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皇太子からの求婚を嫌いだからとバッサリ断り、顔がいいからとカッセルを婚約者に選んだ6歳のイネス。
子供らしからぬ落ち着きと黒づくめの地味なファッション。年齢相応なお子様のカッセルは婚約してからずっとイネスに振り回されている。
成長してからもカラスのようと言われるほど、いつも黒一色の装いで笑顔もなく、社交界でも敬遠されている。
そんなイネスが苦手なカッセルは、軍隊に入り、結婚を引き延ばす。そして国一番の美貌と身体を武器に後腐れない派手な女性関係を続けていた。イネスにはばれていないと思っていたのだが、実はイネスは以前からカッセルの浮気を知りながら黙認しており、結婚してもお互い自由でいようと申し出る。
もしやイネスにはすきな男がいるのでは、と疑心暗鬼になったカッセルは、急激に他の女性に興味を失い、イネスに執着し、今まで引き延ばした結婚を急ぐ。
その結婚式や披露パーティでのイネスの別人のような華やかな美しさや社交慣れした笑顔に、皆が驚き、カッセルも目が離せない。そして結婚してからは、イネス一筋に溺愛するようになる。
国一番の令嬢のイネスが、皇太子を断り、美貌が取り柄のカッセルを選び、女遊びも黙認し、子供時代から黒づくめで地味にしていた理由。
それはイネスが3回目の人生だったから。これまでの2回の人生はともに不幸な結末を迎えていた。
3回目こそ、不幸な未来を避けようと子供時代から計算して婚約者も選んだ。
浮気者を選んだのも好き放題に浮気させたままにしていたのも、計算のうち。しかし、イネスが予想できなかったのが、カッセルがイネスに本気で惚れたことだった。
今度こそ、イネスは幸せになれるだろうか。すごく楽しみです。
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この結婚はどうせうまくいかない