親の因果が子に巡り」と云う言葉の通り、この作品の中には親のせいで苦しむ人物が多くいる。前王妃と前公爵の逃亡劇で引き裂かれたルウェリンとアルマン。教皇に兄弟を奪われ続けたエルネル。王太后の為に王の座に縛られているバスティアン。そしてまだ幼いディアン王子。
ディアンの本当の父親は54話で名前だけ出ていたカレン伯爵家の三男オーリ。二人の様子を見るに、オーリは息子のディアンを愛しているし、ディアンもオーリを慕っていたんだろう。けれど父子の関係は引き裂かれた。王妃の座を狙うヴィヴィアンとモード伯爵家によって。オーリに関してはどこまで自分の意思で関与していたのかは分からない。ただ、本当の父親と引き裂かれた上に、自分を嫌悪するバスティアンを父に強要されたディアンは余りにも可哀想だと思う。確かにヴィヴィアンはパメラに似ている。血を分けた息子さえ、自分がのしあがる為の道具にする醜悪さが。
救いはオーリが比較的まともな人物だった事。目を潤ませながらディアンを突き離そうとする姿や、泣いている息子に身を震わせて耐える姿、涙を溢れさせながら抱きしめる姿からは、父としての確かな情を感じる。ルウェリンが温情を与えたのも、二人の間に親子の情愛を見たからだと思った。………そして、そのルウェリンを見つめるアルマンの眼差しが切ない。今の二人は、自分達が親に捨てられた子供であるとお互いに知っている。だからこそ、ディアンとオーリに自分達には差しのべられなかった救いの手を差し出した彼女の心情を、アルマンは誰より理解しているんだろう。140話で令嬢達に「王女様は決して冷酷でも無情でもありません」と語った様に、彼女の優しさをアルマンは誰よりも知っていると思う。
これでヴィヴィアンは表舞台から脱落したし、パメラの立場も間違いなく悪化した。今回のブリオン公爵は、はっきりとパメラを拒絶したね。もし彼が私欲に塗れた人間なら、権力維持の為に力を貸したかも知れない。けれど、彼もまた王家の血統を重んじる誇りある貴族なんだろう。ディアンが王家の血を引いていなければパメラを助ける理由もない。そしてこれは、バスティアンに関しても同じなのではと私は思う。ガトリンガー侯爵にブリオン公爵。彼らは血統を重んじる貴族達の中でも、特に誇りある5つの家門の当主だ。教皇になったエルネルや団長もいるし、一層強く流れが変わってきたと感じた。
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捨てられた王女の秘密の寝室【タテヨミ】
150話
純白の無欠2