4.0
2人の出会いが歴史を変えた!
家族から疎外され戦場に送られた主人公ポリアナ。事情を察した師匠からは「何としても生き残る策」を教えられる。この師匠との出会いがまず第一歩だとすると、敵ながら若き皇帝に才能を見出されたのが、幸運の足がかりになった。ひたすら忠誠を誓ったポリアナに先に恋心を抱いたのが、皇帝になった若き王だというのが普通と違うな……と思った。新しき事(大陸統一)を目指した彼は、普通と違う考え方なんだろうけど、女性でありながら祖国が属国になった後も、騎士を続ける彼女に本能的にパートナーとしての価値を見出したのか?しかし現実は困難の連続で遂に皇帝は大改革に着手した。レベッカの遺児の娘を皇太子にして、ポリアナとの子に「ウインター」の名を継がせ(ポリアナには何より大事な家名)ポリアナを皇后に迎える方法……
最初は暗くて平凡な作品かと思ったが、歴史を変えるような作品になった。
何故皇帝はポリアナに惹かれたのか?冒頭のシーンだけなら十数年の間「そばにいた女性がポリアナだけ」かと思ってしまったが、彼女の生い立ちを含めて「新しい世界を作りたい、元老院にから支配されない」を目指した皇帝の価値観に沿っていたからだろう。
戦場ならではのシーンも沢山あるが、絵が単純なせいで(画家さんに失礼かも知れないが)あっさりサッと読めた。
殆ど無料で読めたから、最後の大詰めは有料でも全然気にならなかった。どんなふうにまとめるのか?が気になってしまったので……
こんな大長編を最後まで読んだのは初めてだけど、無料だからだけではなく、ポリアナを始めとする女性達の思いがよく描けていたし、ひたすら美形の皇帝の3枚目的な姿が面白かったからでもあるし……
一番ドキドキしたのはポリアナが結婚詐欺に遭いそうになった場面……人畜無害そうな男が、実は一番悪辣だった事……結果は苛烈だったがあの時代では当然かも知れない(昔イタリアの実話でもあったから)
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皇帝と女騎士