午後3時の通りすがりさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全55件
  1. 評価:5.000 5.0

    NEW
    期待できる

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    「森の魔女」と呼ばれるお母さんと、ちび魔女さんのミーシャ

    薬師として暮らしているけど、公爵家の正式な側室とその御息女(お妾さんと私生児ではない)
    ミーシャ自身も出自を知っているし、少ないながらも公爵である父親との交流もあります
    そんな公爵が戦闘で瀕死だからと、森の端っこから公爵家に

    側室がいるなら正室もいるわけで、それはそれはテンプレの浅はかで嫌な女です
    ミーシャと同じ年頃の娘もいますが母親そっくり
    親子揃ってミーシャから大切なものを奪っていく

    薬師を自称するミーシャ親子だけど、もう薬師の域を超えてます
    もはや医者、それも「中世風な世界で、近代程度の西洋医学」の治療ができる医者、ゆえに魔女です
    他の親族は出てきていないけど「森に住む一族」的な特別な存在のようです

    指揮官の公爵が重傷ってことは、それ以上に傷ついた兵がいるわけで
    公爵の治療は技術のあるお母さんが、大勢の兵士はミーシャが担当するけど…ちびっ子の言うことで最初は聞いてもらえない!
    でも少しずつ受け入れられ、頼りにされ、お母さんと2人きりの生活だったミーシャの世界が広がり、そこから更なる広い世界へ!
    というところで、まだまだこれからに期待

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    喪失が始まる

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    「下剋上」の通り、マインの身分は上がっていく
    そして上がった分だけ大事なものを失う

    そもそも第一部からして
    若くして命を落とし、
    たくさんの知識を授けてくれた母親とは永遠に別れ、
    便利な生活もなくし、
    いつ死ぬか分からない体に押し込められるという喪失から始まっているのだけど

    この話の優れているところは
    現代日本人(の中でもかなり博識な)の知識と、
    平民どころか貴族ですら敵わないレベルの魔力で、
    まるでチートにならないところ

    チートそのものは発生しているけど、チートした分の代償が必ず描かれてチートを選択することができなくなる

    ・怒りに任せて魔力で貴族を傷つければ家族もろとも処刑
    ・期待される以上の魔力や知識を差し出せば既得権益から身柄を狙われ
    ・やっと活版印刷まで辿り着けば「平民が貴族の領分を侵せば潰される」と釘をさされ
    ・賢さを見せれば危険な存在でないかと疑われ

    平民でありながら貴族待遇の巫女になれるという下剋上で始まる第二部は
    完全に「生まれながらの貴族」の身分に偽装するという更なる下剋上の結末になる
    それはつまり、マインという存在を死なせてしまい、家族と別れ別人になることを意味する

    知識しか持たず、しかも人生の途中から放り込まれた別世界で、虚弱な体を抱えながらマインが一部をかけてやっと手に入れたささやかな絆
    第二部だけでなく、三部でも四部でも、マインの身分が高くなり事業が大きくなるにつれて
    第一部で築いた絆が邪魔になってしまい、その絆を手放して喪失していく話でもある

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    しっかりとしたヒロイン

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    このヒロインは好きです
    まず、頭が良いこと
    そして、1人で抱え込まずに人を頼るところ!

    前世〜原作〜ループ〜の知識のみでゴリ押しし、考える力も事態を打開する能力もないくせに周りに隠し事して1人でどうにかしようとて
    挙句、敵の手に落ちて助けてもらってなし崩し的に周りを巻き込む無能ヒロイン(←)のなんと多いことか

    その点、この作品では隠すべき部分は隠しつつ、未来の情報を上手く話して人を動かすことができる
    1回目と2回目の情報を整理して合わせて新しい真実を見つけることもできるし、それを1人で抱え込まず未来の情報抜きで夫に伝えられる

    あと、話の流れに無理がないのがいいよね
    2回目のみならず、1回目にヒロインが結婚したくなかった理由もハッキリしているので前回はただの愚か者でした!というわけでもない

    決して「夫になる人が恐ろしいらしい」なんて噂話で判断したのではなく
    子供の頃、実際に目の前でまだ少年の夫が人を容赦なく殺害する瞬間を目撃してしまったことの衝撃
    さらにはヒロインの近くにいる腹黒執着変態男が、幼いヒロインに少しずつ事実であるかのように未来の夫の悪口を吹き込んで洗脳していた

