赤い雲さんの投稿一覧

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61 - 70件目/全121件
  1. 評価:5.000 5.0

    オリンピックは平和の祭典

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    テレ東でやってた粘土アニメ「別冊」を先に見ました。パンデミックのせいで日本のオリンピック需要が全部ポシャってしまったのがまた、あのアニメのトホホなテイストに合ってて良かった。ほとんど狂気を感じさせる熱唱の「ウィリアム・テル序曲」のオープニングから、吟遊詩人ホニェーロスの古代ギリシャトリビアつきのエンディングまで、5分間とは思えない、最高に濃くてバカな内容。(謎のお菓子トリヨンの歌は私のヘビロテ)片桐さんの演じるドケチでせこい村長のイメージがあったので、原作を読んだ時に「あれ?原作、村長まともな人だ」と驚きを隠せませんでした。
    アニメの話ばかりしてしまいましたが、この作品も本当に凄い漫画です。「テルマエ」はローマという大文化都市、タイムトリップ先は現代、西暦2000年代の日本。ローマ帝国至上主義の真面目で仕事熱心な堅物男の技師ルシウスが主人公。風呂がテーマなのでタイムトリップは水、またはお湯の中でした。今回の舞台は古代ギリシャ。タイムトリップ先は東京オリンピックで盛り上がっている1960年代の、おそらく東京の住宅街。ギリシャ文化を研究する大学教授かなんかの家にお邪魔します。気が弱くて内気で争い事が嫌いなオタクの職人デメトリオスが、雷や花火といった眩しい光(ゼウスの武器は電撃)がキーとなってタイムトリップします。テルマエファンにとってもたまらないです、こーゆーの。テーマがスポーツだからなのか、オープニングからギリシャの太陽と大自然の中でのびのびと躍動する身体、そしてデメトリオスの笑顔がとても開放的でこの作品を象徴しています。東京オリンピックで沸いていた当時の東京の人々の、明るく楽観的な様子も和やかで、デメトリオスの心を癒します。老学者先生の解説もいいですね。特に盆踊りの回。そういう意味があったのか、とこの漫画でしみじみ理解しました。今生きている人の楽しい様子を見せることが、死者への何よりの捧げ物であると。東京2020の閉会式も盆踊りやってましたけど、悪いけれどアレ見てもなんか何ひとつ刺さりませんでした。どんなに大掛かりなことをやっても、伝える力が上っ面では決して伝わりません。この作品では、気弱なオタク青年の心情を通して、楽しそうにスポーツに興じる人々の笑顔を通して、世界平和を一途に願う強い思いがきちんと伝わります。あと、デメトリオスの萌え絵の壺、欲しい!

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  2. 評価:4.000 4.0

    大正モガ版「風と共に去りぬ」?

    大正モガファッションや、当時のアールデコ調家屋といった細部が丁寧で良かった。女性は下ぶくれ気味のややぽちゃで、大きな目とぷっくり唇、うーん、どうかな?と思ったけどリアルでこういうタイプの可愛い子ちゃんいるな、とだんだん慣れてきた。男性の顔がまだ今ひとつ馴染めない。でもストーリーはしっかりしてる。時代考証も無理がない。(最近やたら目につく転生だ溺愛だ略奪だ令嬢だ貴族だのを試しに読むと、騎士とお姫様が令和のサラリーマン上司とOLのやりとりみたいな庶民的な会話をしてたり、メチャクチャな時代のドレスを着てたりする。漫画だから描きたいから好きなモノ描きたいだけだから「何でもいい」ってわけじゃないんだよ。漫画だからこそ、王子様や騎士や伯爵や領主が出てくるのなら、そういうのが好きなら、少なくとも歴史ちゃんと勉強してから描いて他人に読ませてみてって思う。絵が下手なのは我慢して読み続けるけど、浅い世界観はその場で即閉じる。どうしようもなく萎えるのだ)主人公の才気がこの後、夫の右腕になって商売へと発揮されるのかな?主人公は慧眼の持ち主で、たとえ肉親といえど他人の声やウワサは信じない。自分自身の目で見た感性と信念のままに、言葉を発する。夫が初対面で彼女のそこに惚れたのがいい。あと、憧れの人の自分への一言で、その本性を喝破した時も良いなと思った。普通の女の子なら恋をしてるとき、なんか引っかかってもまあいいか、と許しちゃうし、好きな人の言うことだからとポジティブに捉えようとしてしまう。それが無いのがいい。

