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作品レビュー
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241 - 250件目/全498件

  1. 評価:3.000 3.0

    普通中の普通

    家に来た家政婦が何かおかしい、という話。

    いやもう、びっくりするくらい普通。
    昨今のサスペンスは、やたら凝った設定や展開ゆえに破綻する例も多いが、そういう中で、ここまで普通なのも珍しい。

    このへんはまあ、良くも悪しくも、というところだ。
    家政婦の狂気のあり方には何の説得力もないが、下手に論理をこねるより、いたいけな少年少女がイカれた家政婦に追い回される、頑張れ少年少女。
    という具合に、「ホーム・アローン」的なシンプルな読み方が出来る漫画、という点では、いいのかもしれない。

    ただ、筋としてここまでシンプルならば、展開としてもう少し工夫は欲しかったところで、あまりに平坦な印象は拭えない。

    罵詈雑言を吐いてけなされるような漫画ではないものの、賞賛すべき点も特にない。
    まさに普通、としか表現のしようがなく、星の数も三つ以外にはあり得ない。
    「五段階で三の評価を狙って漫画を描け」というお題のもとに作られたならば、大したものだけれど。

    • 6
  2. 評価:1.000 1.0

    より有意義な時間の過ごし方の提案

    酷い。
    作画もストーリーもキャラクターの造形も構成も何もかも、稚拙と表現するのも躊躇われるくらいにレベルが低い。

    何がムカつくって、これ多分、設定以外にほとんど事前に話を考えていない。
    「一晩で24人の生徒が死んだ」という設定だけ作って、そこから何かグダグダやっているだけ。
    こんなものに騙されるほど読者も馬鹿ではない。
    ちゃんとしろや。

    当然、「何があったのか」が焦点の漫画であるが、何があったのかも、これから何がどうなるのかも、どうでもいい。
    マジで、死ぬほどどうでもいい。

    これを読むなら、「一晩で24人の生徒が死んだ。何があった?」という大喜利でもやって遊んだ方が、よほど有意義な時間の過ごし方かと思われる。

    読んだこと自体を忘れ去りたいと願いたくなるような漫画であった、ということを明記しておく。

    • 8
  3. 評価:4.000 4.0

    安心感のあるホラー

    心霊が題材であるので、一応、ホラー漫画に分類していいかと思うのだが、怖がらせることではなく、安心させることに主眼を置いている、と言って差し支えないくらい、安定的な作品である。

    ちょっと語弊があるかもしれないが、この安心感は「水戸黄門」なんかのそれに近い。
    ある種、パターンというか、善良な人間は最終的にはそれほど酷い目には遭わないだろう、という安全圏から作品を眺めることが出来るわけである。
    それがいいかどうかは別として。

    真っ当に怖がらせるホラー、笑わせにきているホラー、心温まるホラー、まあ、色々なホラーがあってよかろうと思う。
    本作、ほっとするホラーとしては、そのクオリティーは保証する。
    ただまあ、それが個人的な趣向に合うかというと、残念ながら、そうではないのだれど。

    • 5
  4. 評価:2.000 2.0

    簡単すぎる

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    主人公の主婦二人が、深夜限定の家事代行のサービスをやる、という話。

    まず、漫画の評価とは関係ないけれど、このビジネスの発想自体は面白いと思った(既に存在するサービスなのかは知らないが)。
    私自身、生活サイクルが一般の仕事とずれているせいで、「この店が夜中にやっててくれればな」と感じることが日常だから、特に都市部であれば、こういうビジネスの需要はあるのではないかと思う。
    まあ、安全性の問題とか、色々難しそうではあるが。

    話としては、主婦二人が、家事代行の仕事の中で、パパ活、ティーンエイジャーの妊娠、ネグレクト、DVなど、現代社会の様々な問題に直面することになる。
    展開はテンポがよく、サクサク読めるのはよし。
    だがいかんせん、解決が簡単すぎる。
    当たり前だが、前述の諸問題が、そう易々と一件落着するわけはない。
    このあたり、漫画として一定の落としどころを設定しないといけないのはわかるが、それにしても、という印象は拭えなかった。

    • 7
  5. 評価:4.000 4.0

    唯一無比の勢い

    冷静に見れば、いくらホラー漫画とは言え滅茶苦茶で、突っ込みどころだらけなのだけれど、こちらが突っ込む余地を残さないほどの強烈な勢いでもって押し切られる。
    そして、冷静に見る、なんてことを考えたこちらが間違っていたのだ、というような気分にさせられる。
    楳図かずおというのはそういう無類のパワーを持った作家であって、ここまで来るともう、一種のスタンド使いみたいなものだと思う。
    私としてはもう、「参りました」と言う以外にない。

    • 5
  6. 評価:4.000 4.0

    ホラーの二重奏

    ネタバレ レビューを表示する

    土着系、民族系のホラーで、小説が原作(未読)。
    個人的には好きなジャンルで、軽度な(よく言えばポップな)民俗学のバックグラウンドで味をつけた「ぼぎわん」の存在感はなかなか面白かった。

