5.0
刹那の旅路
余命いくばくもない令嬢紗都子はひょんなことから一匹狼の殺し屋と出会い、結婚の約束をし逃避行が始まる。生い立ちや育った環境も違う二人だが、種類の違う重荷を背負って生きてきたことは間違いない。未来に対する希望もない、今日一日をギリギリ生きているような二人の旅路は刹那的と言わざるを得ない。しかしそんな二人が時には、まるで普通のカップルのような言い合いをしたり、誰でもするような些細な喧嘩をするのが微笑ましくもあり悲壮感も感じる。この二人に明るい未来など来るはずもないのに愛おしさを覚えるのは何故だろう?しかしタイトルの暗示は容赦なく二人に降りかかる。二人の結びつきはホタルの嫁入りなのだ。紗都子の命は蛍になぞられ、その嫁入りは、儚い刹那の中に消えるのだろうか?
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ホタルの嫁入り