色は匂えどさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全84件
  1. 評価:5.000 5.0

    NEW
    異界の扉は日常の隣に

    別途アプリで読んでの感想です。
    「遠き山〜」までで単行本二巻までの内容、そこからは作者の別作品の短編ですかね?

    人ならぬモノに好かれる装丁家の甚八と、日本画家の織座の物語。メジャーな妖怪、よく聞く都市伝説は出てこないようです。
    先入観なく作者独自の世界に招かれ、雨が降る前の日のような肌感の怖さを楽しめるのが素敵な作品。

    ちょうど、ここで公開されている内容のすぐ後から織座の過去編が始まるはず。個人的には、せめて1話は無料にして読者を集め、7話までは(ポイント制としても)マストで公開して欲しい漫画です。

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  2. 評価:5.000 5.0

    ままならないから恋なのです

    「少女マンガって綿菓子みたいな恋愛ものばっかでしょ」
    という偏見は未だ多いのではないでしょうか。そして作品ごとではなく実際売れた部数で見たら、7、8割方は展開が読みやすくて読者にカタルシスと陶酔をくれるマンガが支持されているのでは。

    この作品は、少女マンガの王道を行く画風で、シリアスともトゥルーとも思えるストーリーを描く水城せとな先生によるもの。キラキラ甘々した他作品と一線を画しています。

    どこか頼りなく見えても、恋の甘さも苦さもちゃんと知っているヒロインのいちこ。マンガらしくかわいいルックスの中身は、時にズルくて時に衝動的な、等身大の女性です。男性陣も、誰一人読者の期待通りには動かないし、読者が憧れるような夢物語から遠いところが辛めの評価の要因でしょうね。

    個人的には、短い巻数で恋愛の全てを描いている、と言っても過言ではない良作だと思います。
    読書歴にも珈琲やウィスキーが欲しくなった方にはおすすめ。

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  3. 評価:5.000 5.0

    物書きで食べていくということ

    何か小説を買う時、今時の読み手は何を足がかりに購入を決めるのでしょうね。好きな配信者の紹介?コミカライズを読んで?あるいは売上部数でしょうか?
    もしあなたに、本屋大賞他、ひっそりと気にしてる賞があるならぜひ推し作品作者を語り合…じゃない、こちらおすすめです。

    大学生の頃、文芸部で小説を書いていた主人公黒田。就職して社会人として評価されていた中鬱を発症して、創作の喜びを思い出してしまい、プロの作家を目指すというお話です。

    今時WEB上ではなく、出版社の賞を入り口に選ぶところといい、主人公は概ね真面目で真っ当な人。
    なのにでもだからこそ、小説が絡んだ時に垣間見えるエゴが「ああ、この人は既に小説家なんだ」と読者をワクワクさせてくれるのです。

    文芸部の後輩でありながら先輩作家の黄泉野とその担当編集犬飼、新米編集者幸田他、脇役らも個性が光る人たち。
    やや絵にクセがありますが、はっきり言ってこの話には小綺麗な線は似合いません。

    「このマンガがすごい!2025 オトコ編」13位と、まさに今評価されてきているマンガでもあります。マンガの最前線を追いたい方は今すぐ読んでください。

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  4. 評価:5.000 5.0

    鳥山明らしいコンパクトなSF

    ポンコツ気味の宇宙人と科学者の心温まる?交流の物語。
    とある目的で地球に降り立った、自称エリートの宇宙人、ジャコの宇宙船が故障。たまたま近くに住んでいた科学者大盛との共同生活が始まります。

    某鳥山明作品の裏話としても楽しく、懐かしいあのキャラクターの家族や実力が見られるので、先生のファンなら見逃せないです。
    もちろん、これ単体でも楽しく読めます。

    あの作品の連載終了がいつだったか、こちらの感覚がバグるくらいに絵のブレがないのはさすがすぎる。他の方のレビューにもありますが、読んで損はないです。

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  5. 評価:5.000 5.0

    美しく残酷なファンタジー

    第30話「王と妃」ep.6まで別途で読んだ感想です。

    架空の国を舞台にした、寓話性の強いファンタジー。掲載誌がウルトラジャンプなので、3◯ありレ◯プありと、色々な意味で青年向けです。地雷の方は避けてください。

    シンプルで艶のある線、切り絵のような明暗。アートのような絵と容赦ない展開の組み合わせに目眩がします。

    最初のお話「アードルテとアーダルテ」の双子はシャバリテ国の王子ですが、このマンガ自体の主人公は彼らではありません。続く3話目以降の「王と◯◯」のタイトルがつくエピソードの中心にいる「月光王」(通称です。本名は不明)の物語です。
    美しく武勇に優れ、しかし両親の愛と重臣の忠義には恵まれず、寄せられた情をも上手く受け取れずに成長する王子。彼を巡る人々の愛憎劇が淡々と続きます。

    物語冒頭のアードルテ&アーダルテと、月光王の続柄及び時代の先後はまだ不明です。「シャオとダオ」は側近の過去編で、月光王と無関係ではありません。

    ご参考までに、各エピソードの大まかな時系列を。あくまでも推測です。

    「王と弟」

    「王と妃」ep.1〜6?及び「シャオとダオ」

    「王と側近」ep.2〜7

    「王と側近」ep.8

    <ここがまだどうなるか不明>

    「王と側近」ep.1

    同一タイトルとしては、作者のキャリアで最長の作品となりました。完結までじっくり追っていくつもりです。

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  6. 評価:5.000 5.0

    バブル世代の女性社長によるお悩み解決

    原作小説読みました。ドラマは観てませんが、好評だったようですね。

    アラフォーフードライターの主人公が、旅先で型破りな年上女性、ハルコさんに出会って気に入られます。その後ハルコさんに悩み事を相談する人たちが抱えるトラブルを、一緒に耳にしていくお話です。
    メイン二人が固定の、短編オムニバスに近い内容なのでテンポがいい。普段あまりマンガに馴染まない方でも飽きずに読めるのでは。

