4.0
先の視えないノンストップミステリー
「全てー かなえよう」 もしも神の如き存在に、こう語りかけられたら、なんと答えるだろうか…。古代神への生贄となったことによって、何故かしら人智の及ばない力を使役できるようになった第一皇女ルディス。彼女の「生贄」としての使命は、むしろ古代神ラベインと出会って後に、動き出したのかもしれません。
それにしても、これほど先の見えない話も珍しい。物語の鍵を握る言葉は、「生贄」「古代神」「供物」 古代神たちが語る意味と、人間たちが認識している意味とにズレがあり、そこに謎が生じて、読者を混沌に導きます。虐待、冷遇されて育った人間が、偶然偉大な力を使う権利を手に入れてしまったとき、果たして正義を行うことができるのか…ルディスの目を通して、人間の究極が試されている気がします。
ルディスの選択は?古代神の真の姿は?を筆頭に、伏線回収に向けて、最後の最後まで気を抜けそうもない物語、ダークファンタジーがお好みの方に強くお勧めです。
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生贄の皇女様