヒーローがロン毛なのは、、読者サービスですかね。
一読した限りでは、最後まで目立つ齟齬はなく読みやすい異世界ものだと思います。異世界転生というよりファンタジーが好き!な自分には良かったです。
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異世界に救世主として喚ばれましたが、アラサーには無理なので、ひっそりブックカフェ始めました。