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  3. 評価:4.000 4.0

    いじめの漫画って本当に色んなバリエーションがあるね。それだけ深刻化してるってことね。知識は確かに必要。中学生、高校生は自分にとって都合の良い屁理屈こねる年代なんだけど、いじめられた側にとっては知性こそが力になる。

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  4. 評価:5.000 5.0

    犬馬難鬼魅易

    レビュータイトルは中国の故事。皇帝から「何を描くのが一番難しいか」と問われた宮廷絵師曰く
    「犬や馬といった、誰もが見慣れているありふれたものはごまかしがきかないので描くのが難しい。ゆえに、鬼のような化け物などは描くのが容易です」。
    猫もまた、どこにでもいる見慣れた生き物ゆえに絵描きの画力が問われる対象物であろう。デフォルメしてかわゆく描かれたり写実的なリアルタッチで描かれたり擬人化されて二本足で立ったり、漫画の中に無数に登場するさまざまな猫を見てきたが、漫画の中の猫はなぜか、必ずどこか違和感を感じることが多い。私の中の、「猫」という生き物へのイメージが強すぎてそうなってしまうのかもしれない。
    ヤマザキマリさんも、猫と作家をテーマにした対談集の中で、猫を描く難しさについて語っておられた。それを読んで、強すぎる愛が絵の邪魔をすることもあるのかも、と思った。

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  5. 評価:5.000 5.0

    豪華絢爛という言葉はこの漫画のためにある

    各メンバーで一番好きな回
    ・清四郎→悠里と婚約する回。清四郎の合理的すぎて冷たくてやや傲慢なところ、実は結構やなヤツ?なところがよく表現されていたと思う。でもやっぱり秀才は天才に敵わないのよね…・弥勒→グループ内で喧嘩して、3-3で敵と味方に分かれてクイズ大会に出場する回。常日頃から清四郎へのわだかまりが溜まってたのが爆発。いつもらクールで飄々とした弥勒の人間臭いとこが見られて良き回だった。・美童→豪華客船旅行中の船上パーティーで、自分にそっくりのプリンセスに一目惚れしちゃう回。「僕はしがない大使の子」とかなんとか言いながら己に酔いしれてたな。美童はナルチシズムの権化だが彼女はそうではなかったというオチがいい。・可憐→中東の王子様と恋に落ちる回。イケメンの玉の輿に乗れるビッグチャンスだったが、さすがの可憐も野望のために一夫多妻制を受け入れることはできなかった。・野梨子→小等科〜中等科時代の有閑倶楽部の回。「わたし 宝石を見つけたわ」の笑顔がキラキラしてて素敵。・悠里→和尚の初恋の女性の霊に身体を乗っ取られる話。やたら積極的になり、乙女の表情がカワイイ。
    登場人物全員がお酒の名前ってのが本当に気が利いてる。黄桜、白鹿、剣菱など、その名のイメージと容姿がピッタリ。特に美童(ビドー)!よくぞ!って感じ。一条先生の美的センス全開である。
    この漫画の最強キャラは、やっぱり悠里のお母さんだろう。初期のお母さんは悠里を心配して涙を見せて狼狽する上品なマダムだったが、途中からなぜか風格と迫力出まくり。夫と娘の命を救うためなら大物ヤクザの家にも単身乗り込み、顔色一つ変えずにガチのロシアンルーレット勝負を受けて立つ男前に豹変を遂げた。美童のおばあちゃんもキレると過激だったし(斧を振りかざして家宝の家具をブチ壊す)、ええとこの奥様が結構エキセントリックなのも有閑倶楽部ならではだったなー。
    あと、ファッションが素晴らしいのよね。聖プレジデント学園の制服がオシャレ!男子の夏服が蝶タイなとこがかわいかった。

