5.0
ギリ、やりすぎてない
個人的な高評価ポイントが、何事もやり過ぎていないところといいますか
・主人公がチート能力ではない
魔術師自体が珍しい世界のようだが、目が見えないというハンディを自動で打ち消してくれるほどではなく、魔力量が特別多い・数多くの使える魔法が使えるわけでもない
わりと一般的な等級で基礎魔法しか使えないが、クノン本人の努力・やり込みによって自力で手にした応用力を武器にしている
・主人公の環境が悪くない
途中から周囲の協力も得られて良い環境になるが、最初の印象としてはあまり良い環境とは思えなかった
だからと言ってありがちな虐げられる・放置される系の環境だったわけでなく、家族もそれなりにクノンのことを考えていて
周りの人を何も変えることなく、クノンの気持ち1つで見え方が変わったのがいい
・キャラの個性が、ギリ不快にならない
そもそもクノン自身が「間違った紳士像」を元に行動していて全女性に対して軽いのだが、そこが不快になるならないのギリギリを攻めているなと
魔術師ってのも研究者的な人種が多く、生活・人格破綻者もまたそれなりに多いが、そこも「ちょっと嫌・ちょっと迷惑」程度で抑えられている
クノン自身の目が見えないというマイナス、キャラクターのちょっとマイナスな個性を、別のプラスで補うのではなくマイナスそのものをプラスに変換するのが上手いなと
逆にクノンの国では欠けていることは「英雄の傷跡」と呼ばれて名誉なことだが、他国では「魔王の呪い」と忌み嫌われる現象であったり
視点を変えることで反転させてしまうのも上手い
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魔術師クノンは見えている