5.0
本当のギャンブル
本来はタイプの顔じゃないのに、付き合ってしばらくしたら、可愛くて仕方がなくなる、なんてこと、ありますよね。
何が言いたいのかというと、福本氏の「絵」
が、その現象と似ている、ということである。
でもそれは、漫画の世界では、かなりのハンデ戦だ。
まことに失礼なことを言うが、少なくとも絵を見て「読みたい」と感じさせる漫画では全くないと思う。
漫画は、雑に言えば、絵と文字だ。
その絵に、魅力がない。
正確には、この絵に魅力を感じるのは、読んで、この世界に引き込まれた後の話であり、入り口での魅力ではない。
そういう「飛車角落ち」のような勝負を漫画という賭場で仕掛け、それに勝利した福本氏は、本当に凄いと思う。
「そんなギャンブル、ありかよ」と作品の中で何度も感嘆したが、一番のギャンブルは、福本氏が「漫画」を選択したという、その事実ではなかろうか。
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アカギ