    夫の人柄に触れ、優しく大事にされているのにいつまでも信じない!なんてこともない
    早々に夫を信じる判断をして夫と協力体制に入る

    そして周りも有能な人が多い(←これ重要)
    「話の展開のために無能がありえないヘマをする」
    これを繰り返されると、どんなに良い設定でもどんなに先が気になっても、段々と読む気が失せてしまうのだけど
    それがないのが嬉しいです

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    チートでもご都合主義でもない

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    ・転生した元日本人です
    ・結婚前日に「真実の愛」を見つけたバカ男から婚約破棄されました

    ここだけ見たらメチャクチャにテンプレのよくある話だけど、すごくよく練られた漫画だと思う
    分類としては「本好きの下剋上」にちょっと近いかな?
    おもしろくても設定の矛盾とか見つけるとすごく萎えるけど、読んだ範囲ではなかったと思う

    転生前が開発者や技術者というわけではないので、便利家電の知識があっても地頭の発想力がなければチートはできない
    だからって「超人的な頭の良さ」だけで解決もしていない
    前世の知識を活かすために今世で学び続け、トライアンドエラーを繰り返して発明品を生み出している

    商会の立ち上げや大量発注、貴族や騎士団との繋がりを得るまではトントン拍子ではあるけど
    お父さんの人柄やダリヤ自身の実績に基づいた信用もあってこそでご都合主義だなぁ…とはならない

    そして異世界ファンタジーでありながら、良い意味で話がぶっ飛びすぎていない
    魔法や魔物がある世界なのに、起こる出来事は現実世界からは大きく外れていないから共感しやすいというか?

    例えば婚約破棄男
    バカはバカなんだけど、凄まじい大バカ者ではなく絶妙にリアルにいそうなクズ加減
    彼女に対する劣等感から冷たくしたりはしないけど、彼女が輝かないように、自分を追い越して見えないように制限をかけつつ才能を微妙なラインで搾取していた
    (目立つ髪色が嫌だ、自分に並びそうな背の高さが嫌だ、彼女の作品は自分の名前で出したい)

    遠征や野営が多い騎士団、革靴をずっと履いているホワイトカラー的な職業の人まで水虫に悩まされてるとか笑

    家族関係も、親が亡くなってから知らなかった顔を知るかんじとかリアルだったな

    • 1
  5. 評価:5.000 5.0

    アニメも最高

    2025年9月6日の放送が、ちょうど無料53話らへんの話でした
    無料の続き、アニメで観られますよ
    でも残り3話くらいかな…どこまでやるのかな

    漫画の雰囲気は、もちろん怖いシーンは怖いけど過度なホラー演出は少なく、徐々に歪んで壊れていく日常をわりと淡々と描いている
    空気感としては「青野くんに触りたいから死にたい」に近いかも
    ホラーシーンも日常の延長だけど、明らかに違和感がある
    なのに静かだったり淡々としてるのが逆に怖い…みたいな

    タイトルで全部ネタバレしてるような流行りモノと違ってキャラも状況がよく分かってないので、読者もキャラと一緒に謎を解いて知っていく過程を味わえる
    高校生の日常なので、友人とのくだらない会話やコメディ要素もあって、学校行事なんかもあって

    アニメもホラー定番の大きな音で脅かしてくるかんじも、過度なBGMも少ない気がする
    合唱コンの合唱曲はオリジナルらしく、よしきと光が2人だけで歌ってるエンディングがすごく良かった
    (しまった、アニメの感想になってしまう)

    • 3
  6. 評価:5.000 5.0

    ありえなさをキャラの魅力で捩じ伏せる

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    「親の再婚で新しい家族が〜」なテンプレ始まりなのに、"よくある設定"ではないという斬新さよ

    まず「母の再婚相手の遠縁で暫定的に引き取られている男子」ってさ、義理の弟ですらないよね?
    戸籍上は全くの他人?なら恋愛的な障壁はテンプレ義理の姉弟より低いはずなのに、
    しかも最初からゼロ距離レベルに距離感バグってるのに、恋愛にならなさそうなのが逆にすごい笑
    それも、らんちゃんと栢くんのとんでもキャラあってのこと

