マーガレットが、なんでそこまでリリアーナに固執するのか、という話である。彼女が語れば語るほど、リリアーナへの劣等感が透けて来る。
リリアーナが部屋に閉じ込められて、きちんとした教育を与えられず、食事さえも覚束ないのは、周りの都合によるもので、彼女自身には何の責任もない。
で、なんのかんの言いながら、出て来るのは容姿の話。腹の傷1つで人を化け物扱いしているが、なんでそんなに必死になって妹を否定しないといけないのか、その価値観を植え付けたのは誰なのか、1度考えた方が良い。
エイトン伯爵がなんで、そこまでサンドラにぞっこんなのか、これまた謎。実の娘より、托卵された子供の方が可愛いとか、訳が分からない。
普通、親と一緒にいる子供を、通りすがりの暴漢が襲ったりはしない。失敗して、逮捕されるリスクが高いもの。親に恨みがあって、本当は親本人を狙いたかったけど手元が狂ったとか、子供の方が成功率が高そうだとか、そういう理由でリリアーナはとばっちりを受けた、と考えるのが妥当だ。私のせいでこんな目に遭わせてすまない、と嘆くのが親というものだろうに。
それでも、単に放置するだけなら分からなくもないが、後妻とその娘にサンドバッグ扱いされるのも放置は駄目だろ。
というか、マーガレットの教育にも良くないと分からないものか。幼い頃から他人をいたぶるのを日常としている人間が、その対象が目の前からいなくなったからといって、暴力から離れられるものなのか。
あのサンドラを聡明で慈悲深いと評す伯爵だから、価値観というか、もはや認知が歪んでいるのか。大事なのはサンドラだけだから、本当のところ、マーガレットの事なんかどうでも良くて、だから彼女の人格が破綻しようが構わなかったのか。伯爵自身もいたぶる相手が欲しかったのか。
古参の使用人は使用人で、セドリック以外は伯爵家の人間とは認めないとかーーいや、リリアーナは? あの家、闇が深過ぎる。
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記憶喪失の侯爵様に溺愛されています これは偽りの幸福ですか?
066話
第28話 王子の静かな怒り(1)