午後3時の通りすがりさんの投稿一覧

投稿
141
いいね獲得
461
評価5 34% 48
評価4 28% 40
評価3 23% 32
評価2 13% 19
評価1 1% 2
11 - 20件目/全42件
  1. 評価:5.000 5.0

    難しいし、気分悪いのに…

    ネタバレ レビューを表示する

    正直、読んでいて気分の良い話ではないけど、最後には救いのある人もいる

    老若男女クソやろーが多いし、話の大半が理不尽だし…なのに気になって気になって読むのを止められない
    これは逆に、本当にストーリーが面白い名作だと判断するしかないなと

    転生というより、「死んでもいないのに無理やり物語の世界に引っ張り込まれて憑依した」というのが正しい認識
    憑依したエリスという少女は「消えてしまいたい」と願うほどの環境にいて、周りの人間が本当にイラつくしその人数も多い

    ・婚約者の尊厳踏みにじり皇太子アレクト
    ・バカか腹黒かその両方か空気クラッシャーヒロインのヘレナ
    ・ヘレナラブなストーカー騎士イアソン
    ・異母妹を見捨てる予定の神官フィブリス
    この辺が主要なエリスの敵だけど、進むにつれて増える
    キャラごとの深掘りまでされるけど、エリスへの行動には納得いかない

    こんなにムカつくのに読んでいられたのは、前半がわりと淡々と進むからかな
    人によって淡々具合がつまらなく感じるだろうし、サラッと読んだら設定忘れてた部分もあって迷子になりがちだけど

    その分、後半の激情?狂気?
    登場人物の認識が色々と変わってくるあたりから前半のイライラが可愛く思えるほど
    気持ち悪かったり憤りだったり恐怖だったり悲しみだったり…もう感情が追いつかない

    そんな中に時々出てくる、エリスが拾って名前を与えた護衛騎士アナキンとエリスの、ただお互いを思い合うストーリーが本当に貴重な癒しで

    終わってみればシンプルな、
    自分が苦しくても愛する人のために行動した人間は最後に救われて
    愛する人を自分の感情で縛り付けて苦しめた人間は何かを失った
    …それだけの話なんだけど

    紙の上の登場人物ではなく確かに生きて感情もある人間なのに、物語の根幹になるであろう行動だけは縛られていて
    罪と罰が釣り合ってない人も、縛られた行動の結果で喪失した人もいて
    スッキリザマァ!みたいな話ではないけど最後まで読むに値すると思う

    • 5
  2. 評価:5.000 5.0

    超美麗ハイテンションギャグ漫画

    なんかもう、絵が綺麗なだけでハチャメチャにギャグ漫画だわww

    テンションと勢いで押し切られつつ、ワードセンスもベタに思えて絶妙に軽快で癖になりそうだけど
    ここからトキメキ展開になるのか?はちょっと疑問w

    灰かぶり要素はガラスの靴一点で、別に不幸な生い立ちのヒロインで…なんてことはなく
    (あ、ヒロイン動物に囲まれてたからその辺はシンデレラぽい?デ◯ズニー映画だけのイメージか?)
    どちらかと言えば金の斧・銀の斧な世界

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    元カノも良くない

    ネタバレ レビューを表示する

    海老カツこと勝男は、周りにいたらイラッとするだろうなって思う笑

    価値観は育った環境とか本人だけの問題じゃないし、極端でなければ良いも悪いもない
    だから勝男の価値観も別に悪いわけではないけど、いちいち人の価値観を否定するような余計な事をわざわざ言う
    それ自分のことで言われたら嫌じゃない?ってことを本気でアドバイスだと信じて言っちゃう

    ただ勝男の元カノも、勝男が好きだからと自分も和食ばかり
    「男にモテる」に全振りして努力したのはむしろ偉いけど、自分の好きなものは?となると思いつかないほど
    余計なこと言われても受け流すだけ、自分も仕事で疲れてるのに食事を用意することに文句ひとつ言わない
    勝男が育った価値観に合わせたというと聞こえがいいけど、甘やかして増長させただけというか?

