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センスがものを言う世界なのは漫画も同じ
まず、元パリコレモデルだったという女性が魅力的に見えない。故に、その彼女が着ていた服もあまり素敵に見えない。そして致命的なことに低身長でもショーモデルになってやるというヒロインがどうしても魅力に欠ける。強気で野望むき出しでパワフルなところは凄く良いし、少年漫画によくいる口の悪い俺様タイプの主人公が女の子になっただけなんだとは思うのだが、この子の言ってることにはデリカシーというものがない(この手の若くて美しい女性は実際に多い。そこがリアルっちゃリアル)。言葉が悪くて素直になれないだけで実はいいところがあって、みたいな部分も皆無。もしリアルにいたら、とても応援をする気にはなれないだろう。しかしこの世にはこの上もなく傲慢で自己中心的なくせに、性格の悪さの全てを凌駕してあまりある魅力をもつ、天才という名の魔性の生き物がいる。そんな、人を惹きつけてやまないモノ、光るモノがあるんならとっくに他のモデル事務所で取り合いになっとるが、残念ながらヒロインはそうじゃない。デザイナーで死ぬほど性格の悪い柳田?なる男が出てくるが、こいつが正にそういう魔性の才の持ち主だ。人格はクソだが、美を作る手を、他の人が渇望するものを持っている。
あと、おしゃれにうとい新人編集者の女の子の話、やはりこのキャラクターにあまり魅力が感じられない。ストーリーの邪魔にしか思えない。また、人体の美しさや洋服のディテールの美しさもこの漫画だとあまり感じられない…ファッションウィークでランウェイを歩く高身長の外国人ショーモデルというのは、どれもギリシャ神話の女神みたいな美しさがある。それなのに、たとえモブでもこれはないだろう、ってくらいテキトーに描いている。洋服も…モデル会社社長やらデザイナーやら業界関係者といったキラキラした人々の着ている服が、おしゃれとはとても言い難い。多分モード雑誌や映像で勉強し頑張って描いてるんだろうけど、画力が追いついていない。世界観を楽しみたくてこの漫画を読み始めたのに、少々期待はずれだった。
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ランウェイで笑って