    基本的に、登場人物たちはハルコさんか主人公のお知り合い。ハルコさん自身が元お嬢様で現経営者なので、歌舞伎界やら経営者やら、お金持ちの裏事情が見られます(たまに一般人の相談事もあります)。
    個々の不倫や浮気などに加え、社会的信用、家族関係も絡めての相談なので読み応えがあります。ハルコさんの回答がまた、視点がユニークで予想を裏切られるものばかり。読んでいて小気味良いです。

    一見恵まれた人々の多様な面倒事。生々しい内容に東村アキコの絵がよく似合ってます。
    銀の匙もお金も、あったらあったで邪魔かもしれないと思う作品です。

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  7. 評価:5.000 5.0

    ギャップ男子とOLのピュア恋

    「通勤中に見かける、気になる人。見るからに遊んでそうなお兄さんなのに実は一途で純情!」
    …嫌いな女性いるんですかねこのパターン。しかも和装でキセル!ビジュが美味しすぎです。

    料理屋さんのお兄さんと、会社員女性のお話。恋愛のちょっとした進展をクローズアップして数コマの漫画に仕立てたラブコメです。と言い切ってしまってもいいのですがまーいちいち甘酸っぱい!初々しい!大人がアオハルしてる!画面のこちらで悶えます。

    スマートでこなれたスパダリもいいけど、「あー、好きってこんなんだったわ」と初心に帰れます。
    きゅんだけ欲しい大人の読むサプリ。
    こういうマンガ、必要です。

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  8. 評価:5.000 5.0

    ギリシャ神話ベースのラブストーリー

    立場は神と人ながら、どちらもワーカホリックと似たものカップルの恋愛譚。仕事に対する姿勢や人生との向き合い方など、学びがたくさんある作品です。

    思わず井戸に飛び込むほど、仕事に追われる薬師コレット。井戸の先が死者の国、冥府へ繋がっていたことから冥府の主ハデスを診る羽目になり、物語が始まります。

    白泉社ヒロインの類に漏れず、しなやかで責任感が強く、賢い主人公が魅力的です。ヒーローのハデス様も、地下世界のトップとして神として、時に自身や私情を犠牲にしても責務を果たすキャラクター。魅力的な容姿はもちろん、ヒロインコレットを諭し支え尊重する姿は現代の理想の夫そのものです。

    ギリシャ神話を知る方には、お馴染みの神様たちが脇役として話を盛り上げるのは嬉しいオプションでしょう。それぞれに破天荒なエピソードを持つ、個性あふれる神々が躍動します。神話にはいない、オリジナルキャラクターらの可愛らしさも、人気の一因のようですね。

    終盤のメイン二人の決断は、読み返すたびぐっときます。アルト先生ならではのラスト、作品を気に入った方は必見です。

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  9. 評価:5.000 5.0

    読んでいて楽しかった

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    ほぼタイトル通りのラブストーリー。粗が目立つ作品も多々ある令嬢モノにしては(ご都合は多少ありますが)設定展開に引っかかることがなく、読みやすかったです。
    みなさんの評価、厳しめですね…キャラの好悪かしら?

    容姿を貶されて育った子爵家の長女が異母妹に猫にされ、婚約者の実像を知る話。ヒロインのデザインと、ネガティブさが簡単には払拭されないのが、好み分かれるかもしれません。比べられて育った経験ある人が読むと、共感できると思います。

    悪役の妹については、近い境遇のキャラクターが登場する小説を読んだことがあるので違和感なかったです。「自分が本来持っているはずだったものを取り戻したい。誰を踏み台にしても、そこに正当性がなく今現在他人のものだったとしても!」という野心的なキャラクター。私の場合は、「よりハイスペックないい男を恋人にしたい」というよく見る女の子たちより、ずっとずっと好感が持てました。

    ヒロインが太ってる、と作中で散々言われる割には普通にかわいらしく、メガネが不細工の記号のような扱いなのは「見苦しい絵だと売れない、読者がつかない」という編集販売サイドの事情かな、と推察しました。絵の人物デザインの幅があって年齢の表現もできる絵師さん、ありがたい。違和感なく読めました。

    原作者が別についててコレかあ、と苦笑してしまう作品も多いジャンルで、いい作品に出会えて嬉しい驚きでした。同じタッグで次回作があれば読みます。

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  10. 評価:5.000 5.0

    全てが丁寧。ファンタジーの良作

    マンガはそれなりに読んでいるつもりだったので、本作で三つ葉先生を知った時は「まだこんな作者様がいたのか」と驚きました。
    読後、何とも豊かな余韻が残る作品です。

    捨て子の少年と、彼を拾って育てた魔女の物語。
    命の有限、世代を継ぐこと、家族愛と恋愛、その他単なるラブストーリーには収まらないテーマを盛り込みながらも欲張った感がない。日々の営みと地続きで、自然にそこにあるのです。

    魔女の家(建築家さんが設計したそうです)、魔法についてなど、ファンタジーならではの設定の細やかさが素晴らしい。単に精緻なのではなく、理の狭間の、人の想いや願いの気配が伝わってくる。作者様の「魔法」の解釈に拠るのか、そういう絵だからなのか、今の私にはわかりません。
    登場人物たちも、善悪黒白で割り切れない人間味があります。皆が悩み経験し成長し、それぞれの人生を生きている。

    「ファンタジーが大好き、だからこそ綻びがあると気になって読み進められない」と悩む方に、読んでみてほしい作品です。

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