4.0
壮大な裏事情でした
本の世界に憑依してしまった(と思い込んでいる)主人公は自分のキャスティングが最期は死んでしまう悪役「セリア」で、このまま物語の通りに進まないように善行に励み、物語のヒロイン「聖女リナ」の邪魔をしないようにヒーロー「ルシェ」ではないサブヒーロー「カリス」と恋愛したりするのだけど…。
なぜか全てを持っているはずのヒロイン「聖女リナ」はサブの彼にめちゃくちゃちょっかいかけてきて、あげくに(セリアの)命がかかってる結婚式をすっぽかすように仕向ける。
悪役だけど聖なる存在シュルテンでもあるセリアの結婚式は聖なる約束?で相手が遅刻でも間に合わないと死んじゃうのに…_:(´ཀ`」 ∠):
この時点でヒロインのリナも婚約者のカリスもサイテー‼︎と憤慨して読んでいたのですが、さらに読み進めていくと、主人公が憑依するまで知らなかったセリアの過去が明らかになっていきます。酷い酷い家族の仕打ちに、もうセリアが可哀想で可哀想で泣けてきました。でも、ヒーロー「ルシェ」がセリアを愛し、セリアも少しずつ幸せを感じるようになっていくのですが、聖女のはずなのになんでも欲しがりのリナがあの手この手で邪魔してきます。現実にもこんな欲まみれな女の人いるなぁとムカつきながら、一生懸命セリアを応援してました!セリアは現代的で良い子ぶらなくて、正直な女の子。辛い境遇を跳ね返すような強さがあって好感が持てました。それにしてもリナは愛されないで育ったの?どうしてそんなによく深いの?と不思議でしたが…。まさかの想像出来ない裏事情がありました…。セリアの幸せとハッピーエンドをひたすら願って完読しましたが、振り返るとこのリナと、カリスに超ムカついていた最初の頃が1番エキサイトしていて面白かったかな?と思います。ハッピーエンドで本当に良かったのですが、途中は話の設定が複雑で、振り返って読み込まないと難しいかったりするのでその点だけが残念でした!でもとても楽しく読み切ることができました!ありがとうございます。
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正統派悪役令嬢の裏事情