5.0
奇跡の物語でした
「呪いの子」と家族に虐げられ、世間からも疎まられていたヒロインのミセリアが、ある偶然の出会いから「氷の伯爵」と呼ばれるグラヴィスから結婚を申し込まれるが、そこにはグラヴィスの抱えた大きな秘密があった……
しかしあまり納得出来る説明がなかったせいか、その行動はグラヴィスの元婚約者とかミセリアの妹の心の奥底にあった悪意を引き出し、危険な行動に出てしまう……
しかし医師の名誉欲を守るために、淡々とドクを与える人間はタチが悪すぎる。グラヴィスとミセリアの出会いが無ければ、ずっと悪事は続いていただろうし「呪い」だからそのうち無くなっても(悪人が亡くなったとかで……)真相は闇の中だったね……
元婚約者とか妹の悪意は「自分が優位に立っている」だけから生まれているので、見下していた人間が良い立場になると途端に嫉妬に変わる厄介なもの……二人とも「自分磨き」してないから、こうなるんだよね。しかし元婚約者は人身売買にまで手を染めてたんだから、「婚約破棄」は関係無くて、ただの言い訳……だよねー。思い通りにならない事を全部そのせいにする典型的な我儘人間。妹もサツジンまで企てるのは、親の愛情に感謝のカケラもないって事。むしろ姉が「呪いの子」だから私は「価値ある人間だから親の愛情は当たり前」の傲慢人間。しかしその傲慢さがミセリアを救っていたのは、何とも皮肉な話。だから「奇跡の物語」だと思った訳だが……
兄思いの強い心を持ち続けたグラヴィスとの出会いが、悲惨な運命なのに健気で優しい心を持ち続けたミセリアを幸せにした。全話有料だったが、とても満足した。
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「呪いの子」と虐げられた令嬢は氷の伯爵に溺愛される(単話版)