5.0
不謹慎すら引き受けて
いじめというデリケートな問題を「ホラーの題材」になんて不謹慎だ、という批判も理解はできるし、そのあたりは、難しい。
ただ、そういう不謹慎すら引き受けて、マジなホラーをやろうとしたのではないか、と。
私としては、丁寧に作り込まれた作品に尋常ではない気合いを感じ、批判する気にはなれなかった。
もう、序盤からやられた。
一度希望という餌を与えてから絶望を叩きつけるとか、そんなハイレベルな小学生のいじめ、ありかいな。
でも、現実に、ありなんだろうな。
読み進めるうちに、気づく、というか、思い知る。
ああ、これが続くんだ、と。
希望の影がちらつく度に、絶望への予感に包まれる。
その読者サイドの絶望は、作中の登場人物たちの絶望とシンクロする。
もう終わってほしい。
これ以上読みたくない。
それでも読ませる吸引力の恐ろしさ。
これが一級のホラーでなくて、何だろう。
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4
校舎のうらには天使が埋められている