4.0
スカっとかドン引きか
これまでの献身や努力を反故にされ王太子に婚約破棄をされた令嬢は、相手への報復を決意し隣国で行動を始める。………そんな分かりやすいざまぁ展開のこの作品は、かなり好みが分かれる作品だと思う。
何故なら、ヒロインの報復方法がかなり苛烈な内容だから。自分を裏切った王太子と浮気相手。厄介事を押し付けるだけの国王。王家の為に娘を利用し見捨てる父公爵。………ここまでは、ざまぁ物としては良くある復讐相手だ。けれど、この作品はそうしてヒロインが着せられた汚名を信じた国民までがその対象になっている。ヒロインが率先して彼らの命を奪う訳ではない。だが、復讐の過程で巻き込まれて命を失っても、そんな事はヒロインには関係ない。後に過ちに気付いて謝罪に来た騎士も、その騎士の愚行を諫めた父親も、なんならその領地で悪役令嬢を成敗する王子様ごっこをしていただけの子供たちまで。王太子同様にヒロインを見捨てたと言う点で、平等に報復に巻き込まれ惨殺されて死んでいく。
この手の詳しいことを知らされず噂に踊らされた人間や、後から真実に気付いて反省した人間は、ざまぁ作品でもなんとなく許される傾向が強かった。けれど、この作品はそうした人間にも結構容赦がない。これまでの作品の許し描写をぬるいと感じていた人はスカッとする反面、どうしても流石にやりすぎではと感じる人も出る。そう云う点で、好みが分かれる作品だと思う。
-
5
ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。