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作品レビュー
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281 - 290件目/全498件

  1. 評価:4.000 4.0

    漫画の表現の可能性

    全く好きにはなれなかったし、正直、面白いとも思わなかった。
    しかし、漫画の表現としては、新しさを感じた。

    ただ絵が下手なだけではなく、例えばピカソのような(褒めすぎだけど)「敢えてやっている感」があり、また、その下手さゆえに、奇妙な勢いに溢れていて、繰り返し、好きにはなれないが、無視できないパワーがあった。

    適切な例えかわからないけれど、昔、漫☆画太郎を初めて読んだときに似た衝撃があった。
    (ちなみに漫☆画太郎は好きです。)

    これだけ色々な漫画があり、表現の方法なんて出尽くしたように感じることもある現代だけれど、きっとまだまだ、漫画の表現には可能性があるのだろうと、私はそんなことを考えていた。

    • 4
  2. 評価:4.000 4.0

    続・原作への愛情

    「鉄鼠の檻」のレビューにも書いたが、この漫画家の、京極堂シリーズに対する思い入れの強さと、作品に対する理解と、そして愛情は、半端でない。
    そこは、本当に凄いと思う。

    ただ、本作、「鉄鼠」に比べると、ちょっと漫画的な誇張というか、胡散臭さみたいなものを感じてしまった。
    星をひとつ引いたのは、それゆえである。

    ただまあ、その欠点は正直、京極夏彦の原作段階での失態なのかもしれないが。

    • 4
  3. 評価:3.000 3.0

    ホラーの勢い

    怨念がらみの「呪いのアプリ」という設定は「リング」、次々に起きる変死は「ファイナルデスティネーション」という洋画をかなり参考にしていると思う。
    まあ、パクリ、とまでは言わないが。

    人を巻き込んで粉砕するエスカレーター、それを目の前で見ながら、直後には少女漫画ばりにときめいているヒロイン、イケメンだけどやってることは完全にストーカーのヒーロー、雑すぎる呪いの引き金(そんなのが引き金だったら即日皆殺しだろ…)など、突っ込みどころはありすぎる気もするが、B級ホラーのお約束ということで、まあ、それはいい。
    それも含めて勢いで読ませる力はそれなりにあったのではないか。

    ちなみに「白」「黒」は、どっちを先に読んでも問題ないと思う。

    • 5
  4. 評価:4.000 4.0

    なかなかドラマチック

    設定勝負の一発ものかと思いきや、なかなかどうして、ひとつひとつのエピソードはドラマチックである。
    奇抜な設定だけで引きつけて、中身は空っぽ、という作品ではなく、あくまで描きたいドラマがあり、それを引っ張り出すために設定がある、という印象を受けた。

    トリガーの制度は、設定自体は非現実的だが、おそらく多くの人が一度は抱いたことのあるであろう「こいつ、誰か殺してくれねえかな」という感情に基づいており、それが一種のカタルシスに繋がっているのだろう。
    私たちの中にある、感情的に歪んだ「正義」を利用した漫画であり、その計算は、実に巧妙である。

    • 4
  5. 評価:4.000 4.0

    「そこそこ」の遠さ

    ダメ人間ばかりの話。
    ただ、その描き方のさじ加減は巧妙で、
    「現実には人間なんてこんなものかもしれない」と、
    「いや、いくらなんでもこれはないわ」と、
    「あれ、ダメ人間にしてはやるじゃん」の間を、登場人物たちは浮遊する。
    リアルな共感性と、漫画としての演出のバランスが秀逸で、小気味良く読める。

    その中で、「そこそこでいい」というトビオのリアリティーがいい。
    この価値観を漫画の主人公に置いたのは、現代漫画のひとつの発明かもしれない。

    しかし、トビオは知る。
    「そこそこ」は、すごく難しい、ということを。
    それは多分、今の時代、多くの若者がぶち当たる壁なんじゃないか。
    この漫画ほど派手にじゃなくても。
    そういう意味では、すごく時代性をとらえた漫画だと思う。

