私のセールス・ポイントは顔だけです、と自分で言っているようなものだと、マーガレットは気付かないのだろうか。
血筋の事は措くとしても、そもそもが非嫡出子なわけで、この時点でマーガレットの方が分が悪いのに、産まれた時からリリアーナは自分より下って、いやいや。
せめてマーガレットも、母親並みの狡猾さがあればまた違うのに、喚いて物を投げるしか能がない。かつて、リリアーナのマナーがどうとか言って笑い者にしていたのは何だったのか。
サンドラがリリアーナにまともな教育を施さなかったのは、どんなに血筋が良くたって、振る舞いが伴わなければ意味がない、だから多少血筋が悪くても自分やマーガレットの方が上なんだという、いわば自分の生まれへの復讐なわけだが、それでどうしてマーガレットがあんな仕上がりになるんだよ。
エイトン伯爵が、リリアーナではなくマーガレットと結婚してはどうか、とウィルに迫っていた時も、アピールしたのはやはり顔だった。別に借金返せるならどちらでも良いだろうに、やけに食い下がっていたのは、本当にそれぐらいしかマーガレットの売りがなくて、でもあのレベルの美人なら社交界には幾らでもいるので、それだけでは結婚相手を釣るまでには至らず、且つあの性格だから猫を被るにも限度があり、
あとは伯爵の悪い噂なんかもあって、縁談がなかったからなんだろうな、と想像する。
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記憶喪失の侯爵様に溺愛されています これは偽りの幸福ですか?
062話
第26話 良き妻(3)