5.0
隠れた良作
政財界でも名家として知られる三条家の親族の中で、まなみは一般家庭に生まれ育った庶民の娘。けれど2人の従兄弟、3人の従姉妹と隔てなく大切にされ仲良く育ってきた。そんな中、祖父が親友の佐伯家の一人息子との縁談を、まなみ含めた4人の孫娘へと持ってくる。その釣書の男性は、母方の旧姓を名乗って働いているまなみの上司仁科係長だった。
自分の素性を隠したまなみと、見合い相手がまなみだと知らない仁科の関係が物語の中心。けれど話が進むにつれてまなみのトラウマと、それに仁科が関わっていた事が分かります。とにかくストレスなく読めるお話でした。理由の一つ目は度々来るざまぁ展開がさくさく進む事。二つ目はまなみを含めた主要人物がみんな好ましい事。まなみの従兄弟(従姉妹)たちが彼女を心から大切にしてくれているのも、職場の同僚たちが良い人達なのも、もちろん仁科係長が魅力的なのも、気持ち良く読める理由でした。
特に、ヒーローの仁科と同じくらい、従兄弟の透兄さんが素敵ではまってしまいました。まなみには恋愛感情がないから仁科と三角関係にならない(後に分かるけどこれまたイケメンの彼女がいます)でも本当にまなみを大切にしてくれて、ピンチの時には助けてくれる……。外のキャラも嫌みがないし、本当にさくさく読める良作でした。
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4番目の許婚候補