5.0
遠い古から結ばれる運命だった二人
場面はいきなりラハンがイスエルの家ブリーシャ伯爵家で父兄を前にして、求婚する事から始まる。が、ちょっと遡って、二人の出会いが彫刻像を彫る為に習っていた教室へ行く途中に、酔漢に絡まれたイスエルを助けてくれたラハンが、瞬時にイスエルを見初めた事だった。
イスエルが彫る彫刻像は、不思議な力を宿し、師匠セレスがオークションに出してくれていた。その像を手にした人は奇跡が起きたと…。そして彫刻家エルとしてオークションで話題になり、エルの彫刻像を求めて人が動き、国が動き出した。隣国の争い問題まで行くが最後は皇帝同士が和解する。
表だって伏せていたイスエルの存在が明らかになって行くが、何故イスエルが表に出てこなかったのか…。子供の頃セザールからされた怖い事から始まっている。優しい父兄がイスエルを大事に守ってくれていた。過保護と言われる程の可愛がりのおかげで、少しずつ前向きになれてきたイスエル。
それとイスエルが、子供の頃まだ明るくて活発だった頃にラハンと出合ったヘルパートの森。(この出会いが重要な始まりも後で分かる)ここでエルに指輪をもらった。エルがラハンだった事も後で分かる。
イスエルに次々起こる危険な事とか良い事、イスエルはラハン始め多くの人々から慕われ助けられて成長して行く。
ラハンはと言うと、最初は恐れられた怖い“人で無し”と言われてもいいくらいの存在だった。だけど、何故ラハンの性格や人となりがそうなのか、66ページからの3話で、もやっとしていた部分が、霧が晴れたように繋がって、素敵な物語になって行く。
二人は長い歳月を遡って行くと、イスエルはエニックス女神で、ラハンはカルムス神だったと…。
エニックス女神は生命と平和の女神、エニックスの魂をもち調和と幸福、活気にめぐまれる運命…。
かたやカルムスは戦争と紛争死に近い運命を辿るのろ○の神託を持つ…。
この二人が恋に落ちデートを重ねたのがヘルパートの森だった。相反する二人を怒った主神が二人を破壊して、彷徨ってたどり着いた二人が再び出合った森。
最初は反対した教皇聖下が存在するのも、二人を神が認めた事を伝える為かも…。最後まで試練を乗り越えた二人は素晴らしい結婚式を迎える。
ラハンの強引過ぎる俺様主義が周りの人に敬遠されていたけど、何故か憎めなくてラハンだから面白くて最後まで読めた。
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5
過保護なお嬢様