5.0
まさに破滅についての話
私が死んで満足ですか?と問いかけているが、その私は出てこない…わけでもないけど
"私"目線でストーリーが進むことはほぼなく、「残された人々の破滅について」の部分がメイン
・有能な人物を追放したら国/家/組織が立ち行かないので連れ戻したいです!
・追放された人が復讐を誓い破滅に追い込みます!
コレ系と思いきや、だいぶ違う
テンプレの婚約破棄や冤罪で始まっても、追放もされないし復讐もしない
そこまで進む前に、私=疎まれた令嬢ロロナが急にいなくなってしまい、疎んでいた連中はまさに満足するだけ
ロロナがなぜ疎まれていたか、なぜ婚約破棄されたか、本当に事故死なのか…陰謀とかゼロです
究極に自己中な連中が、バラバラに自分のために動いただけで策略とかないです
ロロナを思って復讐に燃える人もいるけど、必要ないんじゃ?
もはやロロナいても破滅したんじゃ?
ってくらいにマジで自滅してて、破滅ってのは要するに"破産"ですね
有能な人はまた金を稼げるけど、地位だけで能がない人間は破産するだけで破滅です
実際にロロナを疎んでいたのは婚約破棄を仕掛けた王太子と妹ルミナくらいで、一方的かつ大々的に婚約破棄した責任を取るのに金が必要
ロロナ&ルミナの両親は疎む以前に興味もない
だからってルミナだけ可愛がるでもなく、自分にしか興味がない
そして両親は、若い王太子&ルミナほどに万能感に酔いしれてもいない
歳を重ねてるだけあってか、自分の無価値加減に気づいていて使わない武力や宝石にジャブジャブ金を注ぎ
父親に至っては「完璧な娘を亡くした可哀想な自分」に価値を見出す始末
金がないどころか借金まみれ、武力や宝石を手放せば助かると言われても絶対に手放さない
「自分以外の誰かが犠牲を払え」ってスタンスで、目先の金のためならルミナの方まで売り飛ばしちゃう
物語最大の謎は、ロロナがなぜ死んだか、そもそも本当に死んだのか?という部分になるけど
残された人々の破滅はシンプルかつスピーディー
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私が死んで満足ですか? 疎まれた令嬢の死と、残された人々の破滅について