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  6. 評価:5.000 5.0

    蘭丸くんの健やかさが割と救いです

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    とにかくヒロイン2人の格差がひどい。「お嬢さまのシオちゃんが没落と共に闇堕ちしてゆき、健気で貧乏なモエちゃんがスターダムにのし上がるの?」と思わせといて、実はモエちゃんの方が闇堕ち担当。貧乏になった直後、シオちゃんには超太客の若社長が近寄ってきて、金にモノ言わせて婚約者という名のパトロン契約をしてくれます。美しいけれども人に対して無関心無愛想だったシオちゃんは、逆境の中で少しずつ人の情けを知り、自分自身のドロドロの嫉妬心を知り、承認欲求の渇望も知り、プロとしてお金を稼ぐ厳しさも知り、叶わぬ恋の苦しさも知り…と、結果的に人間的に良い方へと成長してゆく。対してモエちゃんは成長というよりは、意地悪した人に仕返ししたり、シオちゃんに嫌味を言ったり、ドンドンすれていっちゃう。いや、この子はシングルマザーの母ちゃんが超アレだし、小さい頃からお金の苦労してて気の毒だとは思うんだけど、恋人にすると重すぎてめんどくせえ女じゃないかなあ。押し切られてやっちゃってましたけど若社長。「男ってこういうタイプの女に情で迷うこともあるもんなのよ」と一条先生に諭されてる気もします。にしてもな、この2人の留学先での雲泥の差よ。ホントに一条先生、残酷。モエちゃんのイタリア留学先は、下宿が手違いで住めない、大家はアバウトで責任取らずにモエちゃん放り出される、しかも下宿先手配した若社長んとこは完全シカト。これだけでも相当不運なのに、こっから更に…ちょっともう…言葉を失うほどの人間不信トラウマ確定コース。片やウイーンのシオちゃんは、若社長の秘書が同行して何もかも手配してくれて、特別枠の空席オーディションにも合格して、豪華なアパルトマンで留学生活のスタートを切るセレブコース。その後もなんやかんやで良い師匠に巡り合い、仲間もでき、チャンスを掴むために必死で努力し、報われてゆくとこは心があたたまります。
    しかし、問題は賛否両論のラストです…さすがはあの「デザイナー」の一条先生、「砂の城」の一条先生ですよ。一筋縄の単純なハッピーエンドにしていただける訳がございません。いーい感じにモヤモヤ〜っとする終わり方なんだよなあ。まさかのモエちゃん●●!私同様に驚嘆した読者も多かったことと思います。
    ちなみに私の推しは、蘭丸くんが弟子入りする境界性人格障害ぽい天才女性ピアニスト。こいつの性格マジ最悪笑 でもそこが好き笑

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  7. 評価:3.000 3.0

    私には絵が合わなかった

    全ての漫画に共通するけれど、絵だけは人の好みがきっぱり分かれます。漫画だから致し方ない。とりあえず私がバレエ漫画に求めるものが、ここには無かった。レビュアーさんの中には有吉京子さんのSWANを例に挙げてる方がいましたが、あれは別格です、SWANの絵はもうほとんど美術館クラスの代物です。ただ、バレエ漫画を読みたい人の多くが既にもう「SWAN」や「アラベスク」を知っていて、無意識にあの画力と同レベルを期待してしまう、そのことだけは覚悟しておいて間違いないのです。しかし尚、それでも全ての、「バレエ漫画を描きたい」漫画家さんは、その志を止めずに書き続けていって欲しい。ダイヤモンドは最初はどれも土に埋まってます。掘って掘って掘りまくり、磨きに磨きあげなくては、ダイヤモンドにはならないのです。

