rokaさんの投稿一覧

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461 - 470件目/全506件
  1. 評価:2.000 2.0

    みんなで復讐、って

    申し訳ないが、「クラスみんなで復讐」という設定で、もう冷めてしまった。

    「復讐モノ」はわりに好きである。
    しかし、復讐心というのは、当たり前かもしれないが、本来、極めて個人的な感情である。
    だからこそ、残酷にも苛烈にもなれるのだと思う。
    みんなで痛みや傷を共有することは、復讐心を抑える方向に作用するだろう。
    「いいんだよ、フィクションなんだから」。
    それはそうなのだけれど、人間の感情の核の部分には、フィクションの都合を持ち込んではいけない領域もあると私は思う。

    • 12
  2. 評価:5.000 5.0

    祭りの前の怖さ

    今のところ、だが。
    幽霊も吸血鬼も出てこない。
    狂った、というほど異常な人間も見当たらない。
    何より、まだ、何も起きていない。
    なのに、怖い。
    平坦にすら見える日常が、怖い。
    そこに、どうにも破綻の予感がして仕方がない。
    何かとんでもなく不幸なことが、いずれ起こるに違いない、という予感的な怖さ。
    不穏、という言葉が一番近いのか。
    でも、それでも足りない。
    これは、漫画でしか描けない種類の怖さである気がする。

    この作者は、「漂流ネットカフェ」や「ハピネス」のような、現実の枠を超えたストーリーよりも、日常を舞台にする方が、本領発揮となるのではないかと感じた。

    余談だが、群馬県出身の私にとっては、登場人物たちの群馬弁はすっと入ってくるし、郷愁を誘われるものであった。
    ちょっと得をした気分である。
    だが、その郷愁すら、うすら寒い恐怖を連れてくる。
    何てことだ。

    この怖さは、素晴らしい。
    これからきっと、何かが起こるのだろう。
    そうなったときにも、どうか素晴らしい漫画であってほしい。
    「祭りは準備をしているときが一番楽しい」などというが、それを超える祭りがこの先にあることを願ってやまない。

    • 108
  3. 評価:4.000 4.0

    地獄のサバイバル

    昨今流行りの有象無象のサバイバル漫画とは、一線を画すレベルの高さを感じる。
    「ルール」はあるものの、よくある「ゲーム」的なタッチではないところに、新鮮さがある。
    村に「地獄」が出現する、という設定の大胆さ、「ゾンビ」などではない、和風の異形のもののおぞましさ。
    「蜜の島」でも感じたが、この作者は世界観を整えるための描き込みがとても丁寧で好感が持てる。
    今後に期待の良質スリラー。

    • 5
  4. 評価:2.000 2.0

    少年漫画とギャンブル

    「ギャンブル」を描いた漫画、と言われると違和感がある。
    ギャンブル狂の造形が、いわば孫悟空の「オラ、ワクワクしてくっぞ!」的なノリであり、それは、ギャンブルにおける本当の狂気の表現とはかけ離れていると思う。

    また、基本的には「勧善懲悪」的な展開になるのも考えもので、悪に勝たせろとは言わないが、善も悪も「ない」というのが、ギャンブルの核心なのではなかろうか。

    まあ、ギャンブルを題材にした少年漫画、という位置ならば、これくらいでいいのかもしれない。
    ただしギャンブルは本質的に、「少年」のためのものではない。

    • 6
  5. 評価:5.000 5.0

    理想的な少年漫画

    「胸が熱くなる」とは、こういう漫画のためにある言葉ではないか。
    たったひとつ残念なのは、少年時代に読まなかったことだ。
    それでも、熱くなれる。
    「HUNTER×HUNTER」と双璧をなす、理想的な少年漫画だと思う。

    • 13
  6. 評価:5.000 5.0

    時代性と普遍性

    ネタバレ レビューを表示する

    ネット配信を利用した愉快犯による劇場型の犯行、という極めて現代的な舞台装置だが、核のところにあったのは、時代性などとは無縁の、人間の普遍的な強さや美しさみたいなものだった。
    時代に乗っかって始まり、時代に左右されない核心にたどり着く。
    その返し技があまりに綺麗に決まりすぎていて、ちょっとムカつくほど感心した。

    • 12
  7. 評価:5.000 5.0

    この世とあの世と死役所と

    「この世」と「あの世」の間に設けられたモラトリアムのような世界を舞台に綴られる、様々な人間たちの死に様と生き様。

    まず、ひとつひとつのエピソードの完成度が非常に高く、読み手に喚起する感情も実に多様だ。
    温かさ、哀しさ、怖さ、悔しさ、切なさ、やりきれなさ。
    死の物語でありながら、そこにあるのは、私たちが生きてゆくことにまつわる全てであるように思う。
    いかに死んだかということと、いかに生きたかということは、ある意味では、きっと、等価なのだろう。

    また、基本的には短く完結する短編集的な作品でありながら、死役所の職員たちの背景を少しずつ描いていくことで、読者の関心を持続させているのもポイントが高い。
    特に、シ村の生前に何があったのか、という謎の吸引力は素晴らしく、これほど続きが気になるオムニバスもあまりないだろうと思う。

    • 311
  8. 評価:3.000 3.0

    浅いけれど

    凶悪犯の実録漫画。
    ひとつひとつのエピソードの掘り下げは浅く、ダイジェスト的な印象で、「核心に迫る」というような迫力はない。
    「アンビリバボー」の方が情報量は多いくらいだと思う。

    ただ、なかなか中立的な視点で「人間」としての凶悪犯を描こうとしているように思えて、そこはちょっと好感を持った。
    凶悪犯を、「異常な怪物」として排除したり、単純な悪役と設定したり、グロテスクな興味を煽ったり、そういうアプローチの方が漫画としてはやりやすいだろうが、それをしていない。
    「こんなひどい奴がいたんだよ、許せないよね!異常だよね!」という感じではない。
    「やったことは許しがたいが、彼らもまた、人間。いったいどこで歯車が狂ったのだろうか?」という語り口。
    そして、その答えは、わからない。
    その、わからない、ということをきちんと描いている気がして、そこは評価したいと思った。

    • 8
  9. 評価:3.000 3.0

    原作に負う

    原作のファンである。

    まずまず楽しく読んだのだが、その魅力はあくまで原作に負うものだし、原作とどちらが魅力的かと問えば、答えは明白だと思う。
    師匠シリーズの魅力は、「話」としての面白さだけではなく、かなりの部分、作者の端正な文体によるものでもあったんだな、と再認識した。

    とはいえ、インターネット上の「書き込み」から始まった師匠シリーズが、とうとう漫画化かいな、と思うと、ちょっとした感慨はある。

    • 11
  10. 評価:2.000 2.0

    復讐するなら

    個人的な好みの問題だが、復讐をする人間には、毅然としていてほしい。
    加害者への共感や善悪のボーダーなど、振り切る覚悟がなければ、復讐なんて出来ないし、するべきでもない、と思う。
    色々なものを飛び越えたり踏みにじったりして至る復讐の境地っていうのは、もっと、静かなものなんじゃないのかな。
    例えば「善悪の屑」みたいに。
    そういう意味では、「復讐者になりきれない復讐者」が本作の魅力なのかもしれないが、私はそこをうまく評価できなかった。

    • 3

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