4.0
面白くて、一気に読んだ!
婚約者に裏切られた上「ダサくて地味な女」と罵られた主人公のクララベルが、美しく変わって行く話であるが、持ち前の頭の良さ(それを誇る場面はない)と素直さがどんどん味方を増やすのが、とても愛おしいと感じる。
結果を見れば元々婚約者はクララベルを気に入っておらず、共に田舎貴族である事を恥じていた。
一足先に王都に出た婚約者はミエを張って後戻り出来ないところまで来てしまっていたので、優秀なクララベルが飛び級で王都に来なくても、遠からず破綻していたと思われる。
婚約者の裏切りがバレたのは、むしろクララベルには幸運だった。未来の王子妃に見出され、未来の夫と出会い、大きく運命を変えられたのだから……一重に優秀さを鼻にかけず謙虚で素直な性格であるからなのであるが……しかし王子妃ヴィクトリアや王宮の女官達が、苦い過去を持ちながら前向きに進む強さが単なる優しさにならないのが凄いと思う。
元婚約者のアランがより田舎の領地で子連れ未亡人と結婚してそれなりに努力している姿と、より華々しく活躍しているクララベルと正反対になったのは皮肉であるが、これがあるべきカタチだったのかな?最後に連れ子のお陰でクララベルに再開したアランが直接謝罪出来たのが、良かった。
しかしクララベルの努力を家族が一番軽視していた事実には、驚かされた。2番目の兄が自覚してくれたり、夫のロイドがクギをサシテくれたり……ようやく分かってもらえて良かった!
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ダセェと言われた令嬢の華麗なる変身