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貴「腐」人ローザであるのがミソ
ヒロインは、貴婦人でなくて、貴腐人である伯爵令嬢ローザ。BLジャンルなんて存在しない世界で、独り、男×男の愛の腐に目覚め、腐女子として、道なき道をゆく。
腐女子としてBLを世に広めんがため、又美しい義弟を押さんがための腐行動は、何故かすべて周りから清らかさと慈愛に満ちた行動と誤解され、聖女扱いされていく…。
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ヒロインは、貴婦人でなくて、貴腐人である伯爵令嬢ローザ。BLジャンルなんて存在しない世界で、独り、男×男の愛の腐に目覚め、腐女子として、道なき道をゆく。
腐女子としてBLを世に広めんがため、又美しい義弟を押さんがための腐行動は、何故かすべて周りから清らかさと慈愛に満ちた行動と誤解され、聖女扱いされていく…。
まず、広告に出ていた絵の美しさと画力、男性2人が組んで踊っている!?というインパクト、映画化されるという話題性から読み始めました。
社交ダンスは、詳しくはないけれど、わりと興味のあるジャンルではありました。
読み始めたら、もうこれが、引き込まれる惹き込まれる。面白い。
社交ダンスの中で、スタンダード(優雅に踊る方の)と、ラテンダンス(情熱的に激しく踊る方)のそれぞれのチャンピオンが、自分とは違う領域に足を踏み入れるべく、教え合う。ぶつかり合い、反発し合いながら、上達し、惹かれ合っていく。
ダンスの専門用語は一杯出てきますが、予備知識ゼロでも大丈夫。分かっても分かっていなくとも、面白く読めます。
現代人が大公令嬢として異世界転生とか、いずれ弟と夫がBL展開になるという設定とか、当初の設定は色々ですが、大公令嬢として転生したヒロインが、呪われた公爵家の公爵と結婚して、嫁ぎ先で不思議な男の子と女の子と出会う。その2人こそ、呪われた公爵家の謎の核心となる双子だった。この双子を庇護し、懐かれながら、ヒロインは公爵家の謎にふれていく。夫公爵とも仲がよくなりそうな気配?
読み進めていくと、当初のBL設定はどこに行った?という感じです。
両親を亡くしておじ夫婦のところに引き取られ、こき使われて育った瓶底めがね少女。唯一自分を可愛がってくれた祖母の葬儀の日、いつもいじめてくる従姉妹とともに、異世界に聖女召喚されてしまう…。
瓶底めがね少女、実はメガネを取ったら超美少女!しかも、本人に自覚なし。自覚がないのと、周りの反応のギャップが面白い。彼女を異世界で引き取ってやった第二騎士団長が、眼鏡を取った彼女の美貌に気づき、当然惚れてしまうも、周りに美貌がバレないよう眼鏡をかけさせ続けるのも、カワイイ。
逆境ヒロインが湿っぽくなく前向きなので、お話のトーンも明るいです。
「はいからさんが通る」
例え作者名を知らずとも、この作品名を知っているという人は、老若男女を問わず多いのではないでしょうか。矢絣柄の着物に袴、ブーツ、髪にはリボンという、「はいからさん」スタイルを昭和に再び流行させたり、実写映画化までされたり、宝塚歌劇でも舞台化されたり、世間に与えた影響は計りしれず。
実際に百年に一人の藝妓と呼ばれた、実在の京都の芸妓の伝記に基づく、一人の舞妓、成長して伝説の芸者となった女性の物語です。実際の芸妓の体験に取材しているだけあって、リアリティがありつつ、かつ大和和紀らしいヒロインらしさもあります。
舞妓さん芸者さんの世界を知りたい方の入門書としてちょうど良いでしょう。
かつて、大古典『源氏物語』といえば、大学の権威ある教授やよほどの古典通のみがその全貌と真髄を語れるものでした。大概の者は、「桐壺」の巻から読み始めても、「須磨」の巻あたりで挫折したことから、「須磨源氏」などと揶揄されたものです。
それが、『あさきゆめみし』の登場により、『源氏物語』全巻の物語や登場人物が、鮮やかに分かりやすくイメージを伴って立ち上がって来たのです。『源氏物語』と平安文化の普及と理解に、これほど役立った漫画作品はかつてなかったでしょう。
自由奔放な行動力のあるヒロイン像は「はいからさんが通る」に近く、明治の日本とアメリカを股にかけてヒロインが活躍する様は「ヨコハマ物語」にも近く、両作品を足して2で割ったような作品です。
「あさきゆめみし」を別格的作品とすれば、大和和紀さんの作品の中で一番好きな作品です。
明治時代の横浜とアメリカを舞台に、2人のヒロインと、2人の男の愛と運命が交錯する大河ロマンです。
ヒロインが非常にたくましく、かつ優しさももった伯爵令嬢です。領地経営ができる手腕を発揮して、傾きかけた嫁ぎ先の公爵家を立て直していきます。
ヒロインのオパール伯爵令嬢は、独身時にいわれなく不審者におそわれ、そのせいで身に覚えのない悪評を立てられます。父親の命で、傾きかけた公爵家を救済する代わりに、公爵家に嫁ぐのですが、嫁ぎ先の冷遇ぶりが半端でない。悪評を信じ切っているプライドだけ高い公爵に、堂々といじめてくる侍女やメイド達。更には、屋敷を牛耳る居候婦人とその娘までいて、屋敷はその居候親子を中心にまわっている。
こんな公爵家、救う必要なし!と思うのですが、ヒロインは、憎まれ役を買って、公爵家と領地を立て直していきます。
設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています
貴腐人ローザは陰から愛を見守りたい