    人間関係から逃げ回って豚の孫助さんをひたすらに愛でる自称コミュ障らんちゃんだけど、家庭内に現れたモンスターとはちゃんと向き合う(そもそも逃げ場ないんだけど)
    テンパっても頭のどこかは冷静で、ゼロ距離モンスターのスキンシップにもあまり動じないし流されない、だからって拒絶もしない
    栢くんにアワアワしつつも、唐突に冷静になってスン。とする顔がたまらない笑

    栢くんは超ギリギリを攻めたキャラで、性格設定がちょっと違ってたら漫画なのに「ありえん!ふざけるな!」ってなってしまいそうな危うい男子
    そこをギリギリで踏みとどまらせるバブみ。
    「どうせ、らんちゃんには本気で酷いことなんてしないんでしょ?」なんて楽観視できないくらいに常識が違うし色気も溢れてるけど、でもやっぱり信じたくなる不思議なバブみ。

    脇を固めるクラスメイトも爽やか純情好青年に、腹黒系あざと女子と、その他モブも濃ゆめだけど嫌なキャラが少ないのも良き

    親は…もうちょい子供の環境整えてやれよと言いたくなる
    栢くんはカウンセリング・治療・専門の教育とか必要なレベルの生育歴だと思うけど、その不安定さを全部らんちゃんが受け止めてるからさ

    家どころか学校生活も侵食されてるくらいで、下手するとヤングケアラー感が出ちゃう
    そこをまた、じわじわと成長を見せる栢くんが踏みとどまらせてくれてるんだけど

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    どこまでも人間のはなし

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    例の地獄がある世界とも間違いなく繋がってそうだなと思える場面もあるけど、これはどこまで行っても、モグラ自身も含めて「人間」の話なんだなと

    ちゃんと面白くて、ちゃんと怖くて、ものすごく不気味だったりして、雑学や豆知識が仕入れられたり、あるあるに共感したり、時には精神的に抉りにくるような重たさもあって、
    でも全体的にはすごく軽快で軽妙で愉快な空気で

    …なんか、とんでもなく絶妙なバランスです
    テーマは全然違うけど、空気感としてはハコヅメに似たバランス
    重たくなるとポンっと笑いが放り込まれて情緒がぐちゃぐちゃになるやつです

    あの世から出禁を食らってるモグラが、なぜ出禁なのか、いつから出禁なのかは現時点のわりと最新の方でもハッキリとはしないけど
    本名や正体については始めの方からジワジワと匂わせられます

    わりと早め…最初の長編エピソードが終わったあたりで正体ハッキリと明言されます
    明言されただけで、どんな存在かの説明は必要な時に最低限でチラホラなかんじ
    日本の神話に基づいているので検索すれば出てくるっぽいけど、この作品内で知りたいので検索しない笑

    あの世へ出禁の罰を与えられる存在ってことで神とか出てくるし、
    化け猫やら犬やらレッサーパンダやら、ラッコに虎にヨウムまで動物成分も豊富だし、
    妖狐とギャンブル対決とかしちゃったりもするけど

    基本的には生者でも死者でも拗らせた人間相手に、おせっかいに関わって人たらしを発揮する話

    人間がどのように拗れていくか…その過程を丁寧に掘り下げられるのでけっこう精神的にキます

    無神経な言葉、無責任な噂、属性による決めつけ、勝手に神格化してきたり逆にアンチに中傷されたり、シンプルに暴言を浴びせ続けられたり
    モグラ本人が作中で語ってる通り「会話」ってすごく大事だなと
    戦争や虐待など分かりやすい「壮絶な経験」も出てくるけど
    「誰とどんな会話をしたか」、「誰にどんな言葉をかけられたか」で人間の方向性が簡単に決まってしまう

    そんな人間の、そしてモグラ本人の闇なんかが溢れ出したり
    逆に人間臭さゆえに誰かやモグラが救われたりもします

    • 10
  8. 評価:5.000 5.0

    まさに破滅についての話

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    私が死んで満足ですか?と問いかけているが、その私は出てこない…わけでもないけど
    "私"目線でストーリーが進むことはほぼなく、「残された人々の破滅について」の部分がメイン

    ・有能な人物を追放したら国/家/組織が立ち行かないので連れ戻したいです!
    ・追放された人が復讐を誓い破滅に追い込みます!
    コレ系と思いきや、だいぶ違う

