色は匂えどさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全99件
  1. 評価:5.000 5.0

    それら全て、いつか過去と経験値に

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    序盤を読んでの感想です。

    関係性が微妙な好きな人と、だいぶ年下の幼馴染の間で揺れるヒロインのお話。
    二次元にありがちのようで、リアルでも全然あります。異性であれ物であれ、一人が好きな対象には他にも目をつける人が必ずいるのが世間なんですよね。

    横恋慕を承知で掠奪ムーブ(笑)をかます後輩。写真一枚で身を引いてしまうヒロイン。はっきり気持ちを伝えられずタイミングを逃した元?カレ。そこに全力でつけ込むイケメン幼馴染。みんなちょっとずつ恋に不器用で面白いです。
    絵が大丈夫なら楽しく読めそう。

    いい年して大事な局面で本音を出せない同士が長持ちする訳ない。気持ちはあっても相性が悪い典型なので、どちらかが変わらないと未来はない。
    始まりが強引過ぎる恋も同じで、後々対等な関係を築くのは難しい。どっちか、あるいは双方にしこりが残るもの。
    そういう色恋沙汰の妙を、わかって描いてくれている気がします。

    年下であることをちょいちょい逆手に取るヒロインの幼馴染、律くんがなかなかに戦略家で面白い。
    彼が9歳差を利用しながら猛追するのを楽しみに読ませてもらいます。

    • 2
  2. 評価:5.000 5.0

    唯一無二のダークファンタジー

    別途アプリで17巻相当、180話くらいまで読んだ感想です。

    愛嬌満点だけど地味めのヒロイン。
    描写もエピソードも細かい割に、肝心な情報は出てこない。
    何より、一巻表紙の真っ黒な少女は何者?

    背景の説明は最小限、初手から読者を「???」の坩堝に放り込み、じわじわと世界観に慣らしてから怒涛の展開という構成です。ディープな層に深く愛されたい、何となく読む読者は要らないと言わんばかり。
    ええ、不親切ですね読みにくいですね。
    胸が空くようなアクションはたまーーにしか出てこないし、悪の権化のようなラスボスは(いることはいますが)人格も容姿もチラ見せ。
    マンガを読むならスカッとしたい、という読者には不向きの作品です。
    縦読みならばなおのこと。

    でもね、
    親の顔より見た量産形ファンタジーやザマァ劇に、まだ脳味噌の本棚割いていいんですか?
    たまには本当に読めない展開に、心の底からハラハラドキドキしたくないですか?
    この国でも現代でもない、その作品にしかない世界に行ってみたいと思いませんか?

    少し言ってしまいました。はい、このマンガに電子レンジやインターネットは出てきません。代わりに少し不思議な存在がちらほら。
    竜やら魔法使いやら、お馴染みのあれこれにはほぼ無縁の作品です。本格ファンタジーなのに人間の理屈で回る世界であること、鼻のきく読者は早々に違和感を感じるはず。
    作者の想像力の限界?単にツメが甘い?
    いいえ、全て理由があるのです。

    従順な大人に育てる為に集められた、子どもたちとその主人たち。自分たちが何の為にそこにいるか、自らの未来を知った彼ら彼女らの行動が胸を打つ作品です。
    壮大な現代社会の風刺にも見えて、どこまでも深読みできる物語。短い読書の秋を費やす価値はあります。絵が大丈夫なら45話まで読んでいただきたい。世界観が見えてきます。
    ボリュームとコストのバランスも良心的かと。

    特に勇気が欲しい方は、ぜひとも赤いドレスの黒い少女、ケイト様を知ってください。
    124チャプターを超える頃には、貴方の何かしらが変わっているはずです。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    大人未満たちの等身大群像劇

    無料分、しかも17話しか読んでませんがいてもたってもいられない!レビュー書かせてもらいます。

    タイトルをそのままあらすじにして予定調和で売る、
    定番イベントを並べて読者のメモリ負荷を軽減、
    普通設定なのに異様に目が大きくて可愛い主人公、
    そしてイケメン揃いの男の子たち。
    これら「お約束」とも「しきたり」とも言えるマンガの定石に真っ向から挑んでいる作品です。
    「レビューが辛い?部数が出ない?だからどうした、先生の絵で右にならえしたって売れないでしょ!?」とメガホン片手に作者に発破をかける編集者の幻が見える気がするのは…私だけでしょうね…

