すずふさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全43件
  1. 評価:5.000 5.0

    顔に出ない王太子と顔に出過ぎる当て馬令嬢

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    気が付くと悪役令嬢に転生していました。←親の顔より見た展開

    と言う訳で生前に大好きだっ『エバラバ』の世界に転生した主人公。しかも転生先は最推しだったクラウス様の婚約者。ゲームの当て馬である悪役令嬢エリザベータだった。──ならばクラウス様の幸せの為に!!見事な悪役を演じてヒロインにはクラウス様ルートを選んで貰いましょう!!その為の手始めに、エリザベータは原作ヒロインであるアリスを苛める事に。……けれど何故か上手く行かない。流れで気付けばアリスを庇い、流れでまたまたアリスを励まし、気付けばすっかり当のアリスに慕われてしまう。

    そして何より、エリザベータ当人が気付いていないゲームとは異なる状態が一つ存在している。それは、原作ではエリザベータを疎んじて塩対応だったクラウスの態度。王族は感情を露にするべきではないその教えの通りに、表情に乏しく言葉も少ないクラウス殿下。けれどエリザベータを愛称のリーゼと呼び、他の男が愛称で呼ぶと静かな怒りを見せ、自分の色のドレスを贈り、国家行事の最中に抜け出して顔を見に来るクラウス殿下。…………いや明らかにエリザベータの事好きですよねクラウス殿下?!

    小さい頃からずっと側にいて、自分の事が大好きで、お嫁さんになりたいって努力してきて、魔力不足で王太子妃にはなれず本命が見付かるまでの身代わりの婚約者だと分かって大泣きして、泣いた後は自分を幸せにする為にまた努力を続けてきて。──確かに、こんな婚約者がいたら好きになっちゃわない筈ないんですよ。

    けれど、そんな2人が結ばれるにはある障害がある。それはゲーム原作で起こるクラウス王太子暗殺事件。アリスがクラウスルートに入った場合のみ未遂に終わるこのイベントを回避する為にエリザベータは行動し、その裏でクラウスもまたある目的に向けて行動していた。………原作で事件が起こる精霊祭まで約一年。すれ違いながらお互いを大好きな2人の姿がとにかく可愛くて微笑ましいお話です。

    • 2
  2. 評価:5.000 5.0

    囮になんて出来ない溺愛っぷりでした

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    貧乏伯爵家の娘で実家を支える為に尽力してきたグレイスは、東方かぶれの変わり者として夜会でも浮いた存在だった。けれどそんな彼女に「一目惚れなんです」と若き公爵アンセルが突然求婚してきて、2人はあれよあれよと結婚する事に。このままみんなに祝福されて夢のような結婚をするのだとグレイスは信じていた。結婚式直前に「このまま彼女と結婚することになったら最悪だ」と言うアンセルの言葉を聞くまでは。そして彼女は自分が正式な結婚相手ではなく、公爵家を強迫している何者かへの囮なのだと云う事を知る。

    …………とまぁグレイスは誤解してますが。普通にアンセルはグレイスが大好きで大好きで大好きで(中略)大好きで大好きで大好きでたまらないだけで、時々グレイスを害する者は絶対許さないモンスターハズバンドになっちゃうだけなんですよね。あの台詞も、強迫者が捕まらずグレイスへの危険を残したままで結婚するなんて最悪だと言う意味だった訳で。けれど誤解したグレイスは、せめて囮の役目を全うしようと出て行ってしまった。

    グレイスが出て行った!?妊娠してるってなんだ!?グレイスに他に恋人がいるなんて耐えられない!!誰かに襲われた可能性だと!?絶ッッッ対に○してやるッッッッ!!!机を放り投げ壁に穴を空けご乱心の末にグレイスを追うアンセル。一方、侍女ミリィと出て行ったグレイスは強迫主であるウォルターに捕らわれ、2人で犯人を返り討ちにしていた。

    ………
    ………………
    …………………あれなんか展開がおかしいな?そこはヒーローがかっこ良く救出に来る所なのでは?

    そう。グレイスは多少思い込みか激しかったりするものの、逞しくて行動力の塊のようなご令嬢。けれど心根が正直で嘘がなく自分に胸を張って生きている。そんなグレイスが、アンセルは愛しくて愛しくて仕方ないんです。彼女に出会ったその日に、一目惚れをした瞬間から。このお話はそんな2人の結婚式までの3日間と、それからも続く結婚生活のあまーーーーいお話なんです。ウォルターも持っていた魔法の石レイドリード・クリスタルに関わる事件を解決しながら、隙あらばいちゃいちゃする2人。(と言うかいちゃいちゃしたいアンセル)先日配信された最終話までずっと、可愛いグレイスと彼女に振り回されながら溺愛するアンセル様の蕩けるようなお話が詰まってます。

    • 0
  3. 評価:5.000 5.0

    腹黒王子の脳内に笑えます

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    むかしむかしある所に王子さまと侯爵令嬢がおりました。多少おかしい感じで出会い婚約した二人でしたが、それよりもっとおかしい事がありました。それは王子さまは腹黒でご令嬢は転生した記憶もちの自称悪役令嬢だったのです。

    自分がゲームの悪役令嬢に転生してしまったと気付いたバーティア。彼女は強く気高く美しく散る見事な悪役令嬢を目指すことを決意する。……けれど元来純粋で優しい上、少々おバカ(王子・談)なバーティアは、周囲が放ってはおけない愛らしいご令嬢。家族や周囲の人間が原作で不幸な未来になるのをそのままに出来ず、いつしか物語は原作ゲームから大きく逸れて行く。

    一方、原作のメインヒーローであるセシル王子。聡明で何事も完璧にこなす王子の性格は、絵に書いたような腹黒王子。──実はお話は、この王子の目線で進みます。

    最初は風変わりな婚約者が面白くて観察しようとしていたセシル王子は、気付けば自分とは正反対のバーティアを手放せないと感じるように(お約束)。けれど舞台は乙女ゲームの世界。学園に進むと同時に、本来の原作ヒロインとセシル王子は出会い、接近して行く事になる(お約束その②)………けれど、ここからの王子がすごかった。腹黒と天才的な頭脳と周囲の人材を使って躱す、躱す、躱す。ぐいぐい迫ってゲーム本来のルートを通らせようとしてくるヒロインから華麗に逃れ、セシル王子の為ですわと二人をくっつけ悪役令嬢になろうとするバーティアをこれまた華麗に丸め込む。この話は、原作ヒロインと悪役令嬢の話じゃないんですよ。これ、メイン攻略対象の腹黒王子が悪役令嬢を攻略するお話なんです。

    バーティア本人はずっとセシル王子が大好き。けれど彼女は原作を知っているからこそ、自分は悪役として散って王子はヒロインと結ばれるべきだと思っている。これは、そんな思い込みが強くて暴走を続けるバーティアを、セシル王子が煙に巻いて結婚に漕ぎ着けるまでのお話なんです。この二人の周囲を巻き込んだ関係が可愛くて、王子の冷静な脳内ツッコミが面白くて、とっても大好きなお話です。

    • 2
  4. 評価:5.000 5.0

    幼馴染みカップル可愛い!!

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    筋トレが趣味の日本人だった主人公が異世界転生したのは白豚令嬢と言われる悪役令嬢ソフィア・グレイドルだった。しかも第3王子の婚約者=作品ヒロインを害そうとした罪で処刑される寸前。あんまりに不条理な状況に「神様のバカ──!!」と悲鳴を上げた瞬間、当の神様たちが現れた。この状況が手違いだったと説明した神様はソフィアに提案する。チートな加護を授けるから、5歳からソフィアの人生をやり直さないか?と。

    そんな訳でチート付き逆行をしたソフィアなんですが、5歳ですでに丸い!ころころしてる!!すでにまんまるい白豚状態な自分を目にしたソフィアは、手始めにダイエットを開始します。筋トレ、デトックス、薬膳スープ、豆腐料理。そんなダイエットはソフィアよりむしろ家族の肉体改善に効果を表してしまい、なぜかソフィアは丸いまま。その上、話を聞いた王妃様が第三王子アイザックを連れてやって来て………と言うのが、物語の始まり。ソフィアは本当はアイザックとは接触したくなかったんですよね。なぜなら、前回処刑されるきっかけになったのは、イケメン王子アイザックに執着した事だったから。

    でも、ソフィアが5歳で出会った時のアイザックは怖くてご飯が食べられない男の子でした。アイザックは、以前食事に毒を盛られてから、どうしても食べられなくなってしまった。無理に食べても砂みたいな味しかしない。なのに、この女の子はなんでこんなに美味しそうに食べるんだろう……。幸せそうに食べるソフィアに促されて、アイザックは久しぶりに食事をとります。味のある、美味しいと感じられる食事を。そして自分に食事の大切さを思い出させてくれたソフィアの可愛い笑顔に、アイザックはメロメロになってしまうのでした。

    ………この時、ソフィアはまだ白豚令嬢と言われるまんまるい状態。作品表紙でネタバレしていますが、作品途中でソフィアの悩みは解決して華奢な美少女の姿になります。でも、アイザックが最初に好きになったのはまんまるい姿。丸いソフィアも綺麗になったソフィアも変わらず大好きでいてくれるアイザックと、自分の気持ちになかなか気づけないソフィアの関係がとにかく可愛いお話です。成長後にはお約束の性格悪い原作ヒロインも出てきますが、アイザックがソフィア一筋&サブヒーロー達も二人を応援している状態なので安心して読めます。

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  5. 評価:5.000 5.0

    タイトルに隠されたトリプルミーニング

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    神聖帝国の聖女の娘レティシャは敵対する公国の若き王ディトリアンと婚姻を結ぶ事になった。それは、レティシャが母である聖女に疎まれ虐待されて育ってきたから。だから聖女を憎む公国の元へと娘を送り出した。半年以内に夫ディトリアンを殺さなければ、自分が死ぬと言う呪いをかけて。……けれど、そんな自分優しく接してくれるディトリアンを彼女は愛してしまい、レティシャは夫の死ではなく自分の死を選んだ。そんな選択さえ踏みにじる様に、聖女は帝国に公国を侵略するよう命じ、結局ディトリアンは命を落とすことになった。

    ──これが、一度目の人生のお話。ディトリアンを失った後の失意の生涯を終えたはずのレティシャは、回帰した二度目の人生では彼を死なせない為に行動を開始する。そしてそんなレティシャの姿に、記憶がないディトリアンも聖女から彼女を救いたいと思うようになるのだった。レティシャは優しいディトリアンを守るために、ディトリアンは優しいレティシャを守るために、二回目の人生をやり直していく。けれど、最後まで読めば作品タイトルに込められた3番目の意味に気付くことになるんですよ。

    物語の粗筋としては、真の聖女として覚醒したレティシャが、自身の守護者である翼を集めながら、偽の聖女である母に立ち向かうお話です。そこにディトリアンとの互いを思いあう姿が描かれていて、本当に尊い。覚醒し集まってくる翼たちも魅力的な人たち。かっては母である偽聖女の翼だった人、公国の騎士、果ては帝国の皇族まで。真の聖女には、9つの翼が集うと言われており、最後の最後にはレティシャの元へは9人目の翼が訪れます。

    ……この最後の展開がまた凄かった。そう来るのかと言う気持ちと、よく来てくれたと言う気持ちで胸が熱くなってしまいました。

    そして、最後に気付くんです。タイトルに込められた3番目の意味に。『優しいあなたを守る方法』。この作品の登場人物でも1番強くて優しい、レティシャとディトリアンの二人にとっても大切な、ある人物を守る方法。この作品の物語のテーマの一つは、その人物を守れる未来にたどり着く事だったんだって。

    2025年3月現在、90話で更新が止まっています。他サイトでは本編最後まではきちんと描かれて今は外伝に入りました。せめてめちゃコミさんでも本編の結末までは描かれて欲しい。なんとか更新を!の気持ちを込めてのレビューです。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    最高に可愛い!!

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    アビーちゃんが可愛い。旦那様が可愛い。周囲の人がみんな優しい。笑えるシーンの間の取り方も最高。でもお高いんでしょう?………えっ、この内容とページ数で1話40P以下?今すぐいただくわ!

    と言う訳で最新話まで一気に購入。絵も綺麗だしめちゃくちゃ面白い良作で、しかもポイントお安め。本当に、薦めない理由が見付からない。
    一日最大12話無料のこの機会を逃さず読みはじめて欲しい作品。

    伯爵家から嫁いできたアビゲイルに、夫となったジェラルドは冷ややかに宣言する。「君を愛することはないだろう」と。けれど、ジェラルドは気付いてしまう。アビゲイルが実家で虐げられて来た事に。アビゲイルが強い魔力を持っている事に。アビゲイルが普通の令嬢とは違う事に。そして何よりアビゲイルが昔餌付けしていたピヨちゃんに似ていると言う事に──!!

    そこから始まる前世は魔王のアビゲイルと、すっかり溺愛モード突入のジェラルドの餌付けライフがとにかく面白いんです。使用人の前でも実家の家族の前でも上司の前でも果ては王族の前でも無意識に餌付けして甲斐甲斐しくお世話する姿に「君は本当に変わったな」「お前本当にジェラルドか」と突っ込まれる始末。当のアビゲイルも行動が突飛で、でもそれがまた可愛いらしい。二人の周囲の登場人物のように、ついつい(生)温かい目で見守りながら、最新話まで読んでしまいました。続きが待ちきれないです。

    • 1
  7. 評価:5.000 5.0

    二人のやり取りが可愛い!

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    物語は彼女が彼にぶちまけた所から始まった──。

    7英雄の一人ローレライのお供として魔獣討伐の慰労パーティに参加していたセシル。同じく7英雄のオズワルトを見た瞬間、彼女は思わず手持ちのポーションを彼にぶちまけてしまっていた。それは、あまりに禍々しいオーラがオズワルトから立ち上っていたから。彼に連行されたセシルは、オズワルトが受けた呪いを解く為に協力する事になるのだった。

    …………その呪いを解くための二人のやり取りが読んでいて面白い。社交界きってのモテ男付き合い放題食い放題のオズワルトと、彼に対象外扱いされた落ちこぼれ白魔導師セシル。薬師としては優秀な彼女の薬や治療法は特徴的で、隙あらばイケメンを治験者扱い。やや変人のセシルとそれに振り回されるオズワルトが少しずつお互いを意識していく姿は見ていてにやにやしてしまう。

    話は面白いし、絵は綺麗だし、読みやすくて一気に最新話まで読んでしまった。

    • 3
  8. 評価:5.000 5.0

    未読の人はこの機会に是非!

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    モノクロ版完読済み。カラー版も買いそろえようか悩みつつ、せっかくなので3話まで読んだ作品レビューを。正直、今からカラーで買いそろえられる新規読者さんが羨ましい。この大好きなお話を綺麗なカラーで読み進めて行けるのだから。

    領民に悪政を強いて家族と共に断罪されたライウスの徒花「お嬢様」。けれど真実の彼女は優しく純粋なライウスの宝花と言われる女性だった。そんな彼女を一族ごと処刑したのは、お嬢様の恋人ヘルトとして潜入し領主一家への反乱の機を伺っていた北方領主のカイド。お嬢様の死から15年後。前世の記憶を持ったままシャーリーとして転生したお嬢様は、現在のライウス領主として生きるカイドと再会することになる。これは、お互いに後悔と未練、捨てきれない愛情と罪悪感を抱えた二人が、幸せになれるまでのお話。

    とにかく二人の関係が切なくて何度も泣けてしまう。序盤にわかることですが、転生したお嬢様はもちろん、カイドの方もシャーリーが転生したお嬢様なのだとすぐに気付いています。それでもお嬢様とヘルトとして抱えた罪のせいで、胸に抱えたままの気持ちに向き合い従う事が出来ない。シャーリーはお嬢様の時の罪を今生で償うと決めているし、カイドはお嬢様を断罪した自分が幸せになるなんて許されないと考えている。そんな二人が少しずつでも幸せになろうとし始める姿が、すごく綺麗に描かれていて大好きなお話です。

    モノクロ時に言われていた文章が多くて読みにくいと言う意見も、カラーになることでかなり軽減されていると思いました。私は逆に、その詩的な台詞回しが世界観にあっていて大好きだったので、その台詞の多さも含めて楽しんで欲しい作品です。とにかく切なくて優しくて、色んな場面で泣けてしまうお話でオススメです。

    • 4
  9. 評価:5.000 5.0

    意図しない悪意の恐ろしさ

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    なろう連載で大好き……と言う言葉では表せない、色んな想いを抱かされた作品の書籍版。あちらには無かったエルドレット視点の補足があると知って飛び付きました。なぜエルがあんなにも一途に献身的にピカリを愛するのか。彼の執着はどこから来るのかを知ることが出来て大満足でした。ピカリの本当の名前は光。辛くて苦しい失うばかりだったエルの世界で、彼女こそは希望の光そのものだったんだろう。例えそれが、罪悪感や後ろめたさを抱えた物だったとしても。

    そして、この物語の根幹にあるのは、人の悪意なき悪意なんだろう。何らかの理由があるから仕方ない。そう、誰もか他人に対して犯した罪を悪気なく正当化してしまう。例えば、この世界を救う為だから異世界から聖女召還と言う強制らちをするのは仕方ない。聖女を旅立たせる為だから、魔王を倒しても帰還出来ない事を隠しておくのは仕方ない。だって、そうしないとこの国の人間が沢山死ぬことになるのだから、と。そんな悪意なき悪意のつけを一人で背負わされたヒカリに、ただ一人自身の罪を認め償おうとしたのは、第三王子で共に旅した勇者エルだけだった。他の人間は、無理矢理異世界に連れて来られる人間の悲しみになんて気付こうとしない……。そんな彼らが悪人でないからこそ、このお話はやりきれないのだと思う。

    誰もが、家族を失苦しみを理解し他人が傷つく事に心を痛める普通の人間。ただ何故か、その対象には無理矢理召喚された異世界人と言う「異物」は含まれない。そんな無意識の感覚が作り出した世界の真相を知った時に、作品を読んでいる側も本当に苦しい腹立たしい気持ちになってしまった。重くて辛い衝撃的な作品だけど、是非読んでみて欲しい作品。書き下ろしで、エルとヒカリのその後を読めてかなり救われた気持ちになりました。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    正に理想の王子様

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    宰相の娘であるリディは、現在最も有力な王太子妃候補と言われている。だが、前世である日本人の記憶を持つリディには、王族に認められた一夫多妻の制度が受け入れられない。悩んだ彼女は王太子妃の条件である純潔を散らす為、仮面舞踏会への参加を決意する。一方、完全無欠の王太子と言われるフリードもまた、ある悩みを解消する為、姿を変えて仮面舞踏会に参加していた。

    この後婚約者編、王太子妃編、更には王妃編と続く長期シリーズの最初のシリーズ。フリードに惹かれながらもそれを認めたくなくて逃げるリディと、そんなリディを絶対に逃がしてくれないフリードが可愛い。コミカライズでリディはより可愛く柔らかそうに、フリードはきらきら目映いイケメンに描かれていて嬉しい。

    個人的に王子といったらこの作家さん!と言うイメージがある月神サキ先生。その中でもフリードは正に理想的な王子だと思う。事情があった過去はともかくとして、出会って以降はリディに一途で誠実で何があってもリディを傷つけない、何からも守ってくれる。軍神の子孫と言われるだけの力を持っているのに、周囲の人間への物腰は柔らかく傲慢さの欠片も見せない。リディをとろとろに甘やかして、リディの周囲の人間にも敬意をもって接してくれる。一方で嫉妬深くて独占欲が強い一面も。まさに溺愛を形にしたような理想の王子様。主人公のリディも、女版なろう主人公でとにかく優秀!たまにいる足を引っ張る系ヒロインではなく、完全無欠と言われるフリードに劣らないくらいにあらゆる能力に長けていて、それは彼女の努力から来るものでもある。物語だからもちろん様々な危機が訪れるけれど、この二人なら大丈夫と思える素敵な主人公カップル。と同時に、周囲のキャラクターもみんな魅力的で、出来れば小説も読んで欲しい。コミカライズ作家さんはシリーズで違うけど、どの作家さんもお上手でおすすめです。

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