    テンプレの婚約破棄や冤罪で始まっても、追放もされないし復讐もしない
    そこまで進む前に、私=疎まれた令嬢ロロナが急にいなくなってしまい、疎んでいた連中はまさに満足するだけ

    ロロナがなぜ疎まれていたか、なぜ婚約破棄されたか、本当に事故死なのか…陰謀とかゼロです
    究極に自己中な連中が、バラバラに自分のために動いただけで策略とかないです

    ロロナを思って復讐に燃える人もいるけど、必要ないんじゃ?
    もはやロロナいても破滅したんじゃ?
    ってくらいにマジで自滅してて、破滅ってのは要するに"破産"ですね
    有能な人はまた金を稼げるけど、地位だけで能がない人間は破産するだけで破滅です

    実際にロロナを疎んでいたのは婚約破棄を仕掛けた王太子と妹ルミナくらいで、一方的かつ大々的に婚約破棄した責任を取るのに金が必要

    ロロナ&ルミナの両親は疎む以前に興味もない
    だからってルミナだけ可愛がるでもなく、自分にしか興味がない

    そして両親は、若い王太子&ルミナほどに万能感に酔いしれてもいない
    歳を重ねてるだけあってか、自分の無価値加減に気づいていて使わない武力や宝石にジャブジャブ金を注ぎ
    父親に至っては「完璧な娘を亡くした可哀想な自分」に価値を見出す始末

    金がないどころか借金まみれ、武力や宝石を手放せば助かると言われても絶対に手放さない
    「自分以外の誰かが犠牲を払え」ってスタンスで、目先の金のためならルミナの方まで売り飛ばしちゃう

    物語最大の謎は、ロロナがなぜ死んだか、そもそも本当に死んだのか?という部分になるけど
    残された人々の破滅はシンプルかつスピーディー

    • 1
  9. 評価:5.000 5.0

    ちゃんと現代的

    スマホ、インフルエンサー、ライブ配信…etc.

    ちゃんと現代アイテムを組み込みつつ、ミステリーの「お作法」もふんだんに詰め込まれてて面白い

    あとコンビがちゃんと両方とも活躍してるのが高評価ポイント!

    超優秀な探偵役に、無能か未熟なアシスタント役を付けてその人に話すテイで読者に説明を入れる…みたいなかんじではなく

    推理力、知識、記憶力、計画性、コミュ力、人脈
    探偵に必要な要素がいい感じに2人に振り分けられてる

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    とても貴族らしい話

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    主人公メルフィーナは産まれた時から受難続き
    (母親が旅先で産気づいてしまい、血統を重視し、赤子の取り違えなどを警戒する貴族としては産まれを保証されなかった目障りな娘だったとか)

    適齢期に入ったら即結婚話が進められ、結婚を命じられたその場で嫁ぎ先の公爵家へ向かう馬車に押し込められ

    途中で事故ったりしながら長い旅程を終え、結婚のための手続きやら儀式も終わってやっと一息ついたら「妻として愛さない」と放つお決まりの夫

    そんな夫に用はないとばかりに領地を譲り受け、また長時間馬車に揺られてその土地へ……
    という話が終わるまで、転生ものだとは全く悟らせなかった

    公爵家への道中で発生した事故によって転生前の記憶を取り戻し、「ハートの国のマリア」だとかいうゲームの世界だと気づいたメルフィーナ
    冷酷夫はそのゲームの攻略対象で、つまり自分はそのルートの悪役だと

    ハードモードをクリアするにはかなりの知識が必要という雑学王ゲームをやり込んだ主人公は、自分のため領民のために領地改革を行う

    ただの領主・代官ではなく、貴族夫人としての身分は役にも立ち邪魔にもなり
    公爵家から着いてきた騎士や侍女との距離感も難しい
    農業改革のためには農奴という制度が立ちはだかる

    主人公も認める
    「魔石によって家電のようなものがあり、貴族や都会の中流階級までなら便利な生活ができるご都合主義なファンタジー」という部分以外は
    とてもリアルな身分制度と生活環境が描かれていて

    前世の記憶によって貴族としての枠組みから外れた主人公が1番貴族として領民のことを考えていて皮肉だね

    • 1

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