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日本中の紅とコウジたちへ…
正直、お酒は呑めるほうではない。はっきり言って、下戸。それにも関わらず、地酒?クラフトビール?地ワイン?みたいな「その地域で一定量しかつくっていないお酒」が大好き。呑めないくせに頼んだり、購入して無駄に保管したりするもんだから、ある意味プチ道楽。
なぜそんなことをするかといえば、大手メーカーにはない独特の風味が、それらにはあるから。う〜ん、同じ具材、同じ市販ルーを使っていても、それぞれの家庭で微妙に味の異なる美味しいカレーライスみたいな…?その、ちょっとした「旨さ」の違いを求めて、ついつい呑めない「地元のお酒」を購入してしまう。
でも、この「紅一献」を読んで、自分の投資も、決して無意味ではない気がしてきた。呑めない自分が、地方の小さな蔵で生まれたお酒たちに感じていた「風味」や「旨み」、それらを生み出すために、どれだけの手間と時間と情熱が傾けられているのか、この作品を読むことで想像することができる。きっと、日本中の酒蔵や醸造所で、コウジみたいな人たちが、唯一無二を造り出すために努力し、紅みたいな人たちが、それを支えているのだろう。
ああ、呑めないのに、呑みたくなってきた。先日勢いで買ってきた、地元ワイナリーのボージョレ・ヌーボーでも開けるか…呑み切るのに、3日は掛かるけれど…。
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紅一献!~恋、ひとしずく~