    主人公はやや内気な女子高生、椿ちゃん。進級に伴うクラス替えで隣の席になった男子、五十嵐くんとクラス委員になって接点が出来、お話が始まります。

    主役二人を始め、登場人物全員どこかしら未熟で、自分を知らないし他人との接し方を勉強中。見たことを理解するのも感じたことを言語化するのも伝えることも、経験不足なお年頃を飾らず盛らず描写しています。
    自分の価値を否応無く自覚している女子らはもちろん、部活で活躍している上見目も良いヒーロー、五十嵐くんでさえ振る舞いがスマートとはいえない。それぞれの感受性の違いが読者目線では顕著で、どこかしら危ういまま日々が過ぎていく。
    三歩進んで二歩下がりながら、成長の螺旋を歩む高校生たちが抑制の効いた作画で表現されています。

    顔はもちろん、各キャラクターの個性までちゃんと描き分けてあるのが素晴らしい。通り過ぎて初めて価値がわかる季節を、丹念に表現した力作です。

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    交番の日常を淡々と

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    別途アプリで追ってます。

    自転車に乗った彼等とすれ違って(悪いことしてないのに)どきどき。落とし物を届けようと交番に寄ったら巡回中。終電で帰宅したら職務質問にあった。
    良くも悪くも、誰もが何かしらの印象を持っているだろう町の番人、警察官さんのお仕事漫画です。

    100巻越えのあの有名作品とはだいぶ毛色が違い、主人公は20代30代の男性4人。バツがあったりなかったり、タバコ吸ってたりなかったり、嫌がらせまがいの頼まれ事や酔っ払いやガセ通報に困ったりしながら地道に治安を守ってくれるお話が続きます。
    作画は一見地味な、けれど鍛えた男性を表現するのにふさわしい筆致。各種装備の付け方までリアル感があって嬉しいです。

    BLとの噂も意味深な匂わせもありますが、主観を言わせてもらえばブロマンス止まり。ストレートな描写は最後まで出ないと予想しています。
    アレルギーある方だけお気をつけて。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    名家の男女を巡る、過去と政治と愛と

    本編95話(現時点での無料分)とオマケを読んだ感想です。

    いやあ、作り込んでますね!
    個人的に、韓国発の縦読みでは指折りのシナリオです。作画の人物デザイン、小物類の描き込みなど見どころが多い。一捻りした構成も、私含め刺さる人は刺さります。

    大きくジャンル分けするなら、あらすじで匂わせてる通りのよくある「愛のない結婚をしたはずなのに」系。主役二人のラブロマンスを軸に、味付けはがっつりサスペンスなので手垢は感じません。ネタバレせずにどうレビューを書くか、嬉しい悩みをくれた作品。

    濃厚な性描写はシビアな状況とバランス取ってる、のでしょうね…個人的には、真っ白になるくらいなら濡れ場は手と頭だけでいいと思います。成人向けを別途で売りたいか、出版社の方針かしら?読みづらくなるだけなんですけどね…

    序盤では心理描写が続き、それぞれの個性がこれでもかと読者に刷り込まれたところで、各キャラクターに視点が移ります。各々から見た人間関係の詳細がどんどん肉付けされていく。
    言うまでもなく、設定詰めてないと作者側が追い詰められる芸当でしょう。真っ当に力量で魅せてくれる作者に出会えて嬉しいです。

    100話近く進んでなお、お話の全容は半分見えたかどうか。そろそろ話をたたむ段階に入らないとせっかくの伏線を活かせないのでは、という懸念はありますが、ついて行く価値はあると思います。

    • 2
  6. 評価:5.000 5.0

    ド硬派正統ファンタジー

    ここでいう27チャプター、「魔笛と影」まで別途電子単行本で読んだ感想です。

    ファンタジー世界でのリアルを追求した作品。
    日常の鬱憤を忘れたい時に読む代物ではないです。わかりやすい悪役を正義のヒーローがぶっ飛ばす的な展開は期待できません。なろう系に代表されるメタフィクションのような、誰かに都合の良い設定も人物もいない。ご都合は極力ないように、と作者が心を砕いているのが伝わってきます。
    シナリオは硬めですが、国がどうやって回っているかや軍事について、日頃からある程度の関心を持っている人には難しい話ではないはず。原作小説がWEBで9,000万pvとのこと、うなづけるクオリティだと思います。
    絵もそぐわしいですね。綺麗すぎず省きすぎず、主人公の経験や感覚が生々しいくらい伝わってきます。記号的なデザインを控え、読者の先入観を廃して「ここにいるのは全員人間。育ちも価値観も違い、それぞれの葛藤の中で一日一日生きている」と雄弁に語る作画の説得力といったら!作画担当を決めたのが編集さんだとしたら、どこかで一言、素晴らしいタッグですねとお伝えしたい。

