れれれこしゃんしゃんさんの投稿一覧

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61 - 70件目/全126件
  1. 評価:5.000 5.0

    メメントモリ

    決して楽しいストーリー展開ではないし、ドキドキワクワクの話でもないが、この異常で突飛な出来事を通して私たち人間の生存意識を問う作品だと思う。死という必然を前にした時、私たちは何に思いをはせるか?読者ひとりひとりに問いかける話の展開は興味深い。多くの人々が我を忘れたり、眠っていた欲望が目覚めたり、自暴自棄になったり、苦しみもがき翻弄される。命は確かに大切なものであるが、死を前にして、その大切さを普段見過ごしている事実に直面する時でもある。私たち一人ひとりに平等に訪れる死について考えるチャンスを与えてくれる作品でもある。

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  2. 評価:5.000 5.0

    人間の根源を問う作品

    タイトルが示す「ちいさいひと」の意味を考えながらこの作品を読むと、学べることが多くあります。子供はまだ小さく未熟なだけで、私たち大人と対等の存在であるということ。その小さく未熟な子供から私たちはどれだけ多くの事を学び、どれ程かけがえのないものを与えられているかを痛感しました。ここに描かれている現実は実に厳しく、目をそむけたくなるような大人の醜さがあります。それでも決して諦めない人たちがいて、どんな状況でも生きようとする子供の前向きさが心に刺さります。私たちもかつては「ちいさいひと」だったこと忘れてはならないことですね。

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  3. 評価:4.000 4.0

    二度目の成長物語

    良家の娘、半夏は健やかに育ち、幸せな結婚をしたかに思われたが、その全ては継母と異母姉に欺かれ陥れられ命まで失うことになってしまう。しかしその寸前16歳に転生し全てを悟る。今まで気づきもしなかった継母と異母姉への疑惑が確証に変わり、知恵を駆使して果敢に挑む姿が頼もしい。今までの視野の狭さ、無知な故の失敗を反省し、注意を払い、思慮深い言動は転生前とは全く違う。以前の甘さを反省し,隙を見せない振る舞いで継母と異母姉の策略をことごとく防ぐ姿は見事だ。しかし転生前知らなくて騙されていた彼らへの復讐ではない。気づいて悟った事を改めて検証し、知恵と勇気をもって、しなやかに生き抜く半夏の第二の成長物語である。今まで簡単に騙せていた半夏の変貌に継母と異母姉は驚き、彼らの悪意は高まるが、いずれ墓穴を掘るだろう。決して負けない半夏にエールを贈る。

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  4. 評価:5.000 5.0

    一途に愛することの意味

    ヒロインのちかちゃんと同期入社の朝比奈君は研究職のエリートで、実はちかをずっと見守ってきた。ちかの結婚式にも参列し遠くから二人を眺める眼差しは悲しげだ。ちかの夫は社内不倫をし相手の妊娠を機に離婚を迫り、彼女は家を追い出され早く荷物を取りに来いと告げられる。それを知った朝比奈君は彼女を自分の家に住まわせ心配させまいと懸命に気遣う。くずの前夫は左遷コースで自業自得だが、不倫相手のゴミ女はあさましくもエリートの朝比奈君を狙うからバカ丸出し。朝比奈君は入社当時からちかを密かに想っていたのだろう。彼女の結婚後もその気持ちは変わることなくいたかもしれない。消極的で控えめな愛し方かもしれないが、彼女の気持ちを尊重し大切にしたい彼なりの愛し方なのだろう。でも前夫の仕打ちに怒り行動に出たのは正解。静かに見守り続け、心から愛した人をこれからは自分が守る覚悟をした勇気に乾杯!これからの試練、朝比奈君の愛し方でちかを守り、二人の絆を結んでほしいと切に願う。

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  5. 評価:5.000 5.0

    大人だって褒められたい

    子供の頃は褒められ事があったが、大人になるときちんとできて当たり前、失敗すれば大目玉を喰らい、褒められる事は滅多に無い。だから樹里の黒崎さんに褒められたい気持ちは凄くよくわかる。同期入社の黒崎さんは雲の上の存在で憧れの的だから遠くから見ているだけだったのが、同じ秘書課に移動になり指導を受けることに。持前の明るさで一生懸命がんばるがうまくいかない。お酒の席での失態で黒崎さんに迷惑をかけたりドジの連続でもへこたれない。黒崎さんのさりげない一言にドキンとしたりしながら次第に惹かれていく。非の打ち所や隙のないどこかミステリアスな黒崎さんだが、実は樹里は覚えていないが接点があり、黒崎さんは樹里をちゃんと見守っていたようだ。そんな互いに一方通行のような二人のこれからが回りを巻き込んで面白くなるはずだから楽しみは作品。

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  6. 評価:5.000 5.0

    世の中に訴えたいこと!