    題材は目新しいものではないが、本作の見せ場は構成の妙で、原作がホラー大賞を受賞したのも、おそらくこの構成力が評価されたのが一因かと思われる。
    三部構成で、第一部が夫、第二部が妻、第三部が事件を追う記者の視点から、それぞれ綴られる。

    私は、第一部から第二部への切り替えの見事さに感心した。
    第一部を読むと、語り手の夫は普通のサラリーマンで、妻と子どもを守るために怪異に立ち向かうオーソドックスな主人公として映るのだが、まずこの夫が、第一部のラストで死ぬ。
    そして第二部では、その夫が、妻から見れば、実は半ば死んでほしいくらいに疎ましい男だったことが明らかになる。
    この描写が、凄い。
    何が凄いって、夫が実は不倫をしていたとか、とんでもない過去の秘密があったとか、そういうことは一切なく、ただ単に、夫が見ている世界と妻が見ている世界が全く違った、という描き方をしている点である。
    現実とは多くの場合、こうなのだろう。
    主観と客観のズレ、というか、誰かの主観と誰かの主観のズレ。
    「寄生獣」の中で、ミギーが「仮に魂を入れ替えることが出来たなら、全く違う世界が見えるはずだ」という意味のことを言っていたが、私たちはそういうズレの中に生きており、そのズレが許容量を超えて乖離したとき、例えば夫婦関係が破綻したりする。
    それに気づかないのはだいたい男の方で、本作も然りである。
    本作はいわゆる「人怖」のホラーではないが、「ぼぎわん」という怪異の恐怖と、人間関係にまつわる人の愚かさという一種の恐怖が二重奏となって、とても興味深かった。

    ところが、問題は第三部である。
    「ぼぎわん」という正体不明の怪異を描く第一部。
    オカルトの恐怖に人間関係の恐怖を重ねつつ、謎解きが進む第二部。
    そして第三部は、雑に言うと、霊能バトル漫画に近い、イメージ的には。
    どうしてこうなったんだろう、と私は首を捻ったが、もしかしたら作者が本当にやりたかったのはこれなのかもしれない。
    だとしたらしょうがない。
    しかし、私はこのジャンル変更みたいな展開にどうにも乗っかれず、第二部までが楽しかっただけに、ちょっと残念だった。

    • 5
  7. 評価:4.000 4.0

    異常な表現力

    頭蓋骨に穴を開ける「トレパネーション」手術を受けた男の話。

    手術後、主人公は他人の深層心理みたいなものが視覚化して見えるようになるのだが、その表現が圧巻である。
    水木しげるによる妖怪の表現とか、ジョジョのスタンドの表現とか、「見えざるもの」を魅力的に描ける、というのは漫画の素晴らしい利点のひとつだと思うが、本作のホムンクルスのインパクトも凄まじい。

    ホムンクルスは一貫して不気味でグロテスクな存在として描かれるが、闇雲なグロテスクではなく、人間の本質的な弱さや醜さを具象化しているようで、なかなか巧妙に練られている。
    江戸時代の頃、日本で描かれた妖怪の絵というのは、そこから人情や世相を読み解く「絵解き」の側面があったが、私は本作のホムンクルスを見て、その妖怪画を想起した。

    トラウマとコンプレックス、主体と客体、内面と外面、といった人間存在の根幹に迫るようなアプローチをしている作品だが、そのあたりは難しすぎて、私の頭脳ではキャパを超えてしまった。
    ただ、そういう小難しい話を抜きにしても、普通ではあり得ない表現に成功した漫画として、一読の価値はあると思う。

    途中、ちょっと迷走する期間が長いのは気になったが、考えてみれば、主人公自身が終始迷走しているような漫画なので、それはそれで、作品に相応しいのかもしれない。

    • 5
  8. 評価:3.000 3.0

    ミギーの引用

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    ヒグマの描写はあくまで現実的な中での迫力があって、なかなかスリリングだった。
    ただ、打ち切りっぽいラストには、ちょっとフラストレーションが残った。
    もっと何かを伝えられる漫画になり得たと思うだけに。

    最後、ヒロインがヒグマを始末するときに涙を流すことには賛否あるみたいだが、私は、ヒロインの気持ちがわかる。
    私が半ば異常な動物好きであることとも無関係ではないだろうが、人間から見たらどんなに「残虐」なヒグマでも、私は自分の手で葬り去ることになったなら、悲しくてたまらないと思う。
    私は撃つ。
    自分が可愛いからだ。
    ただ、撃つけれど、「ざまあ見ろ、この化け物が!」というふうには、なれないと思う。
    「ごめんな」としか、言えないと思う。
    そういう自分を偽善的だと思う。
    しかし、変えられない。

