5.0
ずるい
私は漫画でも映画でも、「実話に基づく」という断りをほぼ無視して考えることにしている。
現実をどの程度参照しているかはどうでもよく、あくまでひとつの作品としてどうなのか、ということに集中することにしている。
ただ、本作は、例外だ。
清野とおると壇蜜の馴れ初めなんて、そりゃ気になるだろ。
これは、反則である。
私は、清野とおるが壇蜜の夫であると知ってから、いつかこいつはこういう漫画を書くんじゃないかと思っていたが、ついにやりやがった、というのが正直な感想だ。
私は、大好きな漫画家である押切蓮介の友人として清野とおるという人を知り、いくつか漫画を読んで、この人は変人どころか半ば狂人であると思った。
その清野とおるが、壇蜜という「ミステリアス」の概念を擬人化したような女性と結婚するとはどういうことなのか、これはもう、気にするなという方が無理である。
そういう意味では本当にずるい作品だと思うが、面白いからまあ、しょうがない。
出会いから現在の夫婦生活まで、紛れもない異色であって、その描き方はあくまでコメディとして徹底されてはいるものの、きちんと互いの愛情が感じられるのも、作品として素敵である。
何なんだよ。
早く続きを書いて下さい。
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「壇蜜」