5.0
歪な人間関係と、ダークな世界
ええと、気味が悪いのだけど、読んでしまいます。
亡くなった優しくて好きだった兄…崩壊した家庭の中で支えてくれた、歳の離れた兄…が、恋人だった男性に取り憑いている?
それがグニャグニャと形と顔を変えてくる。
兄の恋人だった男性「聖」は、どこか淋しげでミステリアスで魅力的な人…ヒロイン・妹の鹿ノ子も、兄らしい黒いモノに憑かれた彼に惹かれていく。
兄の元カノ、その知り合いの霊媒師的な男性が覧る「黒い影」の正体は何?
聖、その人が抱えているモノは何?
「聖」という名前も何か意味深です。
絵があまり好きではないのだけれど、不気味なストーリーに引き込まれます。
鹿ノ子は、女子高生。思春期でもあるし、なかなかの試練だと思うけれど
好きだった兄と好きになった聖のために、止まれない。
今、聖を犯したストーカーの男性(暴力的でイヤなヤツ)を目の前にして、、何やらその男性には彼が好きだった義姉が憑いていると霊媒師は語る。
ますます複雑な様相になってきたのだけれど、展開に目が離せません。
明るい平和な話ではなく、歪な世界。
鹿ノ子にも親友はいるし、もっと楽しく生きられたらと思うけれど、否応なく巻き込まれて行ってしまった彼女のこれからはどうなるんだろう。
聖の宿命は?…
ダークな話に耐えられる人には、お勧めします。
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兄だったモノ