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加害者も被害者も生まないために
以前のテレビで鑑別所のドキュメンタリーを見た。今までのセオリーが全く通じないことが多くなってきているとの内容であったが、今や入所者は発達障害者や軽度知的障害者がほとんどを占め、従来のプログラムや対応では彼らたちに全く通じず、現場の教官たちが頭を抱えていた。貧しさで盗みをしてしまったような健常児を収監していた昔は、叱咤激励したり、一緒にがんばろうと一体感を持たせることで更生に導けたようだが・・、発達障害の場合それらのやり方は響かないどころか逆効果のことが多い。それらはわかりにくい感情を基にしているし、みんなと一緒も苦手分野だから。
見通しを持てないから「今」のことだけで判断する、相手の気持ちや意図など目に見えないことを想像する力が乏しい、そんな特性で犯罪を起こしてしまうし、繰り返してしまう。罰ではなくまさに障害に合った支援が必要なのだが、実際自分や家族が理不尽な犯罪被害に遭った時は犯人に対して、きっと支援ではなく罰を望むだろう。
そういう意味で加害者も被害者も生まないよう、障害を早期発見し、本人に普通を求めず、比べずそれぞれの発達に合った療育や教育が必要不可欠で、そんなわが子を受容できるよう親側の支援も急務と感じる。
犯罪者の多さは療育・教育の貧しさだとも言えるのではないか・・。
このような作品が多くの人に読まれて理解が広がることで支援体制が豊かになることを願う。
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