5.0
戦後も続いていた「戦争」
大まかな知識としては知っていても実感を伴ってとらえることがなかったシベリア抑留。
その凄惨さが描かれており、
思わず最後まで一気に読んでしまいました。
S20.8.15といえば終戦記念日ですが、
抑留者にとってはそれからが、長いシベリアでの戦いの始まりだった訳です。
理不尽で非道な扱い、強制労働、飢えと寒さ、疫病の蔓延など辛酸をなめ尽くされた抑留者の方々に捧げる適当な言葉が見つかりません。
また、終戦したのに故国日本の土を踏めず、シベリアの凍土にてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りします。
帰国された方への補償が不充分で遅かった事や、亡くなった方の遺骨の返還が進まない事は大変残念であり、解決されるべきで忘れてはいけない事だと思います。
この作品がもっと世に知られる事を願いますし、
私もシベリア抑留を取り上げたノンフィクションを
もっと読もうと思います。
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新装版 凍りの掌 シベリア抑留記