    傭兵団で育ち、魔法使いを目指す少年の成長譚。
    おそらく巻数は長くなります。読み返したくなる良作をお探しの方におすすめします。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    歯応え充分な異種族間ラブストーリー

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    別途分冊版で序盤を読んでの感想です。

    しっかりめのシナリオ、セリフに頼らない丁寧な描写、芯を感じさせるキャラクター。良作なのは間違いないです。随所に謎が散りばめてあり、恋愛よりミステリーに軸がある。
    女性向けマンガの平均をとったような癖のない作画を見て、「そうはいっても、最初冷たいヒーローが健気なヒロインに早々にデレるんでしょ?」と期待した方は肩透かしを食うことになりそう。
    対して、読み応えある作品なら課金上等!と胸を張る向きには、今一番ホットな作品の一つではないでしょうか。

    歓迎されない境遇に仕方なく嫁ぐことになり、不遇の末落命したヒロインが、転生後同じ状況下に。当然逃げますが、どうも前世も今生も何か裏がありそうで、というお話。
    主人公は所謂「信用できない語り手」で、原作小説のあらすじをざっと見ただけでも、真相が明かされるまで二重三重の重いカーテンがあることがわかります。
    テンポ良く読みたい方は、コミカライズがもっと進んでから一気に読み始めるのが賢明でしょう。

    ロマンチックな部分だけもてはやされがちな、種族や寿命の違う組み合わせの恋愛を、斬新な温度とシビアな角度で描く意欲作。
    原作と併せてメディア違いで追うのもアリかもしれません。

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    メーカー目線のファッション業界

    別途で一巻まで、こちらでの無料分相当を読んでの感想です。

    ファッションを描いたマンガは名作が多い印象です。専門学校生の青春を絡めた「パラダイスキス」、メイクアップに焦点を当てた「ブレス」、小売視点の「リアルクローズ」などなど。「ファッション!!」や「服福人々」などの変わり種も見受けられ、多様化著しい分野の一つだと思います。

    服飾メーカーの挑戦を描いたこちらは、掲載誌がモーニングだけあってお仕事マンガの側面が強い作品。流行を創造し美意識を形にする、ではなく売れる服を作って数字を上げる、がミッションなのはビジネスパーソンの共感を呼ぶでしょう。キャラクターらも生き生きしていて、とっても読みやすいです。

    三度の飯より服が好き、はこの作品の登場人物としてはデフォルト。日々激動する「カッコいい、素敵、個性的」と「買える、売れる、着たくなる」の境界を半年以上前に見極め捕まえ、形にするお仕事がアパレルなのだとわかりやすく表現されています。

    新品服が砂漠に大量廃棄される現実を知っているだろう読者層を、このテーマでワクワクさせようとする、作者の気概だけでも応援したくなります。
    長く続いて欲しい作品のひとつです。

    • 3
  9. 評価:5.000 5.0

    アニメ化決定おめでとうございます。

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    別途電子書籍で一巻まで読んだ感想です。

    内容はまんまタイトル通り。苦労人の継娘をただただひたすら延々と可愛がる(お顔がキツめの)家族のお話。ハートフルで意外性があり、読んでいてほっこりします。
    読んだところまででは父親は出てこなくて、彼とヒロインの実母との詳細は不明です。本宅と別宅で、どう関係を築いたのかも気になるところ。
    お話の核なので、きっちり設定があって欲しい。

    絵の雰囲気からして、線が強めでアニメ向きだと思います。仕上がりが今から楽しみです。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    だいぶ斬新な悪役令嬢もの

    9話「新世界」の章まで別途で読みました。

    乙女ゲーム内の悪役令嬢レミリアに、リアル世界の女性エミが転生。意図せずレミリアの体を乗っ取ることになる、まではよくある二次元転生モノです。その先の展開が実にユニーク!

    一次的な悪役は、レミリア(inエミ)を追放する正規ヒロインですが、恐らくこのお話のラスボスはシナリオそのもの。「◯◯の為の世界」などとテンプレへのメタ的な批判がたまに入るのが小気味いいです。レミリアがエミを通して客観的な視点を持つ事で、神や魔王といった格上相手にも思考停止することなく、冷静に攻略策懐柔策を考えるところ、割と本気で見習いたい。
    正規ヒロインが、既に崩れたシナリオに一番忠実で、あくまでも「地位ある男性らを味方につける」ことを目指す様子がもう…保守的な家族観に囚われた人たちの戯画のようにも見える、と言ったら斜に構えすぎでしょうか。

    絶対者とも運命とも神とも呼べるものに、それぞれ違う強さを持った「中の人」の女性が互いの為、二人がかりで立ち向かう。
    個人的には力強いシスターフッドの物語と見ています。

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