rokaさんの投稿一覧

投稿
747
いいね獲得
21,011
評価5 20% 148
評価4 28% 211
評価3 31% 229
評価2 17% 124
評価1 5% 35
451 - 460件目/全506件
  1. 評価:5.000 5.0

    矢吹丈の哀しみ

    読んだのは高校生の頃だった。
    魅力的なキャラクターの造形、ボクシングの試合の描写のシンプルなエキサイトも印象に残るが、最も忘れがたいのは、矢吹丈という男の哀しげな目だった。
    子ども心に、「この人は、究極的には、誰ともわかり合えないのではないか」と感じたのを覚えている。
    私は矢吹丈に強く憧れながら、同時に、決定的に拒絶されたような気持ちで、ずっとこの漫画を読んでいた。
    そのようなことを漫画の主人公に対して感じたのは初めてだったし、以来、一度もない。

    • 7
  2. 評価:4.000 4.0

    当たり外れはあるけれど

    小品ながらキラリと光る一編もあり、「何だそりゃ」という駄作もある。
    本編と比較すると、よくも悪くも力の抜けた印象を受ける。
    その軽さが魅力でもあるし、物足りなくもある。
    ただまあ、その物足りなさは、いずれ本編に帰ってゆくことを前提とするならば、ちょうどいいのかもしれない。

    • 2
  3. 評価:4.000 4.0

    麻雀にまつわる嘘と本当

    阿佐田哲也の原作ファンとしては、違和感を覚える部分もあるし、現実の麻雀を漫画向けに誇張・歪曲しすぎた感もある。
    そういう意味では、麻雀という現実のゲームを描いたにしては、嘘が多すぎる。
    しかし、製作者サイドの、麻雀、そして阿佐田哲也に対する愛着は、本当である、という感想を持った。

    • 3
  4. 評価:5.000 5.0

    私の青春漫画

    私の青春漫画。
    ミステリ部分が単純に面白かったことはもちろんだが、だらしない金田一少年が不意に見せる、「妙に出来た人間」としての顔が好きだった。
    「異人館村」で犯人に放った絶叫、
    「飛騨からくり屋敷」のラスト、ある意味での「共犯者」への捨て台詞、
    「黒死蝶」で燃える館を見ての呟き、
    「雪影村」のスタンド・バイ・ミー的なモノローグ。
    嗚呼、思い出は尽きない。

    昔は、ドキドキしながら読んだ。
    今では、昔の友人に会うような、不思議なノスタルジーが込み上げる。

    • 29
  5. 評価:1.000 1.0

    恥を知れ

    一話目(五話の怪談が語られる)だけ読んだが、うち三話は知っている話だった。
    ネットの怪談サイトからそのまま拾った話だったのだ(残る二話も怪しい)。
    何だそりゃ。
    いくら元手がかからないといっても、ネット上の書き込みをそのまま漫画に転用するなんて、商売としてあまりに卑しいと思う。

    • 6
  6. 評価:4.000 4.0

    ぶれる善悪

    ひょんなことから殺_人者になってしまった父親のストーリー。
    漫画の中では「ヒーロー」だが、やっていることは結構エグい。
    ただ、「普通の父親がそこまで出来るか?」という突っ込みどころを、「推理小説マニア」という設定で上手くかわしたところが巧妙である。

    マンションの風呂場で死体を解体して…なんていう事件は、実際、数年前にあった。
    そのニュースを見たときの苛立ちと嫌悪感を、私は覚えている。
    行為としては、この父親がやっていることも、同じだ。
    しかしおそらく、私を含めた多くの読者が、この父親サイドについて、応援したはずである。
    そういう「ぶれ」を、私たちの善悪の意識は含んでいる。
    「許せない」とか感じたはずの行為を、「娘のため」というちっぽけな(と言っていいかは難しいが)「理由」や「事情」や「大義」さえあれば、あっさり許して応援すらしてしまう、というような、ぶれ。
    それを、計算ずくで提示しているような漫画だと思った。
    そういう意味では何とも底意地の悪い、怖い漫画である。

    私は、善悪のぶれを、全否定するつもりはない。
    それが、人間らしさというものかもしれない。
    ただ、思うのは、自分たちの善悪の基準なんて非常に曖昧なものだ、という事実に対して無自覚なのは、とても危険なことだ。
    私たちはいつの間にか、適当に誰かの「行為」を取り上げて、むやみに断罪してはいないだろうか。
    そこにあったかもしれない、「理由」や「事情」や「大義」を無視して。

    日馬富士の引退会見を見ながら、私はこの漫画を思い出して、そんなことを考えていた。

    • 166
  7. 評価:4.000 4.0

    エピソードの楽しさ

    ちょっと映画「ディパーテッド」を彷彿とさせるような設定で、面白かった。

    私は、この漫画の「ひとつひとつの事件のエピソード」を、毎回とても楽しく読んだ。
    逆に言うと、この漫画の「大きなストーリー展開」には、あまり興味が持てなかった。
    だから、残念ながら、結末にもそれほど胸を打たれず、「終わってしまったか」という感情だけが残った。

    ただ、それだけ個々のエピソードの完成度が高い、ということは、間違いない。

    • 33
  8. 評価:4.000 4.0

    不条理

    「欲を出した人間が地獄に落ちる」的な漫画なのかと思っていたが、全く違った。
    何の非もない一般ピーポーが、喪黒の悪意によって次々に地獄に落ちる話だった。
    何だそりゃ、と思う反面、不条理を描くとはこういうことなんだな、とも思った。
    私たちが慣れ親しんだ「昔話」的な勧善懲悪に対する辛辣なアンチテーゼであり、この時代にそれを平気でやっていたことが恐ろしい。

    • 6
  9. 評価:3.000 3.0

    繰り返しの是非

    悪く言うと「同じこと」の繰り返し。
    だが、それでも退屈させないのは、よくあるサバイバル系のホラーを基軸にしながら、上手に推理モノの要素を取り入れているからだと思う。

    ただ、話の性質上、「生き残れるか」という本来最大の焦点になるはずの部分に緊迫感が欠けるのは、ちょっと気になった。
    何しろ、基本は何度でも「繰り返す」わけで。
    ただ、「助かるとわかっていても怖い」描写には成功しているとは思う。

    ドラゴンボールも、「生き返れる」ようになってから、急に緊張感がなくなった。
    まあ、関係ないけど。

    • 4
  10. 評価:2.000 2.0

    裏も表も関係ない

    前作のレビューにも書いたが、主人公に何の哲学も感じない。
    「表の社会では冴えなかった主人公が、裏社会では…」みたいな話だが、違う。
    主人公は何も変わっていない。
    ただ、表の社会で振り回されていたのが、裏の社会で振り回されるようになっただけだ。
    それを意図した皮肉なリアリティー作品ならば見事だが、明らかにそうではない。
    振り回されているだけの人間の物語など、私は読みたいとは思えない。

    • 4

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています