5.0
歯応え充分な異種族間ラブストーリー
別途分冊版で序盤を読んでの感想です。
しっかりめのシナリオ、セリフに頼らない丁寧な描写、芯を感じさせるキャラクター。良作なのは間違いないです。随所に謎が散りばめてあり、恋愛よりミステリーに軸がある。
女性向けマンガの平均をとったような癖のない作画を見て、「そうはいっても、最初冷たいヒーローが健気なヒロインに早々にデレるんでしょ?」と期待した方は肩透かしを食うことになりそう。
対して、読み応えある作品なら課金上等!と胸を張る向きには、今一番ホットな作品の一つではないでしょうか。
歓迎されない境遇に仕方なく嫁ぐことになり、不遇の末落命したヒロインが、転生後同じ状況下に。当然逃げますが、どうも前世も今生も何か裏がありそうで、というお話。
主人公は所謂「信用できない語り手」で、原作小説のあらすじをざっと見ただけでも、真相が明かされるまで二重三重の重いカーテンがあることがわかります。
テンポ良く読みたい方は、コミカライズがもっと進んでから一気に読み始めるのが賢明でしょう。
ロマンチックな部分だけもてはやされがちな、種族や寿命の違う組み合わせの恋愛を、斬新な温度とシビアな角度で描く意欲作。
原作と併せてメディア違いで追うのもアリかもしれません。
-
0
だって望まれない番ですから