4.0
彼女が「普通」に生きるまで
「ヒル」という存在の設定は面白かった。
ただ、「ヒル」がゴロゴロいたり、仲間を形成していたり、という設定には、ちょっと冷めた。
「なさそうだけど、あるかも」という際どいラインを完全にオーバーして、「いや、ないだろ」に行ってしまった。
もっとも、他にも「ヒル」がいることにしないと、どう話を展開させるかは難しいけれど。
「ヒル」という存在は、深読みしようとすれば、居場所のない若者とか、社会的なマイノリティーとか、色んなメタファーがよぎるけれど、この漫画は、シンプルに、一人の女の子が「普通に生きる」覚悟を決める話でもある。
「僕たちがやりました」もそうだけれど、「普通に生きる」ことの難しさというのは、現代のひとつのテーマなのかもしれない。
特殊な方法で生き抜く、客観的にはかなり不気味な存在を扱いながら、主人公の成長物語としては非常に爽やかであり、その微妙なバランスは悪くなかった。
酷評されているラストだが、物語は断ち切られ、それでも日々は続いてゆく、というような印象で、個人的には好きであった。
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56









ヒル