    「妻/彼女が突然怒り出した」という男性に
    「怒る前に普段から注意してる、聞いてないだけ」という女性みたいな、よく聞くかんじではなく本当に何も言ってない
    言うべきこと言わずに分かってもらえるわけがないよね

    そして勝男は、言われれば一旦自分の中で噛み砕いて良い悪いを判断できる人

    人の数だけ価値観があって、自分の価値観が当たり前ではないと
    主人公だけでなく周りの人間も気づいて受け入れようとするのがいい

    • 0
  4. 評価:5.000 5.0

    意外としっかりしたストーリー

    ネタバレ レビューを表示する

    とりあえず24話まで読み終わった

    序盤は世界と主人公セリアの状況説明ばかりで、少しダルい
    セリアは6歳だし、竜と出会う以外の山場もなく、理不尽にハブられてて気分よくない
    セリアが15歳になって戦争が発生したことで状況が一変、物語が進んで面白くなる

    「16歳で領主の愛人になる予定の、容姿だけが取り柄な農民の子供」だったセリアが、弓を使えるからと戦争に駆り出されることで皮肉にも行動範囲が広がった

    奮闘するも、いきなりセリアの力で戦勝!なんてことにはならず
    弓を教えてくれた恩人も、自分を愛人にしようとした領主も、セリアの腕に注目した領主の息子も戦死してしまうし
    セリア自身も敗残兵として家族とも離れてしまう

    幼いときに別れた友達の竜がセリアのピンチを察知して駆けつけてくれたので敵国に占領まではされなかったけど
    その竜が国の守護竜である種だったために皇族がやってきてセリアを見つけてしまう

    金髪碧眼は「竜血」を持つ人間の証で、竜血によって守護竜と契約できる
    (そもそもが竜が起こした国で、国民は竜の子孫で竜血の濃い薄いがある的な)

    皇族は竜血を独占するために、皇族以外で金髪碧眼の子供が産まれたら処分しなければいけない法律まで作っていて
    領主が色ボケだったために生き延びていたセリアは既に守護竜と契約済み

    セリアを処分すれば守護竜を諦めることになる皇帝は、セリアは皇族の血筋だったということにして皇女とすることを決める
    皇族は竜血を維持するためにたった2つの家で婚姻を繰り返していて、血が濃くなりすぎて異常が現れ始めたせいで外の血縁が欲しいのも理由だと

    戦争系、騎士系、成り上がり系の要素もあって、戦略とか政治的な話も意外と深くて面白い

    ナイスミドルなおじさまがけっこう出てくるんだけど、もう少しカッコよいと嬉しい笑
    若い人はいいんだけど、どうもお髭のおじさまとイマイチ絵柄が合わないというか

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    ラストまで読んでの感想

    ネタバレ レビューを表示する

    ラスト、哲雄は捕まり裁判にかかる
    もちろん大事件・大ニュースとなり世間で賛否が巻き起こる
    私刑は許されない、家族を守るためなら自分もやるかも…とインタビューが流れ、この漫画の読者の感想のように意見は真っ二つ
    裁判の結果は不明なまま
    量刑も、どの罪が認められての判決なのかも分からない

    間違っていなければ哲雄は4人殺害しているが…最初の方の事件に関してはもはや証拠がないし、傷害致死や保護責任者遺棄致死、なんなら過剰防衛でもいいのでは?という経緯の事件もある

    全ての経緯を読んで把握している読者でも哲雄を裁くのは難しいと思うのに、相手は反社の人間で半数以上は遺体も凶器もない、哲雄と生き残った関係者の話だけでどこまで事実認定するのか

    刑が重ければ自白だけで判断したことになり、
    刑が軽ければテロ行為なども行っているのに甘すぎるとなってしまう
    正直どちらにも納得行かないと思うので判決は不明でもあまり気にならなかった

    ラスト直前の「if」を読んだときに何より思ったのは、
    ・ヤクザ、半グレ、カルト宗教などの反社がいなければ哲雄は平凡な男のままでいられたこと
    ・反社を国家権力が取り締まっていれば一般市民が暴力に暴力で対抗する必要もないこと
    ・警察が信用されていれば、哲雄は最初の事件以降の罪は犯さずに済んだこと

    哲雄の妻、歌仙さんもある人物の殺害を決意する場面があり、それでもいざとなると手を下すことができなかった
    哲雄はそこで手を下せる人間なのは間違いないし、狂った人間たちと対等に戦える哲雄もまた怪物なのだと思うけど
    何事もなければ死ぬまでずっと怪物は眠ったままだった

    本当に、平凡だけどこんなに幸せな世界線があったはずなのにという「if」で、
    とにかく悲しいというか悔しくなった

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    予測できない!

    ネタバレ レビューを表示する

    紹介文だけ見て、ありがちな話かなと思いきや設定もキャラも想像よりもずっと深かった

    まず死に戻りとも違うので、過去に戻れる理由もハッキリしている
    そして転生ものではないので、主人公レオニが自分の人生をしっかり生きている

    母親を虐げて死なせた上に自身のことも蔑ろにした父親のその家族、
    顔と家柄しかないと何度も結婚させられて夫や子供を失うことになる原因を作る人間、
    最初こそ彼らへの復讐に燃えているけど、相手が結局のところ悪人ばかりなので復讐を果たすことで世のため人のためになり
    レオニ自身も復讐だけでなく平和な世界のために働くようになる

    レオニの異能は「絵を介せばわりとなんでもできる」という、正直チートにもほどがあるのに無双状態にならないのが上手いなと
    ・状況を把握できていれば、絵に描いた時間と場所に行ける
    ・自分が描いた絵と同じ風景の絵がある場所なら、絵を通ってその場に行ける
    ・絵を被せれば他者の姿も変えることができる
    ・絵の中に世界を作って、その中に人を閉じ込められる
    ・過去を変えたので未来も変わるはずなのに、回帰する前の未来にも自由に行ける

    ここまでできるというのに、「どうせ簡単に切り抜けるんでしょ」という展開だけにはならない
    スカっと安心して読める部分と、予想外のことが起きてハラハラしながら読む部分のバランスがいい

    回帰前の未来に行ける時点でその世界が消えてなくなったわけではないと分かるけど、
    現在の子供なレオニ相手にかつての夫が特別な激しい感情を抱いていたり、
    現在はレオニ以外に異能者はいないはずなのにレオニでない異能が関わってきたりと謎も多い

    予測不能なストーリーで失速したり中だるみしたりがなく、キャラクターの心情も丁寧に描かれていて飽きない作品

    • 23
  7. 評価:5.000 5.0

    ラブソングを一曲聴いたような読後感

    ネタバレ レビューを表示する

    山場はチマチマとあるけど、基本は高校生のキラキラしすぎない日常
    なんか嫌だなってこともあれば、やっぱりすごくキラキラした特別な瞬間もあり、でもお互い一緒にいるときは穏やかに幸せで
    (こんないい子たちはいないよと思いつつも)リアルなかんじがすごくいい

    先輩、こんなできた高校生はいないよ!大人にもこんなにいい男いないよ!
    セリナ、後半は初期のグイグイはどこへやら、イジらしさがたまらんよ!

    友達じゃない学校の連中は嫌い
    先輩の弟も正直イミフで嫌い
    もう1人の当て馬先輩、この人も基本はいい人でもちょっと無神経すぎる
    2人の波乱はだいたい無責任なコイツらのせい

    先輩が受験生になった時に起こる波乱はもう破局寸前な勢いで…

    2人の時間はなかなか作れない、それでも精一杯時間作って構ってくれる先輩が逆に寂しくて「もっともっと」と思ってしまって自己嫌悪なセリナ

    受験が本格化する前に「本当に寂しい時は寂しいって言っていい?」とセリナに宣言されていたのに、いざ本音をぶつけられると受け止めきれない先輩

    勝手な憶測で「あの2人別れたんじゃない?」と無責任な噂を流す学校の連中
    それを耳にしてしまって更にセリナが落ちたり

    当て馬先輩がセリナを好きになって勝手にバックハグとかしてきたのに先輩弟が「隙だらけのセリナが悪い」と的外れなこと言ってきたりして

    なんかもうムキーーー!ってなるんだけど
    その乗り越え方も2人らしい、なんかこう、すごく琴線に触れるかんじなんだよ

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    母親で実業家だった主人公

    ネタバレ レビューを表示する

    主人公エリスは望まない相手とはいえ結婚・出産し、子供のことは心から愛し子育てしているけど、貴族夫人なのに無能なクズ夫の代わりに事業を手がけていて、実業家としては成功していた

    エリスが仕事中に愛人を連れ込んで子供から目を離すクズ夫、そのせいで転落事故により亡くなってしまった息子を取り戻すために「黄金竜」なる存在に時を戻してもらったら、まさにクズ夫と結婚させられる分岐の時だったーーというのが第1話

    ・出産までした貴婦人なので、初心な令嬢みたいにチョロくない
    ・仕事で成功してた実業家なので、自己評価も低くないしバカな家族や婚約者に騙されることもない
    ・損得勘定もしっかりしているので、相手から有利な提案があった時に「私なんかに〜」みたいに自分を卑下したり変な遠慮して断ったりしない
    このあたりが安心して読んでいられるポイントかな

    もはや実家のバ家族や、前回のクズ夫の家族ではアホすぎて相手にならないレベル
    とくに異母妹が何回やられても腕ぶん回して挑んできて、何回退けても「わからせ」にならなくて笑える

    継母と異母妹に虐げられて〜という作品説明だけど、実父もクズじゃないですか笑

    エリスの実母が闘病中にも父親は不倫、再婚相手から生まれた妹はどう考えても実母が生きていた時期にデキている
    この設定だけでクズ以前に貴族として恥知らずにも程があるけど、「エリスが公爵と親しい」と知った途端エリスの現婚約者の存在なんて忘れて、「なんとしても公爵をものにしろ!」ってアホすぎんか

    後妻と妹のおバカな振る舞いも止めない、姉は自分の言いなりで何でも管理できると思い込んでいる無能な父親も

    (継母と妹のせいで)地味なエリスなんて捨てて、
    (有害な化粧品を塗ったくって)派手な美人の妹に乗り換え予定の現婚約者は、前クズ夫よりは腹黒さを見せるけど
    公爵様にライバル心剥き出し、エリスは自分を好きだと思い込んでいて小物感満載

    悪役たちが弱っちすぎてエリス&公爵様の相手にならんのだけど、もっと強い悪役は出てくるのかな?

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    壮大で、複雑で、因果応報な話

    ネタバレ レビューを表示する

    長いけど無駄のない、濃厚な話がぎゅっと詰まった作品

    名門伯爵家のキチク伯爵に弄ばれた母親から生まれた私生児
    貴族でも平民でもない、まさに人の扱いでなく虫ケラ以下の存在だった名もなき主人公

    私生児であると隠していたはずなのに、嫡男から遊びで暴力を受け、毎夜キチク伯爵に蹂躙される母を見せつけられる

    伯爵家の血を引いているとバレてしまい、母を人質にされ本妻の娘の身代わりとして恐ろしい噂のある公爵に嫁ぐことになるが、その公爵は伯爵家の人間…いや国中の腐った貴族とは違って高潔な人

    構成としては正直、話があちこちに飛びがち
    でも後半はそれでちょうどいい、一度に読めないくらいの鬱展開がある
    ただし、主人公ではなく悪役サイドに

    主人公は嫁いでからも色々あるけど基本的には愛されて、自分の価値をひとつずつ手に入れ
    父親とも思っていないキチク伯爵に付けられた「無価値」という名前を覆していく

    反対に、伯爵家は何かしらへの強い執着を捨てられず、愚かだったり非道な行いが原因でどんどんと転落していく
    主人公と公爵の幸せな暮らし、そこに対比のように堕ちていく様が挟み込まれる

    悪役の転落が本当に鬱展開で、ザマァなんて軽いものではない
    悪事がバレて正義の裁きが下るというわけでもなく、更なる悪に蹂躙されて
    主人公を酷い目に遭わせた悪役が酷い目に遭っても正直まったくスッキリしない…新しい悪が出てきてるじゃないかと

    でも因果応報、弱者であるからと踏みつけた人間は、自分が弱者の側に立った時に踏みつけられて初めて後悔や反省をする、意外にも悪役サイドに深い教訓があった

    ・事あるごとに罰だと女中を鞭で打ってきた我儘な姉は、その女中に異国で裏切られて財産を持ち逃げされるけど自力で家に帰る
    ・女遊びの激しい夫ではなく夫に弄ばれた女性を憎み激しい暴行をした伯爵夫人は、子供を奪われて薬物中毒に
    ・歪んだ愛情で主人公を蹂躙し、父親に似て屋敷で働く数々の女性を弄んだ嫡男は、自分よりも強い男に蹂躙され
    ・公爵が好きで嫉妬から主人公の命を狙った令嬢は、利用した男に囲われて穢され
    ・そして元凶のキチク伯爵は…

    善行も悪行もそれに見合った結果があって、まさに因果応報
    育った環境に負けず世界を恨むこともなく高潔で慈悲深い主人公にも見合った幸せが訪れる

    • 2
  10. 評価:5.000 5.0

    めんどくさい、でも嫌な人はいない

    思春期のせいかよく分からないけど、テリトリーMの住人がとにかく全員めんどくさい笑

    でも面倒な原因が主に友達想いだったりする部分なので、基本的にはサッパリした良い子たちというか悪い人にはなれないかんじで安心感もって読める

    恋の矢印が一方通行の片想い集団、その中で告白したり失恋したり付き合ったりで人間関係がビミョーになりそうになるけど
    空気の悪さを察知すると残りの人たちが取り持ってくれたり、寄り添ってくれたり、説教してくれたりもするので、なんだかんだ壊れない不思議な関係

    最初のうちは一方通行な片想いのせいで全員が恋にマイナス思考なんだけど、途中から「恋をしているだけで、たとえ付き合っていなくても幸せ」ってプラス思考になっていくのが眩しいね

    • 1

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています