4.0
心配りが出来るから「お構いなく」と言える
はるさんは人をよーく見ている。そして智子も人をよーく見ている。2人ともお互いの良さにきちんと気づいてる。2人は変人でも何でもない。2人とも、他人というものを尊重する成熟した大人だ。2人の違いは、はるさんは「あなたは間違ってる、だからすぐにやめろ」と他人に主張することに全くためらいがない。智子は他人と波風を立てないことが最優先。自分さえ我慢すれば、と耐えてしまう。はるさんとは真逆のメンタルだ。(リアルでもこれが一番、無神経な奴を増長させてしまう原因なんだけど)ファッションや生活スタイルにも2人の性格はそのまま表れている。はるさんは智子のことを(恐らく他の人のことも)よーく見てるから、「あ、今日はメイクも洋服もいつもと違う。おめかししてるな」と気づいたら速攻でそのこと自体を賞賛する。それがどんな服やメイクだろうと、「いつもと違うことにチャレンジしてみよう」という智子の心意気こそを愛で、応援し、「素敵なコーディネート」と心から賛美するのがはるさんなのだ。まさにこれこそが「粋」というものである。もし智子のファッションが、同僚の2人の言う通り「オバ見え」なるものであったとしても、センスださいなーと心の底では思っていたとしても、智子がもっと魅力的に見える服装があると知っていたとしても、智子が自分に助言を求めるまでは、それを言わないでおくのが「大人」のやり方であり、心配りというものだ。そしてもし、彼女たちが友人なら、智子の性格を普段からよく見て、どういう風なエスコートなら彼女の心を尊重し傷つけないようにアドバイスできるかを考えることができるはずなのだ。新人との体型の違いの引き合いに2人を並ばせて笑いをとるなんて無神経な真似は、絶対に友人のすることではない。人の外見しか見てない薄っぺらな人間の言うことを、はるさんは鼻で笑い、切り捨てるだろう。智子もそんな人間たちの言葉に傷つくことはもうやめて、余計な忖度を手放して自由を得るべきだ。とまあ、そういう展開だと嬉しい。いつか「お構いなく」と笑って言える智子が見たいね。
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各位、私のことはお構いなく