4.0
不幸の連鎖
男は妻が死んだら、ある女に愛人にと約束をする。しかし、彼の妻は亡くなった後、夫と愛人契約をした女に転生する。 男は不倫で妻を裏切ったわけではないが、愛人に転生した元妻は、知る由もなく、夫への復讐を誓う。元妻は病弱で失意の中、病死したが、愛人に転生し健康な体を手に入れる。夫に対する気持ちはわからなくもないが、復讐にエネルギーを費やすより、健康な体で自由に第二の人生を選択する余地はなかったのだろうか? 男は妻の面影を求めて彼女を愛人にしたいと願う。 それぞれが、ゆっくり不幸になっていくような気がしてならない。不幸の連鎖を断ち切るきっかけはないのだろうか? なくなった妻を密かに慕うもう一人の男も登場し、三つ巴の不幸の連鎖が繰り広げられるのは、悲しく愚かな気がする。タイトルが示唆する意味が作者のメッセージのような気がする。
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夫の愛人に転生した気持ちを述べよ