    • 2
  8. 評価:5.000 5.0

    推しは近松かなー

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    これはカッコいい。主要メンズが全員男前。杏ちゃんは可憐で玉緒さんは凛々しい。課金一話のポイントが他に比べてダントツ高いけど、それも仕方ないなと思わせるクオリティ。新宿に出てきたばかりの謎の田舎者・雪人の正体が割とあっけなく明かされたので、そこで一回拍子抜けしたが、ぐいっぐい読ませられた。実際のヤクザはきっと、近松みたいな微妙な立場の外様幹部がリアルなんだろうなと。でも、何も考えず宮本を押しのけてのしあがって行けばいいのに、宮本へのリスペクトが捨てられない、自分ではなく憧れの宮本こそ組の頂点に立って欲しい近松が、良いんだなあ。自分のこれまでの苦労を無にされたってキレて、住み込みの屈辱を味わわせてやんよ!って、愛憎引き裂かれまくりよね、そんでそう言いながら、宮本が自分の下で頭を下げる姿を他の幹部に見せるなんて絶対に嫌ああー!ってのが泣かせるのね。なんだ結局男が惚れる男・宮本がイケメンすぎるよ!って話になっちゃうのね。

    • 1
  9. 評価:4.000 4.0

    エイジがイケメンすぎるぞ

    こんなイケメン教師いたら、ミカちゃんならずともJ K全員毎日学校行くのが楽しくて大変ですって。光岡先生(コレどっからどう見ても及川ミッチーですよね)と2人並んでるとこも良い。比呂志に寄り添ってるのも良い。わかってる、この作品は美形♂が沢山出てくるし、なんなら抱きしめてあげたりもする(ヒロシ×サイコ少年)けど、同性愛の香りがしないのだ。絵や台詞がどこかしら健全なのね。(思えば「エロスの種子」も性愛を描いているのにエロさはなかった)ただ、ちょっとだけ気になる点がひとつ。重箱の隅をつつくようで恐縮なのだが、比呂志さんの部屋が、2階? 転んでも自力で車椅子に這い上がれるし、お風呂もトイレも1人で出来るというのもわかった。だけど、2階⇄1階の階段の上り下り、車椅子だと無理だな。車椅子の昇降機が階段についてるとかそんな感じでもなさげだし。もちろん一旦車椅子から降りて、這って階段を登ったり降りたり出来るんだとは思う。それなら時間はかかるけど、1階と2階に一台ずつ車椅子を常備しておけばいい、と思うは、思う。でも、それ、実際にはかなり危ないよ。別に揚げ足を取るんじゃなくて、障害者がいた家庭の人間だから単純に疑問に思ったのよ。うーん、キッチンダイニングなども2階にあるのなら、比呂志さんは滅多に外出はせず、ずっと2階で暮らしているのかな…もしかして家屋用エレベーターを設置した家なのか?これから読んでいくうちに、そのへんの描写があることを祈る。

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  10. 評価:5.000 5.0

    あたたかい人

    第一話が畳み掛けるように早足で、ちょっと性急な感じで、哲司くんと同じくらいパニックになったけど、状況と設定が少しずつなんとか頭におさまった。成仏とか天使とか、宗教が混ぜ混ぜだけど、まあこの程度なら良いと思う。全てのキャラが深く魅力的だけど、特に哲司くん。最初、読者の誰も、見るからにモブなこの男の子がキーマンになるとは思わない。それが、凪の一言「あなたの魂はとてもきれいなのに」ハッとしましたね。私たちの曇った目では見えないものを、凪は教えてくれる。そして普通の漫画なら、凪のお相手はどう考えても嵐でしょう。嵐本人もそのつもりだったでしょう。いや、おみそれしました。

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