5.0
だいぶ斬新な悪役令嬢もの
9話「新世界」の章まで別途で読みました。
乙女ゲーム内の悪役令嬢レミリアに、リアル世界の女性エミが転生。意図せずレミリアの体を乗っ取ることになる、まではよくある二次元転生モノです。その先の展開が実にユニーク!
一次的な悪役は、レミリア(inエミ)を追放する正規ヒロインですが、恐らくこのお話のラスボスはシナリオそのもの。「◯◯の為の世界」などとテンプレへのメタ的な批判がたまに入るのが小気味いいです。レミリアがエミを通して客観的な視点を持つ事で、神や魔王といった格上相手にも思考停止することなく、冷静に攻略策懐柔策を考えるところ、割と本気で見習いたい。
正規ヒロインが、既に崩れたシナリオに一番忠実で、あくまでも「地位ある男性らを味方につける」ことを目指す様子がもう…保守的な家族観に囚われた人たちの戯画のようにも見える、と言ったら斜に構えすぎでしょうか。
絶対者とも運命とも神とも呼べるものに、それぞれ違う強さを持った「中の人」の女性が互いの為、二人がかりで立ち向かう。
個人的には力強いシスターフッドの物語と見ています。
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悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~