    妻の突然の死で4歳と0歳のシングルファーザーになった奮闘物語です。不慣れな育児と仕事の板挟みに苦しむ父親に対して、今まで何もしてこなかった報いだ、ざまあみろと言う気にはなれません。妻の苦労がわかってどれほど生きたかっただろうと胸が痛みます。この物語を通して、乳幼児の病気のケアや病気でも通える託児所の設置や、小児科医の育成を心から願いたい。修学旅行費用の助成より、子供の医療費の15歳まで無料化ができたら理想的ですが....片親家庭に対する私たちの意識改革も必要だと思います。近所、学校、親の仕事場等でのサポートの在り方も話し合うことはたくさんあると思います。生きる為に生まれてきたのですから、最低限、子供の心身の健康だけは守ってやれる社会でなければ私たちに明日はありません。

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  7. 評価:5.000 5.0

    偽物の中の真実

    孤児のニナは人買いから逃れる為、瞳の色を隠し、生き延びるために性別も偽り男の子として生きているが、仲間に裏切られ売られてしまう。買い手の王子アズールはニナを姫の替え玉となるべく偽物に仕立て上げる。替え玉になった二ナは自己と闘いながらもアズールとの信頼を築く。しかしアズールもまた二ナ同様、亡くなった王子の替え玉の偽物として10年間王室で戦ってきた同類だった。皮肉な巡りあわせで出会った二人が替え玉としての責務と本当の自分との間で葛藤する姿が痛ましい。偽物として生きなければならない中で、本当の自分を見つけ、真実にたどり着くことができるだろうか?

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  8. 評価:5.000 5.0

    母と娘の葛藤は熾烈

    幼少期、寺に預けられ育った黄理子は母を母と認めない。当時の事情はわからないが、母は才能ある女優で弟だけは手元に置いた。母の女優としての資質は認めても、母親に対する嫌悪感は消えない。それらの事情を知る人との関わりを通しても母親を受け入れる気持ちにはならない。どんなに作品が素晴らしくても、その作り手である作家の人間性に疑いを持つように、黄理子は大人になってもそのスタンスを変えない。愛する事と憎む事が表裏一体であるように、黄理子と母の関係は混沌とした流動物のように浮遊する。二人ともこの関係を改善しようとはしない。むしろ憎み合うでもなく淡々としている。二人にしかわからない事があるだろうし、二人にもわからない事もあるだろう。母と娘という宿命を背負う二人の女の生き様が興味をそそる。

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  9. 評価:5.000 5.0

    主人公パレサは信念を貫く人

    一見とらえどころのない主人公パレサは、悪女というより我儘な皇后に冷遇されながら懸命に仕える。ひょんなことから皇太子に出会い、彼に正体を見抜かれ、彼女が外国からの逃亡者で権能者であることがわかり、皇帝にも気づかれる。この国では王族だけが権能者である為、彼女のこれからの処遇が未知数だが、これからのストーリーがパレサの本領を発揮するような気がしてならない。最初は権能者であることを隠す為のぎこちなさがあったが、パレサは自身の内に秘める信念に従い、これからの生き方を選択していくような気がする。パレサはつかみどころが無いように見えたが、実は凛とした姿勢で人生を切り開いて、納得できる未来へ進んで行くに違いない。パレサのこれからに期待する。

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  10. 評価:5.000 5.0

    同僚のひとりから最愛の人へ

    同期入社の二人は忌憚なく話せる同志であり友人だった。しかし彼にとって彼女は最初から特別だったのかもしれない。彼女はそんな彼の気持ちの変化に気づかず、突然の告白とプロポーズをされて初めて彼を男として意識する。彼は一年後に結婚するから絶対俺に惚れさせると断言する。彼女は想定外のことに嬉しさ半分ドギマギするが、過去の苦い体験が彼女を不安にさせる。職場恋愛を成就させるのは苦労もあるが、この二人なら幾多の問題も解決し、彼らが描く未来へと進んで行けるはずだ。どんな邪魔が入ろうと、傷つくことがあっても、この二人はお互いを高めあっていけるから応援したい。だからタイトルがちょっと物語とそぐわない感じがして.....

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