5.0
過酷な生きざま
妖のお話が好きで、しかし、のどかな妖ほのぼのストーリーではないんです。かなり過酷な妖と人間の生きざまが描かれており、人間社会との共通点もありますが、妖特有の厳しさ、悲しさ、脆さが随所に垣間見える素敵な作品です。天狗の匡と実沙緒の出会いは幼少期に始まり、匡の修業期間の10年間の空白を経て、二人は再会します。それからの二人は宿命に翻弄されながらも互いを尊重しあい、絶えず相手のことを思いやるあまり傷つけあいながら、お互いの思いを成就すべく運命と戦います。その過程があまりに素晴らしく、時には痛々しく、何故ここまで追い詰められなければいけないのかと思うほど過酷さを背おわされていますが、二人の決して諦めない生き方が感動的です。唯一の癒しは太郎、次郎、三郎の三つ子の天狗が可愛いことかな。
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BLACK BIRD