4.0
おもしろい
信長っぽさと犬っぽさがうまく合わさってて、日常のドタバタ劇が素直に笑える。
他の武将たちも犬になってて、みんな個性的。
歴史上の関係性やエピソードも盛り込まれている。
みんなで昔話も交えつつご近所づきあいしてるみたいなばかばかしさが楽しい。
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12374位 ?
信長っぽさと犬っぽさがうまく合わさってて、日常のドタバタ劇が素直に笑える。
他の武将たちも犬になってて、みんな個性的。
歴史上の関係性やエピソードも盛り込まれている。
みんなで昔話も交えつつご近所づきあいしてるみたいなばかばかしさが楽しい。
心理状態がとてもうまく表現されていると思う。
個人的には、主人公より相貌失認の先生の方が気になる。
人の顔が判別できない。それがどれだけ生きることを難しくさせてしまうか。
周りの人とは見え方そのものが違うのだから、感じ方も、考え方も、できることも、いろんなものが違ってくる。周りの人とはズレてくる。
空気読めないどころじゃない。でも、人はそれを無意識に、できてあたりまえとおしつける。
周りの人には一見普通の人に見えるし、違うのだと理解したとしても、実感としては理解できないだろうから、日常の些細な場面でうまくかみ合わないことが多々起きる。責められることもある。わけがわからないだろうし、劣等感や大きな孤独を感じながら生きることになる。
それでも、教師の道を選んだ先生の方が気になる。
失踪者を探すサイコメトラーの探偵。
本人も失踪者で助手は戸籍のない女の子。
この設定だけでもかなりミステリアスで、いろいろありそうな意味深なことばも出てくる。けど、その真相はなかなか描かれてない。最終話までに明かされる気がしないのだけど・・・。
依頼に来る人たちはみな複雑な事情があり、意外な展開もあり、伏線というより含みをもたせる感じが多い気がする。
ちょっと時間が前後する場面が混乱したり、詰めが甘いようなところもあるけど、おもしろい。
他人に相談できる人なら、もっと信頼できるところとか専門的なところに相談するんじゃないかなと思う。
他の悩みとは異質で、人に話すには相当勇気がいる。簡単に他人に、ましてや初対面の人に言えるものではない。
死を実行するほどまで追いつめられる人は、誰にも相談できないから追いつめられてしまうと思う。
商売や趣味で人生相談受けてる人が必ずしも良いとは限らないけど、知識や技術面でも人としての対応にしても、雇われてる公務員がそこまで信頼できるイメージがない。
本当に真剣に向き合ってくれる人もいるかもしれないけど、話の中にも出てきてたけど、役所ができることは少ないのだろうし、デリケートな問題だし。
言い方悪いけど、商売なら積極的に集客活動して、結果が出るよう努力もするし、結果救われる人も多くなると思うけど、役所は基本的に「やってます」程度の受身なんじゃないかな。
とても的を得たタイトルだと思う。
誰もが加害者にも被害者にもなり得るネット上のトラブル。
みんな書いてるから、身バレしないから、一方的に言い放てるから、つい気軽に書いてしまう。
本当に怖いのは、真偽も確かめずに、コイツは悪だと偏見の正義を盾にして叩くことをおかしいと思わない人が多いということ。
人より優位でありたいのは人間の本質だけど、それを誰かを貶めたり、攻撃して得たりもする。
悪人はやっつけても許されるという世の中の暗黙の了解と、ネットの手軽さが、本人の判断を狂わせる。
具体的な状況や手続き、被害者側、加害者側の心理など、リアルに描かれていると思うけど、読んだ人が自分にも起こり得ることだと実感するのは難しいと思う。
自分の身に降りかかるまでは、しょせん他人事の感覚しか持てないのが人間。
酷い扱いから政略結婚して幸せになるというよくある設定のようだが、甘い恋愛系ではない。
ホラー系かと思うほど、悪が徹底的に異常で気持ち悪い悪に描かれている。さらに、主人公親子は何も悪くないのに異常に不幸。それが善を強調しなくても、普通であるだけで良くみえて、嫌味がなくスッキリしている。
悪役たちはその言葉も振る舞いも表情も、救いようがないほど強烈に悪く、主人公や公爵のまともさが安心感を与える。
主人公の生育環境も、名前すらあたえられないという異常さだが、裏にある母の真意、深い愛情がちゃんと主人公に伝わっていて、残酷な環境のなかでの救いとあたたかさを放つ。
恋愛ものでありながら、異常性、残虐性が強いので、主人公や公爵のサバサバした賢さ、甘すぎない優しさが全体の雰囲気にピッタリ合っていると思う。
主人公マオマオのキャラが絶妙。
薬や毒への好奇心、賢いのにとぼけた性格、超イケメンエリートのジン氏にナメクジをみるようなカオをするとか、魅力的で愉しいキャラ。
そのマオマオのことが好きで、翻弄されるジン氏とのやりとりも愉しく、どうなるの?!とワクワクする。
愉快なだけでなく、それぞれの事件と全体のまとまり、背景にある影や意外な展開など、物語もしっかり読みごたえがある。
篠原さんといえばサスペンスで、心理的にささる残酷なシーンも多い印象だけど、この作品は、女王に命を狙われるという形でサスペンス要素はありつつも、残酷さはあまりない感じ。
身近な人が操られたり、殺されたり、主人公が男に襲われたりはお得意のパターンだけど、作品全体を通して、篠原さんらしいシュールさ、ブレない世界観、主人公の聡明さや芯の強さなどは篠原ワールドという感じで、ファンにはたまらないだろうし、ファンではなくても惹き込まれていく。
どのキャラも精神的にオトナで、甘ったるくない深い恋愛模様も魅力。
主人公の見栄も健気さもかわいいし、普通の女子高生らしいキャラや揺れる気持ちが素直に共感を呼ぶと思う。
つきあってからが、オオカミ少女でも黒王子でもなくなってしまうので、物語の土台設定があまり活きてないのが残念。
普通の人間だったのに、事故の治療としてグールの体にされてしまった主人公。
心は人間らしいままだから、まず、人間しか食べれないことへの凄絶な苦しみに襲われる。
人間があたりまえに持つ、命の尊厳、人を食べることへの嫌悪、グールとしての飢えと渇き。
人間でい続けようと、もがく主人公。
グールと人間の違いは食べ物と力。
グールだって人間のように心があり、いろんな者がいて、人間を餌としてみる者や、好戦的な者ばかりでなく、人間の命を奪うことを嫌う優しい者もいるし、家族や仲間もいて、種族を超えた大切な絆を築く者もいる。
グールにも人間にも、相手を虫けらのように見下す快楽主義的なのもいる。
グールも人間も変わらない。
補食する側とされる側というだけでなく、心理的な優劣、恨み憎しみなどが複雑に絡み合うグールと人間の関係。
グールと人間がお互いに尊重しあって共存していくことはできないのか?そんなテーマがみえてくる。
そして、猟奇的なグールによる強烈な体験が、主人公を覚醒させる。
設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています
織田シナモン信長