5.0
旦那さまの溺愛が空回りすぎて面白い!
貧乏な貴族令嬢のヴィオラと公爵家のサーシス様との契約結婚から始まる可愛い夫婦の話。
実家の借金を肩代わりする見返りとして、お飾りの妻としての契約結婚を求められたヴィオラ。
サーシス様には元踊り子のセクシーな愛する彼女がいて、本館には寄り付かず二人で別棟で暮らしている。
ヒロインのヴィオラですが、素朴で明るく働き者(貧乏貴族故に家の事は自分たちでやっていた為ですね)。
対外的に妻としての最低限の役割をしてくれたら何をしても良いと言われ、旦那さまは愛人と別棟暮らしの為、これ幸いと家事や庭いじりを満喫して使用人達と一緒に賄いを食べるなど、公爵夫人らしからぬ生活を満喫。
“亭主元気で留守が良い"状態の中、使用人達もいつの間にかヴィオラの味方。
たまに旦那さまが本館に来ると「旦那さまシフト」がヴィオラの指示のもとに発動し、さっさと別棟にお帰り頂こうとするのが面白い。
見違えるほど温かく雰囲気の変わった本館とヴィオラの魅力に惹かれていく旦那さまは、改心して彼女とも別れ、ヴィオラを溺愛するようになるのですが…。
読者から見てもこれほど好感度の低いヒーローは珍しいと思うほどクズな旦那さまですね。
むしろ別れを切り出された彼女さんの方が、サバサバした男前で好感が持てるのが不思議。
最初の契約と違うと迷惑そうなヴィオラとの温度差が笑える。
旦那さまが溺愛すればするほど空回っている様子が、今まで最低のクズ男だったもの仕方ないよねと思う気持ちから、段々と健気すぎて応援したくなる。
ヴィオラの方も少しづつ絆されていくのですが、ヴィオラ+使用人達の塩対応にもめげずに奮闘する旦那さまが可愛く思えてくる。
ドロドロした感じもなく、読んでて楽しくなる作品で、個人的には大好きです。
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誰かこの状況を説明してください! ~契約から始まるウェディング~