    • 4
  6. 評価:2.000 2.0

    少年漫画とギャンブル

    「ギャンブル」を描いた漫画、と言われると違和感がある。
    ギャンブル狂の造形が、いわば孫悟空の「オラ、ワクワクしてくっぞ!」的なノリであり、それは、ギャンブルにおける本当の狂気の表現とはかけ離れていると思う。

    また、基本的には「勧善懲悪」的な展開になるのも考えもので、悪に勝たせろとは言わないが、善も悪も「ない」というのが、ギャンブルの核心なのではなかろうか。

    まあ、ギャンブルを題材にした少年漫画、という位置ならば、これくらいでいいのかもしれない。
    ただしギャンブルは本質的に、「少年」のためのものではない。

    • 6
  7. 評価:4.000 4.0

    私情の究極

    同じ「裏社会」モノということで、「闇金ウシジマくん」と比較されることがあるが、全く違う。
    ウシジマくんは、徹底的に私情を捨てて生きている。
    一方、本作の「ヒーロー」二人は、究極的に私情に走って生きている。
    どちらがいいとか、面白いとか、そういうことではない。
    ただ、私情に生きる二人の方が、いくぶん人間的であるし、また、弱い。
    私情に生きる人間は、真に冷酷にはなり得ないからだ。

    ウシジマくんを読んだときは、私情を捨てることこそが、この主人公が現代を生き抜くために身につけた必死の手段なのだと思い、胸が熱くなった。
    そして、少し、悲しくなった。
    「外道の歌」の二人は、時代性とは無縁の、ある意味では古典的な営みを送り続けている。
    その愚直さに、胸が熱くなった。
    そして、少し、悲しくなった。

    • 4
  8. 評価:5.000 5.0

    牛のジェットコースター

    死の予言から逃れようとする若者たちのサスペンス。
    「件」とは一体何なのか?
    運命を変える術はあるのか?
    というのがストーリーの基本線だが、死に直面した登場人物たちの生き様や、交錯する思惑も見もので、「みんなで協力して運命に立ち向かう」という単純な構図とは一線を画している。
    時系列を錯綜させる構成や、一種の群像劇的な見せ方も、技術の高さが半端ではない。
    「モンタージュ」にしてもそうだが、この作者は作中で時系列を操作するのが上手い。
    そしてまあ、信じられないくらいに物語は動きに動く。
    本当に、動きすぎて困った。
    この過剰な「動き」を受け入れられるかどうかが、評価の分かれ目になると思う。
    個人的には、大満足。
    どちらかと言えば、ジリジリ迫りくる死の恐怖を、牛のように単調な動きのスローなストーリーで見せるのが似合いそうな題材なのに、繰り広げられるのはジェットコースターもびっくりの怒涛の展開。
    あまりにもスピーディーで、あまりにもサスペンスフルな傑作。

    • 3
  9. 評価:4.000 4.0

    不条理

    「欲を出した人間が地獄に落ちる」的な漫画なのかと思っていたが、全く違った。
    何の非もない一般ピーポーが、喪黒の悪意によって次々に地獄に落ちる話だった。
    何だそりゃ、と思う反面、不条理を描くとはこういうことなんだな、とも思った。
    私たちが慣れ親しんだ「昔話」的な勧善懲悪に対する辛辣なアンチテーゼであり、この時代にそれを平気でやっていたことが恐ろしい。

    • 6
  10. 評価:4.000 4.0

    地獄のサバイバル

    昨今流行りの有象無象のサバイバル漫画とは、一線を画すレベルの高さを感じる。
    「ルール」はあるものの、よくある「ゲーム」的なタッチではないところに、新鮮さがある。
    村に「地獄」が出現する、という設定の大胆さ、「ゾンビ」などではない、和風の異形のもののおぞましさ。
    「蜜の島」でも感じたが、この作者は世界観を整えるための描き込みがとても丁寧で好感が持てる。
    今後に期待の良質スリラー。

    • 4
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