5.0
シオアナの夢は…
美しいレグベル領の領主エブゲニア家の娘シオアナと、ウルチェカ国のベルンハルト公爵家の突然の不幸から追われたエティエンが、出会ってから歯車が動き出している物語かなと思われる。
権力と金と欲にまみれた者達に翻弄されながらも、愛を育んで行くが、幸せになって行くのか47話まで読んでもわからない。シオアナの兄はちょっとした事でも気に食わないと、シオアナに暴力を振るった。父親は仕事で殆ど家に居ないし、居てもシオアナに目を向けず話しかけもしない。
そんな中父親がエィテエンを連れてきた。エィテエンの手首にはど隷の印があつた。茶色の髪と赤い目を嫌うエブゲニア家の中で、シオアナだけはエィテエンに優しく、幼い二人はお互いを一番必要として行く。
だけど、兄のイーライが父親を騙し、遊びに借金を繰り返し、シオアナを借金のかたに評判の悪いノア伯爵に売り飛ばそうとする。段々膨らむ借金に気が付いた父親がイーライを呼び出すが、ある夜銃で父親を手に掛けた。領地をノアに取られ、シオアナまでも自分の物にしようとするノア。周りから絡めとり、終いには、シオアナと結婚証書を教会に提出しようとするが、先を読んでいたエィテエンが前もって、自分との結婚証書を出していた。
数々の仕打ちや試練の中でも、シオアナの中にはレグベルの野原をエィテエンと駆け巡る思い出が、心の支えだった。
二人だけの誰にも邪魔されない生活だけの望みまでも何故ままならないのか…。
そんな中、ベルンハルト公爵家がエィテエンを探していた。
突然37話目でシーズン2の特別編が1話だけ挟まれていた。
「スカーボロフェア(イギリス民謡)」の歌が流れて、(架空では無くイギリスの中世が舞台?)シオアナとエィテエンの結婚式の場面が…。しかし幸せそうには見えない二人。公爵になったエィテエンと公爵夫人になったシオアナ。だけど、シオアナがエィテエンを壊れている…と詰っている。シオアナの望んだのは、レグベルの野原を無心で駆け巡った二人だけの楽しかった思い出だった。
特別編が何故1話だけ挟まれたのか?二人は幸せにはなれなかったのだろうか?
夢は夢で終わってしまったのだろうか?涙が止まらなかった。
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奴隷公爵の愛は、優しくて執拗的だった