4.0
感情移入するタイプにはつらい
人物描写・設定ともに巧みで、つい入り込んで読み耽ってしまうような作品です。メインの人物達は所謂善人ではありませんが、皆惹きつけるものを持っており、一人一人の過去や胸中が明かされるたび物語への没入感も深まりました。
説明文に"魂抉る"とありますが、それについてはなかなかの全方位爆撃です。社会における疎外感、承認欲求、友人関係、家族間のトラブル等々、様々な角度から読み手の古傷を抉り、丁寧に塩を擦り込んできます。
優しい終わり方をする話も一応ありますが、シ役所という場所の性質上どうしても物悲しさが残ります。
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死役所