5.0
どこまでも人間のはなし
例の地獄がある世界とも間違いなく繋がってそうだなと思える場面もあるけど、これはどこまで行っても、モグラ自身も含めて「人間」の話なんだなと
ちゃんと面白くて、ちゃんと怖くて、ものすごく不気味だったりして、雑学や豆知識が仕入れられたり、あるあるに共感したり、時には精神的に抉りにくるような重たさもあって、
でも全体的にはすごく軽快で軽妙で愉快な空気で
…なんか、とんでもなく絶妙なバランスです
テーマは全然違うけど、空気感としてはハコヅメに似たバランス
重たくなるとポンっと笑いが放り込まれて情緒がぐちゃぐちゃになるやつです
あの世から出禁を食らってるモグラが、なぜ出禁なのか、いつから出禁なのかは現時点のわりと最新の方でもハッキリとはしないけど
本名や正体については始めの方からジワジワと匂わせられます
わりと早め…最初の長編エピソードが終わったあたりで正体ハッキリと明言されます
明言されただけで、どんな存在かの説明は必要な時に最低限でチラホラなかんじ
日本の神話に基づいているので検索すれば出てくるっぽいけど、この作品内で知りたいので検索しない笑
あの世へ出禁の罰を与えられる存在ってことで神とか出てくるし、
化け猫やら犬やらレッサーパンダやら、ラッコに虎にヨウムまで動物成分も豊富だし、
妖狐とギャンブル対決とかしちゃったりもするけど
基本的には生者でも死者でも拗らせた人間相手に、おせっかいに関わって人たらしを発揮する話
人間がどのように拗れていくか…その過程を丁寧に掘り下げられるのでけっこう精神的にキます
無神経な言葉、無責任な噂、属性による決めつけ、勝手に神格化してきたり逆にアンチに中傷されたり、シンプルに暴言を浴びせ続けられたり
モグラ本人が作中で語ってる通り「会話」ってすごく大事だなと
戦争や虐待など分かりやすい「壮絶な経験」も出てくるけど
「誰とどんな会話をしたか」、「誰にどんな言葉をかけられたか」で人間の方向性が簡単に決まってしまう
そんな人間の、そしてモグラ本人の闇なんかが溢れ出したり
逆に人間臭さゆえに誰かやモグラが救われたりもします
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出禁のモグラ