rokaさんの投稿一覧

投稿
755
いいね獲得
23,006
評価5 20% 150
評価4 28% 214
評価3 30% 230
評価2 17% 126
評価1 5% 35
121 - 130件目/全151件
  1. 評価:3.000 3.0

    二つでひとつ

    ポケットモンスターじゃあるまいし、「白・黒同時発売」ってなあ…とも思ったが、まあ、それはいい。

    「黒」が「リング」系のホラー(あくまでオカルトありきのホラー)だったのに対して、「白」はそのオカルトの起源を描いた「エピソードゼロ」的な内容。
    こちらはオカルト的なホラーではなく、「現実」枠内のサスペンス。
    突っ込みどころに溢れているのは、「黒」に勝るとも劣らない。

    個人的には、「白」「黒」どっちから読んでも問題ないと思った。
    時系列を一本道にしてすんなり読みたいならば「白」を先に読むのがいいし、ちょっとモヤモヤを抱えつつ「この呪いの裏にはいったい何が!?」みたいな流れで読みたいならば「黒」を先に、という感じかな。
    まあ、もっともらしく書いたけど、どっちから読んでもそんなに変わらない。
    ただ、あくまで「白」「黒」二つでひとつの漫画、という気はする。

    • 10
  2. 評価:3.000 3.0

    ホラーの勢い

    怨念がらみの「呪いのアプリ」という設定は「リング」、次々に起きる変死は「ファイナルデスティネーション」という洋画をかなり参考にしていると思う。
    まあ、パクリ、とまでは言わないが。

    人を巻き込んで粉砕するエスカレーター、それを目の前で見ながら、直後には少女漫画ばりにときめいているヒロイン、イケメンだけどやってることは完全にストーカーのヒーロー、雑すぎる呪いの引き金(そんなのが引き金だったら即日皆殺しだろ…)など、突っ込みどころはありすぎる気もするが、B級ホラーのお約束ということで、まあ、それはいい。
    それも含めて勢いで読ませる力はそれなりにあったのではないか。

    ちなみに「白」「黒」は、どっちを先に読んでも問題ないと思う。

    • 5
  3. 評価:3.000 3.0

    物足りなさの理由

    主人公は十分すぎるくらい同情に値するし、ストーリーもシンプルで端正で、読む側としては「やっちまいな!」という復讐モードには入りやすい。

    しかし、私はどうにも入り込めなかった。
    なぜだろう、と考えて、多分、主人公が普通すぎる、というか、まともすぎるからではないかと思った。

    当たり前のことだが、本当の復讐には多大な労力がかかる。
    相手が手強ければ尚更だ。
    時間とコスト、だけではなく、自分の人格や人生そのものをある程度は犠牲にしなければ、復讐に生きるなんて、無理だ。
    私はそう思う。
    「いたってまともな」女の子が、復讐なんて出来るわけがない。
    一見まともに見えたとしても、少なくとも一定量は、悪魔に魂を売り渡さなければ。
    そういう影も闇も、この漫画からは感じられなかった。

    • 35
  4. 評価:3.000 3.0

    設定に乗れない

    話としては楽しめた部分もあった。
    しかし、根本的な問題として、「高校生」という設定に、どうしても乗っかれなかった。

    金か友情か、というのがテーマとして成立しないとは言わないが、高校生にその葛藤、あるか?
    「カイジ」の世界ならわかる。
    他人の生命を踏みにじって自分をひどく汚して尊厳も見栄もかなぐり捨ててまで金を追求する人間がいくらでもいることは、別に理解できる。
    けれど、そういう人間としての烙印みたいなものって、高校生に押しつける必要があるものなのか?
    大人が子どもに負ける部分は色々あるが、そのひとつは、金の束縛から自由である、ということではないのだろうか?

    倫理的な話をしたいわけではなく、私はただ単に、その設定の違和感に馴染めなかった。
    まあ、現役の高校生が楽しく読んでいるなら、別にいいんだけど。

    • 9
  5. 評価:3.000 3.0

    設定の微妙さ

    基本的に一話完結で、サクッと読める。
    その手軽さはよし。

    主人公の食通ぶりも、それなりのアイデンティティーにはなっている。
    読んでいると何か食べたくなる漫画である。

    ただ、美食家の探偵、という設定自体は、推理小説の世界では特別に斬新なものでもなく、その設定と主人公のキャラと絵柄の都合上、緊張感には欠ける。
    それは推理ものにとってはほとんど致命傷であって、その負をカバーするほどの魅力が「喰いタン」という設定にあるかというと、それには正直、疑問符がつく。

    • 3
  6. 評価:3.000 3.0

    子どもの世界のサスペンス

    閉鎖空間を舞台にした、いわゆるソリッド・シチュエーション・スリラーだが、「子ども」の目線の描き方が巧みである。
    子ども時代に特有の、大人に対するある種の不信感みたいなものが、作品のカラーに上手く乗っている。
    結果、単なるサスペンスではない、ちょっと感傷と郷愁を誘うような、独特の雰囲気を醸し出している。

    ただ、道中なかなか引き込まれただけに、オチの弱さはやや残念ではあった。

    • 5
  7. 評価:3.000 3.0

    時代を感じる

    稲川淳二は好きである。
    が、まさか漫画化されていたとは、何とも時代を感じる。

    彼の怪談の中身を漫画にしただけではなく、稲川淳二本人も、語り手としてちゃんと出てくる。

    それにしても、第1話が「そして俺は死んだ」…タイトルからネタバレしているのもどうかと思う。

    • 5
  8. 評価:3.000 3.0

    意外にちゃんとホラー

    「少女漫画だろ」となめていたら、意外にちゃんとホラーで驚いた。
    申し訳ありませんでした。

    オカルト的な部分と、人間の情念の怖さみたいな部分が適度にブレンドされていて、さらっと読むホラーとしては、なかなか読みごたえがあると思う。

    • 4
  9. 評価:3.000 3.0

    加害者になる可能性

    「犯罪を論じるときは、自らが被害者になる可能性だけではなく、加害者になる可能性も考えなければならない」と何かの本で読んだ。
    私はその主張に完全に同意したわけではないが、その言葉は、ずっと私の中に引っかかっていた。

    被害者サイドに立って復讐をする人物を描いた漫画は、いくつか読んだことがある。
    しかし、本作のように加害者サイドの家族にスポットを当てた漫画は初めてで、新鮮さは感じた。

    その上で、犯罪者を手軽な正義感で裁こうとする社会の狂気は、加害者以上にたちが悪いのではないか、という現代への警鐘を、さらっと鳴らしている。
    その挑戦的な姿勢も、嫌いではなかった。

    反面、被害者サイドの描写はおろそかで、この漫画のスタンスがフェアだとは言いがたい。
    ただ、この立脚点の斬新さと一種の勇気は、評価したいと思った。

    • 7
  10. 評価:3.000 3.0

    キャラクターの完成度

    ストーリーはなかなか面白いのだが、漫画としての表現力(画力を含めて)が、それに追いついていない気がする。
    そこは、残念。

    ただ、朱鷺子というキャラクターは非常に独特で、今まで読んだどんな漫画の登場人物とも違っていた。
    他者への共感が欠如した、ある種のサイコパス的な人間だが、実のところ、異常なほど一本筋が通っている。
    読み進めれば読み進めるほど、彼女の哲学みたいなものが明確になる仕掛けになっていて、感心した。
    身近にいたらどう考えても関わりたくないが、漫画のキャラクターとしては綿密に計算し尽くされており、完成度は高いと思う。

    • 9

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています