5.0
素敵なラブストーリー
「完璧な淑女」と言われたエリシアは火傷を負った事で、第一王子の婚約者候補から外れる。(それは事故では無いことが後で分かるが……)その後スラム育ちの第二王子のジルに会い、彼の家庭教師になるが…これは二人の主人公がそれぞれ自分の道を見つける物語である。
まず「完璧な淑女」だったエリシアはその持てる力の全てをジル王子の教育に注ぐ。さしずめ「へレン・ケラーのアン・サリバン先生」と言ったところだろうか…野生児のヘレン・ケラーに洋服の着方から、文字を教えるなど、似たようなものである。ジル王子は母親が下女だったため王宮を追い出され、母親が亡くなってからはスラムで生きざるを得なかったが、第一王子の健康不安で王宮に連れ戻された。しかしスラムで育った経緯から国王一家と貴族に反感を抱いているし、貴族たちもジルを受け入れない。だがそんなジルをエリシアは一つ一つ心からの誠で、王子らしくする。この場合は「マイフェアレディーのイライザ」のようなものである。このあとある出来事があり、ジルは自分が本当に探していた女の子が、エリシアだと知る。そしてその頃エリシアの父親は、見捨てた娘を利用しようと迫るがそれにエリシアは立ち向かう。この二つの出来事辺りから、二人の気持ちが急接近する。そのあともまだまだ色々あったが、国王にも認められ二人は夫婦になる。
エリシアは自分の力で生きる道を切り開き、ジル王子は人を信じられる人間になって、自らも尊厳を取り戻した。とても素敵な物語だ。
少しエリシアが年上だと思うが、最後にはそれを感じさせないぐらいジル王子は威厳に満ちていた。(^^)
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生意気殿下の家庭教師になりました