    あるB級パニックホラー映画の中で、サミュエル・L・ジャクソンが言っていた。
    「自然は確かに過酷だが、人間の残酷さには勝てない」と。

    あるいは、私の最も好きな漫画のひとつの中で、ミギーが言っていた。
    ある日道で出会った生き物が死んで悲しいのは、人間が暇な動物だからだ、と。
    ミギーは続けた。
    心に暇のある生物、何と素晴らしい、と。

    考えてみれば、私がヒグマに対して抱いた思いというのは、「寄生獣」で新一が後藤に対して抱いた思いと、全く同じだ。
    というか、新一が、私の思いを完璧に代弁してくれて、ミギーがそれをフォローしてくれたのだ。
    あの漫画は、やっぱり凄いね。

    私は、いくら偽善的であろうとも、歪であろうとも、その暇は、失いたくないと思うのだが。

    • 6
  9. 評価:5.000 5.0

    美醜の果て

    主人公は交通事故で顔に怪我を負い、それを治そうと無茶な整形に手を染めて妖怪のような外見になり、夫に捨てられるのだが、夫の新しい職場に次々と現れては、彼の新生活を破綻させる。
    怖すぎ。

    ただまあ、このへんの描き方は完全にギャグで、主人公の女は、夫の職場に置かれた新装開店祝いの花の中から現れたり、夫が新たに恋に落ちた女を夫の好みでないように整形させたり、発想力とバイタリティーが半端ではなく、私はゲラゲラ笑いながら楽しく読んだ。
    そして、変わり果てた妻を見る度に吐く夫。
    どんだけ胃腸が弱いんだお前は。
    だいたい、いくら整形手術に失敗したからといって、そうはならないだろ。
    骨格変わってるもん。

    そんな中で、この漫画の着地点は、どこになるのかな、と思いながら読み続けた。

    私は、生まれも育ちも外見も、全て「才能」の一種だと思っている。
    突出した頭脳や運動神経の持ち主がもてはやされるのだから、美しい外見の人がもてはやされるのも、当たり前だと思う。
    それを「容姿差別」だとか何とか騒ぐ風潮というのは、本当に下らないと思うし、「見た目で人を判断するのはよくない」みたいな論調はクソ喰らえと思っている。
    どうせお前らジャイ子よりスカーレット・ヨハンソンを選ぶくせに。
    スカーレット・ヨハンソンの内面知ってんのかよ。
    私は知らない。

    まあ、それはいい。
    それはいいのだが、美醜のせめぎ合いの果てに本作が行き着いたのは、「外見より中身よね」とか、「やっぱり見た目よね」とか、そういう次元ではなかった。
    これは、見た目も中身もひっくるめて、人間の醜さを許すというか、醜さを愛する、という漫画ではないかと思った。
    もっと言えば、愛するっていうのは、その人の醜さを含めて受け入れるってことなんじゃないかしら、という漫画ではないかと思った。

    「美しさは皮一枚、醜さは骨の髄まで」という言葉がある。
    この漫画は、その「皮一枚」に縛られて生きる愚かな私たちの、愛の物語なのだと思う。

    あれ?
    祝いの花から妖怪が現れるコメディ路線に流れたのに、いつの間にそんな、崇高さすら漂う愛の物語に辿り着いたのだろう。
    何だが狐につままれたような気分だが、こういうのを、漫画の力業と言うのだと思う。
    星5つはあげすぎな気もしたが、半ば強引に感動させられてしまったので、これはもう、私の負けである。

    • 4
  10. 評価:4.000 4.0

    現代の寓話

    この作者は、今、自分が最も注目している漫画家の一人である。
    極めて現代的な観点から、しかも普遍的な角度で、老いや死を描くことの出来る、稀有な作家だと感じる。

    昔話の中では、桃が流れてきて元気な子が生まれるとか、おむすびが穴に落ちて財宝が手に入るとか、老人に唐突なラッキーが訪れて、何だかんだで誠実な老人はハッピーになり、意地悪な人間にはバチが当たる。
    が、現代は(多分、本当は昔もだろうけど)誠実な老人にとっても過酷である。
    夫には先立たれ、子どもには見捨てられ、近隣からは孤立し、家はゴミ屋敷となる。
    そんな老婆に訪れた「不意なラッキー」を描いた作品であり、私は、現代社会におけるひとつの寓話として読んだ。

    また、この作者の漫画には、罪と、罪に対する許し、というテーマが繰り返し出てくる。
    寓話的でありながら、単に「善人は結局めでたしめでたし」というだけの話ではなく、そこには罪という影があり、それが作品に奥行きを与えている。
    清廉潔白ではなく、自らの罪を自覚しているがゆえに、他人の罪に対しても寛容であれる、という本作の主人公の姿は、ひとつの本質かもしれない。

    星をひとつ引いたのは、「よろこびのうた」があまりに圧倒的すぎて、つい比較してしまったせいである。
    そういう意味では、私の評価は、あまりフェアではない。

    • 5
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